小説『小旋風の夢絃』は最後までハラハラどきどきでした

小島環(こじまたまき)さんの小説『小旋風の夢絃(つむじかぜのむげん)』。

琴を巡るお話がとても面白かったので感想などを書いておこうと思います。

展開が気になるあまり、途中、この人は誰だっけ??とか思いつつ読んでしまい。2度めに落ち着いて読んだら、ああ、名前とか地名とかをちゃんと理解しないままに読んでいたな、と反省。

でもでも、結末まで手を止めたくなかったんだもの(と言い訳)。

見終わったばかりの中国ドラマ『陳情令』にも琴がでてきたし、このタイミングで『小旋風の夢絃』を読んで思わぬ琴つながりでした。

 

 

公式ホームページ

公式ホームページには、文庫化にあたり冒頭50ページほど書き下ろしされたと書いてありました。そういうこともあるんですね!

こちら↓が文庫版。

 

あらすじ(ネタバレなし)

主人公の少年・小旋風しょうせんぷう。小柄な体が重宝がられ、墓の盗掘を生業とする養父と共に働いていた。

とある盗掘現場で、まるで生きているような少女の死体を発見する。彼女が持っていた美しい琴を手にした小旋風は、その琴を売って独立しようと考える。

小旋風の想像以上に値打ちのあることが分かり、琴の値段をつりあげるため色々と策を練る小旋風。しかし、その珍しい琴を巡って想像もしなかったことが次から次へと小旋風を襲う。

 

登場人物(ネタバレ含みます)

小旋風(しょうせんぷう) 15歳。孤児だったが養父・猪児に育てられる。
耳耳(じじ) 小旋風の義姉。血は繋がっていない。
猪児(ちょじ) 多くの孤児を養子にしては墓の盗掘を手伝わせてきた。
涓涓(けんけん) 小旋風が見つけた琴を欲しがる謎の女性。
常春(じょうしゅん) 花街の伎女。二十代後半。化粧上手。
冬音(とうおん)、秋月(しゅうげつ) 常春の仕事仲間。
夏風(かふう) 常春の妹。孟縶公子(もうちゅうこうし)に見初められた。
康叔(こうしゅく) 衛国の初代君主。
献公(けんこう) 衛公の父親。叔父に衛公の座を終われ、復位するまで10年ほど斉(せい)で過ごす。これが”殤公(しょうこう)即位の政争”。
婤姶(しゅうおう) 献公の妾。献公が衛国から追われたとき一緒に斉へ逃げた。
衛公(えいこう) この夏が越せるかどうかぐらい体調が危ういらしい。
孟縶公子(もうちゅうこうし) 衛国の第一王子。夏風を妾にする。
姫元公子(きげんこうし) 六歳。衛国の第二子。神童。能力や人柄を認めれば、どのような身分であってもとりたてる。
六卿(りくけい) 衛国にいる重臣の最高位を指す。斉豹(さいひょう)、孔成子(こうせいし)は孟縶に心酔している。
孔成子(こうせいし) 占い師。衛国の祭祀を長年つかさどり、衛公の即位に関わってきた。
公南楚(こうなんそ) 衛国の将軍。槍と琴の名手。衛公の寵臣。数いる将のなかでも忠義の御仁との評判。
蔡叔義(さいしゅくぎ) 公南楚の執事。
褚師圃(ちょしほ) 帝丘の東にある都市・鄄(けん)の領主。公南楚を敵視している。
平寿(へいじゅ)長官 平寿は衛国の中都市。謀反の疑いがあると占いで出たため領地を返還するも自害を命じられる。次子である姫元公子を次期衛公にと願っていた。
袁伯陽(えんはくよう) 平寿長官の息子。二十代前半と思われる。一族と耳耳を連れて晋国へ亡命中。
桃李(とうり) 魯(ろ)国出身の旅芸人。十代後半の青年。2人の姉がいる。
弥子瑕(びしか) 姫元公子の世話役。嬖人大夫(へいじんたいふ)。

嬖人=主人に可愛がられている妾や臣下

大夫=官職についた者や立派な男性

かつて同性の官吏の愛人をさせられていた。

小旋風(しょうせんぷう)

小旋風には生まれつき膝の悪い兄がおり、その杖代わりに小旋風を産んだという母親。

母親の顔は忘れ名前も曖昧だが、「首に絡んだ指の強さだけは鮮明だ」。飢饉で食べ物がないため、母親は小旋風を食べようとした。

5歳ぐらいのときに養父に拾われる。

同じような境遇の養子たちがいたが、小旋風と耳耳以外は盗掘中に亡くなってしまった様子。

15歳の現在、同じ年頃の少年たちより頭ひとつぶん小さい。そのため盗掘現場では小さいところにも入り込めるし、勘が良く、動きも速く、宝の目利きができるため養父からの信頼は厚い。

しかし、そんな養父は自分たちを”単なる仕事道具”とみなし、自分たちもいつか捨て駒にされるのではないかと思っている小旋風。

自分の強みは口が達者なこと。「俺は口でしか人に勝てねえもん」

耳耳(じじ)

小旋風とは血の繋がらない義姉。

耳が人より大きめで、耳がよい。

養父を尊敬している。

小旋風と別れてから平寿(へいじゅ)長官の食客(しょっかく)となり、沙鹿山で小旋風と再会する。

猪児(ちょじ)

小旋風と耳耳の養父。

自分の仕事(墓の盗掘)を手伝わせている。30代半ば??

 

涓涓(けんけん)

すべて白髪で碧眼の女性。

小旋風が墓から盗掘した琴を、なぜか執拗に欲しがる。

斉国の楽人。野盗に襲われ琴を壊されてしまった。

10歳ぐらいのとき、母とともに献公の妾・婤姶(しゅうおう)に仕える。そのとき、献公は衛国を終われ斉国に来ていた。やがて献公とともに衛国へ行ってしまう婤姶。

涓涓は斉に残され、孫書(そんしょ)将軍に仕え一流の楽人として育てられる。孫書将軍が死去すると、殉死するよう命じられるも琴を弾き続けて魂を慰めると誓って殉死は免れる。

しかし将軍も息子・孫憑(そんひょう)は父親が死んだのは涓涓のせいだと言い出し、身の危険を感じた涓涓は斉を出ることになる。

石頭老師(せきとうせんせい)

本名は郭石平(かくせきへい)。

もとは衛国の役人で、現在は官位を退き私財をつぎ込んで骨董収集を始めた。

融通の効かない石頭として有名だった郭石平が退官したのは殤公(しょうこう)即位の政争が起きたから。政治にはうんざりした、とのこと。

小旋風に美の基準を教えた。

「長く時をすごしたものだけが持つ独特の趣は、人には作れないからこそ価値がある」

庶人から官吏に成り上がった郭石平は小旋風の理想の姿。しかし退官後は墓荒らしからも品を買い取る郭石平。もしバレれば全員死刑という危険を犯してまで骨董収集をしている。

蔡叔義(さいしゅくぎ)

公南楚の家令(執事)。四十代前半の男性。背が高く、肩幅は広く、鍛え抜かれた筋肉の持ち主。

戦争孤児で生き埋めにされるところを、公子楚将軍の父親に救われた。

公南楚将軍(こうなんそしょうぐん)

小旋風は将軍というからには男性だと思っていたが、会ってみると女性将軍だった。

誰も飢えない世を望んでいる。

二年前に父親が死去。父親が作った医院に多額の寄付を続け、いまも傷病者を労っている。

袁伯陽(えんはくよう)と友人。

晋国に亡命した袁伯陽を味方にして、晋の有力者の支援を集め姫元公子擁立に動く。

褚師圃(ちょしほ)

帝丘の東にある都市・鄄(けん)の領主。恰幅のよい初老の男性。

公南楚を敵視している。

庶人を人とは思わない。

孟縶公子(もうちゅうこうし)の命令には何でも従う。

婤姶(しゅうおう)

献公の妾。孟縶公子(もうちゅうこうし)と姫元公子(きげんこうし)の母親。

献公が殤公(しょうこう)によって斉国へ追われた時に一緒に逃げた。そのとき、長男の孟縶が生まれている。斉公は孟縶の後見人でもある。

孟縶を身籠っているとき、初代君主・康伯(こうしゅく)から第二子に”姫元”と名付けて次期衛公にするよう夢で告げられる。

孟縶公子(もうちゅうこうし)

初めて孟縶公子に会った小旋風は、琴の持ち主だった女性の死体とそっくりな孟縶公子に驚く。

美しいものに目がない。

 

舞台

舞台は春秋後期の中国。

BC535年(襄公9年)7月14日の正午ごろに物語がスタート。

中国・春秋時代の地図

地図は、こちらからお借りしました。

小旋風が暮らしているのは衛(えい)の朝歌。

朝歌は、衛の国ができた当初の首都だったが戦で北の領土を失い移転。

朝歌⇒曹⇒楚丘(そきゅう)⇒帝丘へと首都が移った。帝丘の住民は5万人ほど。

 

現在の朝歌は、わずかな村々があるだけのさびしい場所。主人公の住む村は朝歌の中心から離れた風水に恵まれた土地。かつて、この地には貴族がごぞって墓を作った。

朝歌から帝丘へは、小旋風が丸2日間駆け抜けて到着する距離。

盗掘について

墓には対盗掘用の罠が仕掛けられていることもあれば、盗掘を嫌ってあえてもろい地質を選んで築かれた墓もある。

盗掘は圧死、餓死、窒息死など”死の種類は賭けができるほど豊かにある”。

同じ年頃の少年たちより、頭ひとつぶん小さい小旋風は盗掘稼業にうってつけだという養父・猪児(ちょじ)。

 

発見した琴について

豪華な玄室のなかにあった棺。棺のなかの少女は瑞々しく、いまにも目を覚ましそうなほどだった。

その少女の脇にあったのが細長い革袋に入った琴。

厚さは八寸ほど、細かな金銀象嵌で幾何学模様が描かれている五絃の琴=五絃琴(ごげんきん)。

現在の琴は七絃だが、周の文王と武王が一絃ずつ加え七絃になった。

そういえば、中国ドラマ『晩媚と影』の第3話に琴の説明がでてきましたね!

初めに小旋風から琴を見せられた郭石平は、棺の女性は足が2本だったか?と謎の質問をします。というのも、その女性が女媧(じょか)ではないか?と考えたから。

兄妹または夫婦と目される女媧(じょか)と共に、蛇身人首の姿で描かれることがある

Wikipediaより

女媧の夫でもあり兄である伏犠が琴を発明した、と小説の中で説明されていました。

 

琴は誰の手に?

郭石平(かくせきへい)?

小旋風が琴を売ろうとした最初の人物。

「琴を求める姿は狂的だ。ゆえに琴には災いがあるという」

現存する最古の琴で、しかも琴の発明者である伏犠のものかもしれないという郭石平。

しかし琴の値段を支払う段階になって庶人の日当数日分ぐらいしか出そうとせず、小旋風を怒らせてしまう。

郭石平は小旋風がこれほどの品を持ってきたのは養父が死んだからだろう、もし小旋風が別のところへ持っていっても高値では取引してもらえないだろう、ということまで読んでいた。

最終的には金百両(5年は贅沢に暮らせる金額)を提示されるも断る小旋風。

涓涓(けんけん)?

涓涓は「それがなければ生きながら死に続けねばならない」というも、一銭もない相手には絶対に渡さないという小旋風。

公南楚将軍?

少女に扮した小旋風が向かった先は公南楚将軍の屋敷。

まさか女性の将軍とは思わず驚く小旋風。

郭石平は金100両の値をつけたと聞き、その倍の金額を出すと提示するも「琴の作り手が分からないような人物には売れない」的なことを小旋風がわざと言って諦めさせる。

褚師圃(ちょしほ)?

公南楚将軍を敵視している相手なら、さらに高額な値をつけるだろうと向かう小旋風。

しかし褚師圃と一緒に居たのは郭石平だった。褚師圃は公南楚の入手できなかった琴が自分のところにあった、という事実さえあれば琴のことなどどうでもよいという人物。(琴のことなど…いえ、ギャグではないのですが)

琴を壊されそうになり逃げ出す小旋風。

またしても涓涓に追いつかれ、その琴は伏犠の琴ではないと言われる。また初めて涓涓の演奏を聞いた小旋風は、彼女の音楽から何故か黄河を感じ取る。そして琴に足りないものを自分の演奏で補えるという涓涓を、琴と一緒に売り出すことを決める小旋風。

孟縶公子(もうちゅうこうし)?

妓女・常春の妹・夏風を妾にしたはずが、なんと肘掛け台にしてしまっていた。それを見て、涓涓を託すわけにはいかないと思う小旋風。

孟縶にも人並み外れた才智があるようだが、人の心が備わっているように思えなかった。

桃李のおかげで屋敷から逃げ延びるも、桃李は捕まってしまい祭りの生贄にされるという。

 

公南楚将軍経由、姫元公子?

夢見の話を知っている人物・孔成子(こうせいし)に会いに行こうと公南楚を誘う小旋風。

孔成子も琴を公子に献上するよう小旋風に命じる。

最終的には姫元公子に琴を献上することで(公南楚が買い上げてくれたようですね)

 

小旋風の移動

朝歌⇒帝丘⇒夢境街道(むきょうかいどう/帝丘都城の西にある花街の通称)⇒公南楚の屋敷⇒帝丘の東にある都市・鄄(けん)⇒沙鹿山(さろくさん/小旋風の生まれ故郷の村がある)⇒斉へ行く予定だったが、涓涓の出身国でもあり誰も琴を買い上げそうにないので晋国へ行こうとするも蓋獲(がいかく)の龍神祭に参加することに⇒孟縶公子の屋敷⇒公南楚の屋敷⇒孔成子の屋敷⇒郭石平の屋敷に隠れる⇒姫元公子に琴を献上する⇒商隊をもらって旅へ。

 

巫支祁(ふしき)について

沙鹿山(さろくさん)にある小旋風の生まれた村は廃れ、その里社で巫支祁(ふしき)の装束を見つけましたね。

古代の帝のひとりである禹(う)が天下の治水を進めていた時代に現われた水にまつわる怪物で、猿(猿猱)のようなすがたをしており、頭は白く体は青く、首を100尺も伸ばすことができ、ちからは象の大群よりも強く、動作も非常に敏捷であったという。何度も禹王の臣下がこれを鎮めようとしたが失敗、やっと庚辰(こうしん)によって、大索(太くて強い縄)と金鈴をつけられ亀山(きざん)に封じられたとされる

 

猿のすがたや能力の高さ及び山の下に封じられること、水の属性との縁のある点から、『西遊記』に登場する孫悟空の原型のひとつになっているのではないか

Wikipediaより

知音(ちいん)について

巫支祁(ふしき)の衣装を身に付け、涓涓の琴の音に合わせて舞い踊った小旋風。褚師圃(ちょしほ)率いる軍勢を足止めすることができました。

そのあとで、涓涓が「あなたは、吾の知音(ちいん)かもしれませんね」と。

伯牙(はくが)は古琴の名人で、鍾子期(しょうしき)はその良い聴き手だった。伯牙が高い山に登る気持ちで琴を弾くと、鍾子期は「すばらしい、まるで険しい泰山のようだ」と言い、伯牙が川の流れを思い浮かべて弾くと、鍾子期は「すばらしい、まるで広大な長江か黄河のようだ」と言った。鍾子期が死ぬと、伯牙は琴を弾くに値する人がいなくなったと思い、琴を壊して絃を絶ち、生涯琴を弾かなかったという。またこの故事により親友を「知音」ともいう。

Wikipediaより

なるほど!だから涓涓の演奏を聞いて”黄河”といった小旋風に涓涓が驚いたのですね。

 

簡単な感想

私の好きな登場人物

なんといっても蔡叔義(さいしゅくぎ)です。

公南楚将軍の父親に救われた恩義から将軍を支え。公南楚という人物が仕えるに値する人物に育ったから嬉しいのではないかなぁ、なんて。

だから公南楚の命令は絶対なんだけれど、最後に祭りの混雑に紛れて牢獄から桃李を救い出すようにムチャぶりされたシーンとか最高に好きでした。

「我を失望させる気か?」のくだり。最高。

一体、どれほどこの公南楚にムチャぶりされてきたのか。スピンオフで蔡叔義が主人公の物語が読んでみたい!

周易(しゅうえき)

本文では、周の時代に生み出された占術。重要なとり決めほど、天の意思をうかがうために占いが行われる、と書いてありました。

国の後継者を選ぶのに占いを使っていたというのが、今の感覚からすると不思議な気もするのですが。(いつぞやのアメリカ大統領は占星術師を頼っていたという都市伝説?もあるけれど)

でも、なんというか人類では操作できない”何か”の力によって選ばれるというのも分からなくもないなぁ、と。とはいえ、明日から急に選挙やめます、あみだくじで当たった人になります、とか言われても困るか……。

あと、琴を手にしたものが後継者、という遺言もすごいですよね。

伝説の琴を手にする=天意を得たという説明(P228)のくだりが好きでした。

琴が人を選ぶことは本来はないはずなのに、伝説の琴の持つ”何か”に選ばれる、という感覚。ぞくぞくします。いい意味で。長年生きながらえてきた物が持つ神秘的な何か。あるとは言えないけれど、ないとも言い切れない。

日本でいうと付喪神(つくもがみ)みたいな。

郭石平の「長く時をすごしたものだけが持つ独特の趣は、人には作れないからこそ価値がある」というセリフも好きでした。

家族関係

生まれたときから兄の杖として扱われ、実母には命を狙われ。

養父には仕事ができるという理由だけで毎日死と隣り合わせの仕事をさせられる。

しかし義姉の耳耳によれば、養父は自分にはない要素を持つ小旋風を愛し、養父の命に代えても守ってくれた人であり。耳耳と結婚させようとまでも考えていた、という。

果たして、養父の真意は?

何人もの養子を仕事で失って、それでも生き残った2人が本当に愛おしかったのか?

それとも、そんな2人だからこそ自分の仕事に支障が出ては困るから手元に残しておく手段としての縁組だったのではないか?とも意地悪く考えてしまい。

ただ明らかに耳耳は小旋風と家族になることを夢見ていたのだな、というのが切なかったです。

沙鹿山(さろくさん)で出会った時に小旋風には自分と一緒になる気が毛頭ないことを知ると、小旋風が逃げる時間をかせぐといい「でも、これは私が勝手にするだけで、理解されたいとも思っていない」。切ない。愛する人への最後のプレゼント。

結局、小旋風は後ろからくる軍隊を足止めすることに成功し、袁伯陽の一族と耳耳たちは無事に亡命できて。かつ、袁伯陽は亡命先の有力者を味方につけて姫元公子の味方になってもらうことに。姉を救うことで、回り回って自分たちを救うことになったわけですね。

最終的には耳耳も亡命先から戻ってこられるようだし。はてさて、小旋風との再会はあるのかないのか。

それにしても、山が崩れたというのは驚きでした。さすが知音の琴(?)。

知音

そして知音の2人、小旋風と涓涓。

涓涓は明らかに小旋風なしでは生きていけなさそうなのに、でも一緒に旅をするという選択はせず、ひたすら待つという選択。

確かに、小旋風が行くのは通常の人が恐れていけない場所だし。

稼いで飢えのない暮らしがしたい、自分の舌先だけでどこまで通用するのか、そして一人前として認められたい、という小旋風の願いを叶えてあげたいという涓涓の思いもあるのかなぁ、なんて。

涓涓は水を表し、小旋風は風。

五行思想だと木火土金水で風はありませんが、八卦だと木は雷・風にあたるようですね。

涓涓は、小旋風という木に水を注ぐというけれど。小旋風は水を与えられすぎると枯れてしまうと軽口をたたいてました。

あぁ、素敵な最後でした。完全なるハッピーエンドではないけれど。最終的に、涓涓に相応しい場所へと連れてくることができたというのが小旋風も嬉しかっただろうし、良かったな、と。

ところで涓涓って、何歳ぐらいなんでしょうね。

母親と婤姶(しゅうおう)に仕えたのが10歳ぐらいで。その後に孟縶公子が生まれて。孟縶公子が現在、小旋風より少し上ということは17、18歳ぐらい?

ということは30歳手前ぐらいなんでしょうかねぇ。

琴を奏でるために生まれたような人にとっては、知音の相手に巡り会えたことがなによりも大切で。結構、ぐいぐい迫ってましたよね小旋風に。琴と小旋風以外には、まったく欲のない感じが好きでした。

耳耳と出会ったときも「小旋風とは、心身ともにひとつになった間柄です」ってしれっと言っちゃうし。耳耳を牽制してる感じがおかしかった。

あ〜、面白かった。

あまり小説を読んで、これ映画化しないかなぁなんてことは思わないタイプなのですが。この作品が映画化されたら是非見てみたいです。

次は、こちらを読むつもりです。

 

 

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うさかめ
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