「陳情令」の番外編『乱魄(らんはく)』ご覧になりましたか?
2021年8月現在、Rakuten TVで見ることができます。
いやはや、よくぞこのスピンオフを作ってくださった!と。本編をご覧になった方、ぜひご覧頂きたいなと思いました。そしてこのスピンオフを見ると、また本編を見たくなりました。
スピンオフ『乱魄(らんはく)』を見たら本編を見返したくなった話①の続きを書いていこうと思います。
Contents
あらすじ(ネタバレなし)
”射日の征戦”後、義兄弟の誓いを結んだ藍曦臣(ラン・シーチェン)、聶明玦(ニエ・ミンジュエ)、金光瑤(ジン・グアンヤオ)。
今作では清河聶氏の宗主・聶明玦(ニエ・ミンジュエ)、その弟の聶懐桑(ニエ・ホワイサン)を中心に話が進んでいきます。
発端は厳重に守ってきたはずの聶氏の祭刀堂(さいとうどう)が盗賊に荒らされてしまったことでした。聶明玦(ニエ・ミンジュエ)は弟の聶懐桑(ニエ・ホワイサン)を連れ祭刀堂へ。
そこで聶懐桑(ニエ・ホワイサン)は初めて祭刀堂の秘密とともに兄の本当の気持も知ることになります。
本編の最後に出てきた聶懐桑(ニエ・ホワイサン)の行動につながる物語です。
なぜ聶懐桑があのような行動を取ったのか?本編ではあまり触れられておらず、個人的には?マークがいっぱいだったのですが。このスピンオフでなるほど!と。
1時間22分。
登場人物
聶明玦(ニエ・ミンジュエ) | 号:赤鋒尊(せきほうそん) | 清河聶氏の宗主。弟に厳しい。”射日の征戦”で功績を上げ、藍曦臣(ラン・シーチェン)、金光瑤(ジン・グアンヤオ)とともに義兄弟の契りを結ぶ。三人のことは”三尊(さんぞん)”とも呼ばれる。 |
聶懐桑(ニエ・ホワイサン) | 聶明玦の義兄弟。お兄ちゃんを恐れている。武術よりも書画などが好き。 | |
聶宗輝(ニエ・ゾンホイ) | 聶明玦の信頼厚き部下。 | |
金光瑤(ジン・グアンヤオ) | 号:斂芳尊(れんほうそん) | 蘭陵金氏の宗主。もともとは聶氏に仕えていたが、とある理由で聶氏から離れることに。(本編をご覧になった方は、どんな理由かご存知とは思いますが一応伏せておきます。) |
”射日の征戦”とは、傍若無人で横暴な岐山温氏(きざんウェンし)を討つために仙門が結束して挑んだ戦いのこと。雲夢江氏、姑蘇藍氏、蘭陵金氏、清河聶氏という四大世家(よんだいせいか)をはじめ仙門百家が参加。
”射日(しゃじつ)”というのは”太陽を射る”こと。温氏の家紋が太陽なので、それを射落とすという意味のようです。
『乱魄(らんはく)』ネタバレ&感想②
吊橋
主墓室へ向かうため吊橋を渡っていた聶兄弟と弟子たち。
しかしコウモリに攻撃され、吊橋とともに落下してしまう聶懐桑。兄上が聶懐桑を何とかキャッチすることができました。
崖に刀をつきたて、何とか助かった2人。
兄上は、自分の掌風(しょうふう)で弟を上まで押し上げるから、自分の刀・覇下(はか)の柄をしっかり握るよう言います。
そして弟を空中高く押し上げると、自分の刀を崖から抜いて弟の方へと放り投げます。無事に柄をキャッチした弟は助かりますが。当然、兄上は崖の下へと落下。
弟が空中にあがったのをみて、兄上が少し微笑むんですよね。すごく好きなシーンです、切ないけれど。
回想
刀の稽古をする兄上の横で、木の枝を振り回している聶懐桑。
兄上に木の枝で斬りかかり、2人してチャンバラ合戦。しかし、それを見られてしまったようで罰を受ける兄上。涙流しながら見ている聶懐桑。
罰を受けた兄上は泣いていないけれど、聶懐桑が大泣き。兄上は弟に筆を渡すと、愛おしそうに頭をなでてくれました。
また別の日でしょうか。
”修心”と”修刀”と書かれた飾り??を前に座っている兄弟。”修心”と書かれた方を弟へ渡して、自分は”修刀”と書かれた方を手にします。
微笑み合う2人。
崖の上で「懐桑、兄がいる限りお前が何をしようと守る」「ありがとう」と言葉をかわす兄弟。この2人には、血の繋がりはないものの固い絆があるんですよねぇ。しみじみ。
崖の上
体にロープを巻き、兄を救うために兄上の刀を持って崖下へとダイブしようとする聶懐桑。
宗輝は何とか聶懐桑を止めようとしますが、武術に優れた兄なら生きている、そして「自分を守ってくれた人をお前は見捨てられるか?清河聶氏の二若君でなくても兄上の唯一の弟だ」と。
宗主と次主が崖下へと行ってしまい、呆然とする部下たち。ですよね2人とも死んでしまう可能性があるのですから、うちの仙門どうなっちゃうの?!って焦りますよね。
谷底
なんとか到着できたようです。火打ち石でロウソクに点火し、なんとか周囲が見えるようになった聶懐桑。
兄上を探しますが、同じところを何度も何度もグルグルしてしまっているようです。
疲れで気を失いそうになった聶懐桑に、腰抜けで無能だ、などと避難してくる誰かの声。そして現れる黒い霧&赤い顔の何か?
気を失った聶懐桑を兄上が呼び起こします。どうやら兄上が見つけてくれて、弟を膝枕してくれていた様子。
大丈夫か?と聞いたものの、なぜ自分を助けに来たのだ、誰が次の家主をやるのだ?と咎める兄上。
「それが大切かい?命懸けで助けてくれた兄上を見殺しに?聶氏存続のために兄を捨てられるものか」
うっ。
兄上は弟の指摘が正しく、刀霊を抑えるために生贄を祭る方法では目先の方法でしかない、と。自分の独断で行ったことを反省。
聶懐桑は、兄上が自分の代わりに刀法を修めると選んだ。自分だったら途方に暮れていた。宗主なら意に反することもやらないといけなかったのだろう、とフォロー。
刀霊の呪いを破るために懸命に刀を修練したのに、まさか先祖と同じ轍を踏むとは…。
「懐桑、私を恨むな。修練を強いたのは、もう時間がないからだ。聶氏の重責はお前が担うようになる。刀法を心得ていなければ誰が従うのだ。私は一生お前を守れると思った。だが功を焦ったせいでこんなことに。聶氏を偉大にしたいと一心に願ったが皮肉だな。この聶氏が我が手で滅びようとしている。なんと罪深い」
先祖に顔向けできないと苦悩する兄上。
父上の死後、兄上が一人で聶氏を支えてきたことで先祖には顔向けできるという弟。そして一緒にここを出ようと言うのです。
しかし兄上は、ここは鎖仙閣(させんかく)と言って歴代の聶氏宗主は自分の気が暴走する前に自らをここに監禁すると説明。つまり、ここを出た人は一人もいない、と。
巻き添えにして申し訳ない、と涙をこぼす兄。うっ。兄上ぇぇえええ。
「そういうことなら、我ら兄弟2人で祖先の元に行くわけだし原点への回帰さ」と明るく言う聶懐桑。
すると急に水音がする、と言い出す聶懐桑。水音を辿っているうちに、壁画に描いてある妖獣は刀を避けもせずどこか別の場所を見ているようだ、とも。
別の壁画を見ると、議事堂の神獣(いつも兄上が座っている後ろにある神獣のことかな)とそっくり。しかし議事堂の神獣は前方をにらんでいるが、この壁画は上を見ている、と。
聶懐桑が岩場に登ると、地面に八卦陣があることに気づきました。でかした!
両極を攻撃すれば、なにか変化が起きるかもしれないということでやってみると無事に扉が開きました!
兄弟、固く握手。
再び主墓室へ
鎖仙閣(させんかく)を出ると、宗輝たちと再会できました。
そして今回の犠牲は自分に責任があること、これ以上は自分のせいで犠牲を出したくないので兄弟2人で刀霊を封じると宣言。
すると宗輝たちは、仲間が死んだのは刀霊のせいであり、主従の別はあっても宗主は実兄も同じ。運命を共にする、と誓う弟子たち。
兄上は感激した面持ちで、そこまで思ってくれるとはどう報いていいか、と話し出します。そして9人全員無事に戻ろうと誓います。
今までは人の血肉で刀霊を祭ったが、今日は同胞に刀霊を祭ろう!と呼びかける聶懐桑。
主墓室
そして始まる壮絶な刀霊との戦い。
兄上と宗輝の共闘、めっちゃカッコいいです。
なんとか刀霊を縛り上げ封印しようとしますが、そうは簡単に封印されません。
兄上を庇い刀霊の攻撃を受ける宗輝。
あれ、でも宗輝が立ち上がった!!良かった!!!と思ったのも一瞬。
「聶氏子孫め、祖先に跪拝(きはい)もせぬとは。やはり人の姿はよいものだ」
?!?!!!!
刀霊に体を乗っ取られてしまったようです。
双方、アバターのようなものを出現させ戦います。いや、絶対アバターじゃないんですけど。すみません。
それでも決着がつかず、結局は刀による接近戦。
兄上が刀霊を打ち負かしたところで、気を失っていた聶懐桑が意識を取り戻します。
刀霊に取り憑かれていた宗輝を刀で斬ろうとした兄上、聶懐桑が短笛で清心音を吹いて止めさせようとします。
我に返った兄上は、意識を取り戻した宗輝を斬るのをやめました。
しかし、ここで金光瑤(ジン・グアンヤオ)の罠が発動。
宗輝が傀儡に見えてしまい、斬り殺してしまうのです。
驚く聶懐桑。
宗主!と駆け寄ってきた2人の部下も傀儡に見えてしまい、迷うことなく斬り捨てます。
「兄上!」と呼びかけた聶懐桑にも斬りかかろうとする兄上。しかし、そこに見えたのは子供の頃の弟の姿。
寸でのところで刀が止まりました。
すごいですよね、残念ながら弟子たちは傀儡に見えてしまったけれど弟だけは、唯一弟だけは傀儡に見えなかった。兄弟愛。うっ。
気を取り戻した兄上、刀霊を封印できたことに安堵するも部下たちが全員死んでしまったことに呆然とします。
聶懐桑は皆は刀霊に殺されたのだ、と兄に嘘をつきました。ただでさえ、部下の死は自分の責任だと思っているのに。ましてや自ら殺したと知ったら、弱っている兄上はさらに弱ってしまうかもしれないと思ったのでしょうか。
号泣する兄上。
再びの約束
子供の頃、約束した場所に立つ兄弟。
「懐桑、昔と同じ今後お前が何をしようと私が守ってやる」と誓う兄上。
しかし、状態は悪化し金光瑶の清心音も効果なく死亡。
効果なく、というのは表向きですね。本当は絶大な効果があったわけで。
不浄世
兄上の葬儀を終え、本を数冊持ちながら部屋でむせび泣きしている聶懐桑。
すると「懐桑」と兄上に呼ばれた気がして思わず振り返る聶懐桑。しかし当然ながら誰もいませんでした。
それもそうか、という感じでがっかりする聶懐桑。
しかし次の瞬間、驚くべき光景を見ることに。
先ほど自分が持っていた本のうち、清心音という本が勝手にパラパラとめくれていくではありませんか。
そして、本物の清心音ではなく編曲したものを金光瑶が弾いていたこと。それにより、兄は精神のバランスを崩し凶暴になってしまったことを知るのです。
自分に短笛を渡し、兄の精神が乱れたら清心音を吹くように言った金光瑶。
自分が祭刀堂で兄のためにと吹いた清心音のせいで、兄は部下たちを殺すことになってしまったことを知る聶懐桑。
一度は刀を下ろしたはずの兄が、再び刀を振り上げ宗輝を殺したのは自分のせいだったのだ、と。
すると「懐桑」と呼びかける金光瑶の声が。
すべての黒幕は金光瑶だと知り驚き、憤りつつも、自分を気遣うふりをする金光瑶に向かいお辞儀をする聶懐桑。
しかし金光瑶からは見えない、その表情には固い決意が見られたのでした。
感想
ああ。
兄上。正義感が強く、聶氏の発展を誰よりも思い、弟の幸せを誰よりも願っていた兄上。
自分がもう長くはないことを知り、なんとか弟を宗主に相応しい人間にしたくて叱咤激励していた兄上。
弟が刀法も修練せずに宗主になったところで、部下はついてこないこと。そうなると、弟自身の身も危険だと思っていたのではないでしょうか。次期宗主を巡って命を狙われるかもしれませんし。
まぁ、聶懐桑は「誰か強い人がやってくれればいいよ」って隠居しそうですけども。
そうして始まった聶懐桑による金光瑶抹殺計画。
魏無羨を蘇らせるために、金氏の庶子である莫玄羽に近づき。
莫家荘に刀霊を放ち。
金光瑶の妻に、本当は金光瑶とは実の兄妹であると匿名で手紙を出し。
蓮花塢では金光瑶が実父にした悪行を娼婦に証言させ。
最後は、金光瑶が藍曦臣を襲おうとしていると嘘をついて金光瑶は死亡。
自分は刀を握ることなく、自分の手を汚さずして復讐を遂げた聶懐桑。恐るべし。
魏無羨は、聶懐桑が仙督の位欲しさに画策したのではないか?と少し思ったようですが。
「私は身の程を知る人間だ。やるべきことは自分でやるが本分でないことは手は出さぬ」と言って去っていきましたね。
さて、これから聶懐桑はどうやって宗主として聶氏を率いていくのでしょうね?
せめて宗輝がいたらなぁ、心強かったんでしょうけれど。仕方ない。
本編を見終わった時は、え?聶懐桑はなぜ?みたいに疑問だらけでしたが。このスピンオフを見ることで、話が繋がりました。良いスピンオフでした。
兄上ぇええええ。