中国ドラマ『瓔珞』第6話の流れと、私の感想を織り交ぜて書いていこうと思います。
※ ドラマの内容に触れていますので、未見の方はご注意下さい!
Contents
第6話『消えた孔雀糸』あらすじ
方女官から、自分の亡くなった姉のことを張女官がよく知っていることを聞き出した瓔珞。張女官に姉の遺品に入っていた玉佩(ぎょくはい)を見せる。その玉佩には文字が刻まれていた。
皇后の誕生日に向けて、繍坊では皇后の長衣に貴重な孔雀糸を使って刺繍をし献上することになった。その刺繍を担当することになったのは瓔珞だった。しかし、かねてより瓔珞に反感を抱く女官たちからは不満の声が……。
登場人物
女官たち
人 名 | 役 柄 |
魏瓔珞(ぎえいらく) | 物語の主人公。芯の強そうな感じ。 |
吉祥(きっしょう) | 素直な子だけれど、ちょっとそそっかしい感じ。 |
玲瓏(れいろう) | 吉祥とは幼馴染。瓔珞をライバル視。 |
張女官 | 繍坊をしきる女官。 |
方長官 | 瓔珞に故意にぶたれ、彼女をどうやって罰しようか虎視眈々と狙っている。 |
呉総管 | 女官ではないけれど、女官たちを取り仕切る偉い人のようです。 |
後宮の妃たち
人 名 | 個人的な感想 |
皇后・富察(フチャ)氏 | 皇帝の寵愛を一心に受けている。とにかく美しい。物腰の優美さ。ひと目見て、ファンになりました。 |
皇后の侍女 | 爾晴(じせい)、明玉(めいぎょく) |
純妃・蘇氏 | 皇后が信頼している人物。薬に関する知識が豊富な方のようです。 |
純妃の侍女 | 玉壺(ぎょくこ) |
嫻妃(かんひ)・輝発那拉(ホイファナラ)氏 | 皇后が信頼している人物。純妃の狙いが分からない。 |
嫻妃の侍女 | 珍児(ちんじ) |
貴妃・高(こう)氏 | 誰しもが見た瞬間に「あぁ、これは怒らせてはいけない人物」と思うのではないかと。後宮のNo.2。皇后を蹴落としたくてしかたない。 |
高貴妃の侍女 | 芝蘭(しらん) |
嘉嬪(かひん)・金氏 | 高氏と共謀して、他の妃嬪たちを蹴落とそうとしている。 |
嘉嬪の侍女 | 阿双(あそう) |
怡嬪(いひん)・柏(はく)氏 | 愉貴人と仲が良く、彼女に危害を与えようとした高貴妃に楯突いて……。 |
愉貴人(ゆきじん)・阿妍(あけん)氏 | 柏氏と仲が良い。現在妊娠中。 |
舒貴人・納蘭氏 | 最近入内した新人さん。皇太后にお茶の贈り物をした。 |
皇帝と、その周囲
人 名 | 個人的な感想 |
乾隆帝 | 清の第六代皇帝。清朝を最盛期に導いた。ちょっとお茶目で、ちょっと怖そう |
総官太監・李玉(りぎょく) | 乾隆帝のお付きの人。ふっくらとしていて、ちょっとお茶目。帝のご機嫌とるのも大変そう。 |
富察傅恒(フチャふこう) | 皇后の実弟。御前侍衛。 |
海察爾(ハイランチャ) | 富察傅恒(フチャふこう)の同僚。 |
斉佳慶錫(チジャけいしゃく) | 侍衛。魏瓔珞の姉の恋人だった。 |
第6話のストーリー
繍坊
女官たちを指導する張女官を呼び出す瓔珞。
自分の姉が魏瓔寧だというと、張女官は瓔珞を誰もいない場所へと誘います。そして瓔珞の姉に”阿満”という名前をつけたのは自分なのだ、と。しかし阿満は罪を犯し自分を失望させた、と。
自分の姉が何をしたのか、何回も聞く瓔珞。ようやく張女官は重い口を開きました。
名節がなによりも大事なのに、ある晩彼女は戻らず、翌朝になり呉総管に身柄を取り押さえられたのだ、と。瓔珞は、身持ちの固い姉に限ってあり得ないというと、方女官も温和で善良なあの子がそんなことをするなんて自分も信じられなかった、と。
阿満は強いられたのではなく、望んでやったことだ、と答えたそうです。本来ならば死罪のところ、皇太后様の体調が悪かったため死罪は不吉とされ杖刑50回の上、追放だった。けれど、自殺をするとは…。
しかし姉の首には絞められた跡があり、絞殺されたのだと打ち明ける瓔珞。驚く張女官。しかし時間が経ってしまったことを、どう調べるのか?と。
瓔珞は姉の遺品に入っていた玉佩(ぎょくはい)を張女官に見せると、さらに驚いた表情を浮かべました。けれど「知らないわ」と。
瓔珞は諦めず、石に彫ってある満州語を読んで欲しいとお願いします。”フチャハラ”つまり”富察一族”であり、玉佩の持ち主は陛下の義弟(皇后の実弟)だ、と。なぜか第4話で魏瓔珞の名前を知っていた、あの富察傅恒(フチャふこう)!彼が姉と逢引した相手なのか??
御花園
乾隆帝が歩いていると、女性の歌声が聞こえてきます。
「皇宮の壁の柳 玉の簪をつけ 桃色の柔らかな手……」
李玉は「美しい歌声ですね」と陛下に言います。
陛下が近づくと、それは舒貴人(じょきじん)・納蘭(ナーラン)氏でした。一番新しく入った方で、後宮へ入ったからには上を目指さないと!!と言っていたあの方。
陛下が「誰の詩だ?」と問うと、自ら詞をつけたと答える舒貴人。
「美しい情景だけれど、見回しても柳などないぞ。目でも悪いのか」とまで言う陛下。やっぱり、ちょっと、この人、苦手かも。
自分が育った江南では柳が好まれ、詩は即興で深い意味はない、と慌てて答える舒貴人。
こんな夜更けに御花園へ来て歌うなど、寵愛を得れば何でも許されると思ったか、歌が好きなら、ずっと歌え、と。夜明けまで歌え、と。
陛下が帰り、うきーーー!となる女貴人。それを見張らなきゃいけない李玉の部下からすると、とんだとばっちりでした。
純妃の住まい
明日、侍医が診察に来ることを侍女から告げられる純妃。
湯あみをすると言い出しますが、体が弱い上に、しかも夜に、と侍女に止められます。が、結局は侍女に水をかけさせる純妃。湯あみというから、お湯なのかと思ったら!お水!でも、お水には様々なお花の花びらが散らされ優雅。そういえば、この方は衣服を洗濯する時も牡丹粉を入れて良い香りをさせるとかいう話が以前第4話であったから。きっと香りが好きな方なのでしょうねぇ。
ふむ。2話まえの伏線を回収していくドラマの作りなのかしら。今後も検証を続けます!?
陛下の部屋
何かを嬉しそうに読む陛下のもとに、李玉が札を届けに来ます。今日は、どなたかを選ぶでしょうか?
と思ったら、札を見て「純妃の札は?」と。すると、純妃はまた病だから札はありませんと答える李玉。「見てくる」と席を立つ陛下を慌てて追う李玉。
燕喜堂(えんきどう)の妃嬪たちは、今宵もせっかく集まったのに帰されてしまうようです。高貴妃の怒った顔が目に浮かびますね。
鐘粋(しょうすい)宮
突然の陛下の来訪に驚く純妃。何をしていたのか?と聞かれ、病ですることもなく座っていた。ちょうど安眠できるお香を調合したところだ、という純妃。
欧陽修の『虞美人』という詩に、美人で情に厚いが表に出さず炭を焚きつけることで灰に思いを訴えた、というくだりがあるそうです。純妃がそれに倣うのは、なにか悩みでもあるのか?という陛下。
そういえば、陛下が来る直前に灰で「和」という文字を書いてた純妃。それを見つける陛下。
自分が求めるのは皇后様のご健康と後宮の和です、と答える純妃。
高貴妃は何度も皇后を挑発し言葉も慎まないこと。皇后様は咎めないが妃嬪としてはあまりにも不遜ではないか、と陛下に進言する純妃。
陛下が高貴妃に寛容なのは、高家の強大な勢力を恐れるからなのですか?それとも背後のオルタイを警戒するからですか?と畳み掛ける純妃。
厳しい顔になる陛下。
「後宮は政(まつりごと)には干渉できない。今度掟を破れば許さぬぞ」と言って席を立ち帰っていきます。
陛下が帰り、なぜか笑う純妃。侍女は「笑っている場合ですか?肝が潰れそうでした」と。なぜ禁じられていると分かっているのに、陛下にわざわざ政の話をしたのか、ということなのでしょう。
「陛下に長居されても困るでしょう」と、しれっという純妃。いやぁ、自分が仕える人によって侍女も大変ですなぁ。ほんと、嫻妃の言う通り(第4話)純妃の本心は見えないですねぇ。
一方、追い出された陛下に驚く李玉。
「もうお戻りですか?」
「朕を追い出したいのに居座れるか?」
「では、なぜこちらへ?」これは、どうせ追い出されるのに、なぜわざわざ来たんですか。無駄足じゃないですか、という抗議かな?
李玉の笠を引っ張りながら「好奇心だ」と答える陛下。この2人のやりとり、なんか可愛いんですよね。陛下は女性の前だと、どこか気取ってる(というか威厳のある態度を保とうとしてるんだろうとは思うのですが)感じがするんですけど。
「今日はどんな新しい手で朕を拒むか見たくてな」って、陛下、完全に純妃に負けてますね。
養心殿へ戻る、と一旦は言いましたが、長春宮へ行くと。「長春宮へ行く〜」と列の皆に命令を出した李玉が、ちらっと陛下を見上げるのが可笑しかったです。
長春宮
長春宮には私の大好きな皇后様がいらっしゃいます!わーい。今日はお会いできる。
「どちらからいらっしゃったのですか?」って、これまたストレートなことを聞く皇后様。
「………………………鐘粋(しょうすい)宮だ」
くすっと笑って「純妃は少々傲慢な性分ですが、この天下に傑出した女子(おなご)は誰であれ強い心を持つもの。時には大目に見てはどうですか?」って、皇后様も陛下が純妃に追い出されたの分かってるんですね。くすくす。
陛下は、じっと皇后の顔を見てから「純妃は固く心を閉ざし何か秘密を抱えていると感じている。いつも朕を遠ざける」と。
秘密などないし、彼女は繊細なのだと庇う皇后様。陛下は、もう純妃の話はいいじゃないかモード。
せっかく皇后様のところへ来たのに、と侍女の明玉がヤキモキしている感じ。
そこで皇后様は話題を変え、後宮で贅沢が増え儲秀宮(皇后のことを大嫌いな高貴妃がいるところ)では一年に一度絨毯を変えたり、机に象牙を使ったり、夜遅くまで蝋燭が灯っている、と。
このままでは悪い風習がまかり通ることを心配し、皇后自ら手本を示そうと思うと。真珠や翡翠ではなく造花をつけ、長春宮の調度品を減らすことで後宮の模範としたい、と。
うなずく陛下。後宮で浪費は許されない。あまり急がず、ゆっくりやるといい、というアドバイスをするのでした。
繍坊
来月は皇后様のお誕生日ということで、各宮各坊から礼品の準備が始まるそうです。繍坊では慣例通り長衣に鳳凰と牡丹の刺繍をして差し上げるとか。
その刺繍を任せられたのは瓔珞。他の女官たちからは、瓔珞ばかりずるい!と。張女官は瓔珞より自分のほうが上手だと思う人は挙手して、任せるから、と。玲瓏は手をあげかけますが、やはり瓔珞には勝てないと思ったのか結局が我慢していました。
廊下にいる張女官を呼び止める瓔珞。繍坊には、もっと熟練の技を持った人たちがいるのになぜ自分なのか?と。
すると、皇后様や貴妃への礼品は新入りの担当だと決まっているのだと教えてくれます。喜ばれたら褒美も出るし、出来が悪くても罰は受けないから、と。これも認められる機会よ、と励ますのでした。
瓔珞の姉は自分の一番弟子だったし、妹のことを気にかけるのは当然だ、と。
そして、長衣に使う孔雀糸が瓔珞に渡されました。孔雀糸は、孔雀の羽毛と金銀糸を編み込んでいて腕の立つ針子でも織るのは大変なものだそうです。貴重なものだから慎重に使うこと、何かあればみんなの首が飛ぶ、と張女官から言われる瓔珞。
ちなみに。
陛下の長衣は如意館で型を作り、蘇州、江寧(こうねい)、杭(こう)州の織造(しょくぞう)局へ送ってから絹が完成して、ようやく刺繍できるそうです。1着に刺繍女官595人が2年もかけて、ようやく出来上がるんだそうです!!
2年後に陛下の体型変わっていたら、みんな泣いちゃいますねぇ。
みんながお昼ごはんへ行っても、自分は残って孔雀糸を見張ろうとする瓔珞。心配した吉祥が、自分も交代で見張るから行ってきたらいい、と。
昼も夜も1人で見張るのは無理だ、せめて昼は見張らせて欲しいという吉祥の申し出を受け入れる瓔珞。
そこへ火事よ!という声が聞こえます。自分たちが寝泊まりしている場所で火事が起きたようです。吉祥の衣が燃えてしまっていますが、本人はそこへ置いた覚えはないようです。
繍坊へ戻ると長衣は破かれ、孔雀糸が無くなっていました。
ここぞとばかり瓔珞を責める女官たち。
いい思いばかりした罰ね、お気の毒さまだの、お粗末すぎるわね、追い出されるわね、それどころか首をはねられるわね、と。かなり腕前を嫉妬されていたのね瓔珞。
そして、今日の一言。
騒ぎを聞きつけ、張女官がやってきます。長衣が切り裂かれただけでなく、孔雀糸もなくなったことを知ります。
自分の落ち度だと瓔珞は認め、ただ今は犯人探しよりも長衣の完成をというのでした。
張女官は、みんながやっている春装の仕事を一時ストップし、寝ずに働けば長衣は仕上がるだろう、けれど刺繍糸はどう調達するのか?と。
孔雀糸を配った内務府に問い合わせてはどうか?と吉祥は言いますが、そんなことをしたら全員首をはねられる、という張女官。
孔雀糸については自分に考えがある、まずは長衣をつくって欲しい、と。これは賭けです、と。
そして繍坊の倉庫へ行き代わりとなる糸を探す瓔珞。吉祥も泣きながらついてきますが、泣いて解決するなら悩まない、と。それに、あなたのことは責めないというのです。優しい。
色々と代用品を探しますが、なかなかこれというものがありません。
ふと目についたのは毛皮でした。
誰もいない繍坊で一人刺繍をする瓔珞。
長春宮
妃嬪たちが皇后の前に集まっています。
皇后様の着ている服も、2年とまではいかなくても手間ひまかけて作られたものなのでしょうねぇ。うっとり。
贈り主 | 贈り物 |
純妃 | 暖玉(だんぎょく) 冬に身につけると体を温めるので、冷え性な皇后様にはぴったりなようです。 |
舒貴人 | 宝石で作った盆栽 花には紅の宝石、金もあしらっているそうです。 |
高貴妃 | 純金で作った子宝観音 純金を使えるのは皇后様だけなんだそうです。 |
造辧(ぞうべん)処 | 孔雀の扇と紫檀の台座を一対、花を彫刻した紫檀の宝座、七宝焼の燭台を一対 |
金玉作(きんぎょくさく) | 玉器4点玉の箱2つ、緑色柘榴石の如意2本、 |
御よう廠(ごようしょう) | 翡翠の花瓶を2台、水晶の花瓶を2台 |
玻璃廠(はりしょう) | 象牙の化粧箱を1つ、琺瑯の鏡を1つ |
高貴妃が子宝観音を見せた時、その場にいた皆が息を呑みます。これは明らかに皇后への挑発。3年前に皇子を亡くし、その傷がまだ癒えていないことは誰しもが知るところなのに。しかも、「自分はまだ若くて子をなす機会はまだございます。だから一番必要な人に」的なことを言い放つ。この傲慢さ。
やれやれというように首をふり、「高貴妃は優しいのね。気持ちは受け取ったわ」と優美に笑う皇后様。絶対、心のなかでは嵐ですよね。
おのれ、高貴妃め!!
長春宮の庭では、各坊からの礼品を届けようと女官たちが集まっています。皇后様の侍女・爾晴が礼品を運ぶよう言い、そして「ご機嫌斜めだから気をつけて」と忠告します。主への心遣い完璧な侍女。
次々と各坊の名前が呼ばれ、品物とともに部屋へ入っていきますが瓔珞は後ろを振り返り、振り返り、なかなか部屋へ入ろうとしません。
いよいよ1人となってしまい、侍女・爾晴も「早く入って」と。少し待たせて欲しい、という瓔珞。でも、繍坊からとアナウンスされてしまい部屋へ入るしかありませんでした。
瓔珞の姿を見て驚く高貴妃と嘉嬪。そう、2人が瓔珞を呼び出したときと今日の様子がまったく違っていたからです。
早く布を開けるよう皇后の侍女・明玉に促される瓔珞。
第6話『消えた孔雀糸』で判明したこと
礼品は双で
礼品というと、私の感覚では返礼品的な意味合いなのかと思ってしまったのですが。中国だと”礼品”は”祝いの贈り物”の意味もあるそうです。あれ、日本にもあるのかな??
純妃のセリフに「礼は双をよしとしますが」というのがあることから、通常は2つセットで贈るのが望ましいようですね。
姉の死の真相
少しだけ捜査に進展がありました。姉は誰かと関係を持ち、それが元で追放となったが自殺したと皇宮では思われている、と。しかし、瓔珞が実際に確認したように扼殺であり、一番怪しいのは現在のところ富察傅恒である、と。