ドラマ『アリバイ崩し承ります』が終了してしまいました。毎週土曜日を楽しみにしていたのに残念。主人公の推理も、察時さんとジュニアの仲良いんだか悪いんだか分からない関係性も、那野県警の皆さん1人1人が主人公になるような話も見てみたかったなぁ。またいつか、続きがあることを願いつつ。
本編は終わってしまいましたが特別編がAbemaTVで独占配信されるというので、さっそく見てみました。主人公の美谷時乃が、どうやってアリバイ崩しができるようになっていったのか?も分かる内容です。ネタバレしつつ感想を。
2020年7月22日に発売予定のBlu-ray&DVDには、この特別編も収録されているそうです。
Contents
AbemaTVの視聴方法
視聴する場合、利用料はかかりませんが通信費は見る人の負担になります。また、番組によっては無料で見られるものと、有料で見られるものがありますのでご注意ください。
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AbemaTVの公式サイトで見たいドラマを選択し、再生ボタンを押して見る。以上。簡単!
Abemaプレミアムというサービスに加入すると月額960円(2020年4月現在)で
・作品が見放題(一部対象外あり)
・広告なしで見られる
・初回登録は1ヶ月無料
といった特典がつくそうです。
再生ボタンが押せない場合
私がパソコンで見ようとした時は、後編はすぐに見られた(再生ボタン▷が表示された)ものの、前編が翌朝の3時15分開始となっていました。えー!!午前3時まで起きていられない。どうしたものか……。
諦めきれず、画面左側にある”番組表”をクリックし、番組表から「アリバイ崩し承ります 【前編】時計屋探偵とお祖父さんのアリバイ」を探しクリック⇒「通知を受け取る」と「マイビデオに追加」という選択肢が画面右側に2つ出てくる⇒「マイビデオに追加」をクリック⇒!!見られるようになった!!ので、お試しください。
後編も同じように見ようと思ったのですが、できなくなっていました。残念。
スマートフォンから
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キャスト
登場人物 | 役どころ |
美谷 時乃 (みたに ときの) |
美谷時計店の店主。時計修理の他にも、アリバイ崩しを得意とする。20歳 |
美谷 時生 (みたに ときお) |
時乃のお祖父さん。美谷時計店の前店主。時乃にアリバイ崩しの方法を伝授する。 |
察時 美幸 (さじ よしゆき) |
那野県警察本部 刑事部 管理官。霞が関から那野県へ着任。45歳。美谷時乃に部屋を借りている。 |
海渡 雄馬 (とかい ゆうま) |
那野県警察本部 刑事部 捜査一課 刑事。職場の皆さんからは「ジュニア」と呼ばれている。25歳 |
特別編『時計屋探偵とお祖父さんのアリバイ』〜前編〜
AbemaTVでは前編・後編と分かれて公開されています。
美谷時計店
時乃が時計店のなかを掃除しながら、祖父・時生の遺影に挨拶をします。
「おはよう、おじいちゃん」
そして、何かを見つけたのか、思い出したのか「あ」というと不思議な形をした踏み台のようなものを両腕に抱えてきました。
そこへ、あくびをしながら2階から察時さんが降りてきます。
「おはようございます」と家主でもある時乃が挨拶をすると「あぁ、おはよう。ずいぶん早いな」
壁時計が正しければ(って、時計屋さんの時計の時間を疑うのもなんですが)8:30ごろでしょうか。
「ちょっと掃除を。察時さん、今日はお休みですか?」
「んー。(時乃が持っている箱に目をやり)その箱は?」
「あぁ、これですか。これはですねぇ…時間を動かす道具なんです」と謎めいた答えをする時乃。
「時間を動かす道具…」ちょっと興味ありそうな察時さん。
「はい。私が中学1年生の時に祖父が作ってくれたんです」
「アリバイ崩しを教えてくれた君のお祖父さんか」
「はい。あぁ!これもアリバイ崩しのポイントとなる重要なアイテムなんですよ」
「へー」と言いながら、時乃の手元にある箱を見に近づいてくる察時さん。
「でもアリバイ崩しって、そもそもどうやって教わるもんなんだ?」
「あ。やっぱりそこ、気になります?」と、少し不敵に笑う時乃。
「いやぁ、気になるっていうかぁ。参考程度にな」という答えを聞いて「ふふふふ。私が祖父にアリバイ崩しを初めて教えて欲しいと頼んだのは、私が小学3年生の時でした。アリバイを崩してる時の祖父の姿はとてもカッコよくて」
時乃が小学3年生のとき
美谷時計店の椅子に座り、壁に向かっている白髪の男性。
その男性の後ろ姿に向かって「時生さん、どうですか?」と女性が問いかけています。
くるっと椅子を回して、女性の方へ向き直った時乃の祖父・時生。
「時を……戻すことが…できましたよ。旦那さんのアリバイは…崩れました」
お祖父さん役は森本レオさんなのですが、独特な間のあけ方が個人的には好きなんです。時乃の決め台詞も、おじいちゃんから引き継いだものだったんですね。
「やっぱりー!」と、のけ反る依頼人の女性。「怪しいと思ってたんですよ!!」と自分の太ももを悔しそうに叩きます。
店の奥から、そっと店内を覗いている小学3年生の時乃ちゃん。すでにトレードマークのベレー帽をかぶっています。
「旦那さんがね…出張からお戻りになった時…スーツケースの中から出したお土産は…あらかじめ旦那さんが現地からお取り寄せになっていた…ものだったんです」
ここで、時乃ちゃんのアップ。コートも大きなチェック柄で可愛い。
「つまり、すでに旦那さんが出張にお出掛けになるときには…スーツケースのなかにお土産が…入って…いたんですよ」
アリバイ崩しの代金を支払おうとした女性が「あの…本当に五千円でいいんですか?」
「十分ですよ」
「いやぁ、もうちょっとちゃんとお支払いしないと」といいながら、お財布を覗き込んでいます。
「いやいや。私自身の勉強にもなりますし。成功報酬ということで一律五千円ということに…させていただいてます」
「じゃあ、お言葉に甘えまして」と五千円札を差し出す女性。「ありがとうございます」とお金を受け取り、領収証を渡すお祖父さん。
立ち上がって「どうもありがとうございました」と深々お礼を言う女性に「こちらこそありがとうございました」と。「今夜は家族会議だわ」といって女性は店を去っていきます。
相談者の旦那さんは、出張に行くといって浮気相手と旅行でもしていたんですかねぇ。
こたつのある居間で、時乃はお祖父さんにお茶を入れ「はいどうぞ」と差し出します。
「あぁ、ありがとう」と受け取るお祖父さん。
「ねぇ、おじいちゃん?」 すでに、時乃の甘え上手というか、交渉上手な感じがしてきます。
「私もアリバイ崩しやってみたい」「あはは…うーーーん…」「だっておじいちゃんが言ったんだよ?アリバイ崩しも時計屋の仕事だって」「うーん」
前に時乃がやってきて、「おじいちゃんはなんで、アリバイ崩しなんてやってるの?」と聞かれたことがあったようなのです。
「うーん…そうだねぇ…アリバイというのはねぇ…時間を盗むことなんだよ。だからね、その盗まれた時間を取り返すのも…時計屋さんの仕事なのかもしれないな、と思ってね」
「ふーん」
という、やりとりがあったようなのです。
「私は将来この店を継ぐんだから、アリバイ崩しを教わってもいいでしょ?ねー、お願い!」ジタバタする時乃ちゃん。
「あぁ…血は争えんねぇ……」「え?」
どうやら、時乃ちゃんのご両親のどちらか(恐らくは時乃ちゃんのお父さん)も小さい頃にアリバイ崩しをやりたいと父親(時乃のお祖父さん)に頼んだようですね。いや、でも名字が同じだからといって息子とは限らないか。娘さんが旦那さんに婿入りをお願いしたのかもしれないし。って、それは考えすぎか。原作では、時乃のご両親のことはどこまで描かれているんでしょうね。ドラマでは、時乃が幼稚園の頃に両親が事故で亡くなった、としか説明がないもので。
「うん、ちょっと…待ってなさいね」そういってコタツから立ち上がると1冊のノートを持ってきました。
「はい」といって差し出されたノートには練習問題集という手書きの文字。
ノートは、恐らくこのツバメノートだと思います。って、それはどうでもいいか。
「これは?」「これはね、おじいちゃんが自分のために作った…アリバイ崩しの練習問題だよ。解いてみるかい?」
「おじいちゃん、ありがと!」「うんうん」と言いながら孫の入れてくれたお茶を飲むお祖父さん。「ん!!」と口元を抑えます。
「え…また苦かった?」「いやいやいや。うん、美味だよぉ。うん」「絶対ウソだぁ!」 「大丈夫、大丈夫」と自分に言い聞かせるようにして、またお茶を飲むお祖父さん。
時乃ちゃんのランドセルが置いてあって、色はキャメルっぽいですね。
「これが、そのとき祖父がくれたノートです」といって、年季の入ったノートを察時さんに見せる時乃。
「へぇー」「察時さんも一問ぐらいチャレンジしてみます?」「いやいやいや、私を誰だと思っている」と、見栄を張る察時さん。
「いくらなんだって、小学生が解く問題なんてなぁ」といってツバメノートを広げると(見開きにツバメの文字が見えました)
問題 次の文章を読んで、あとの問いに答えなさい。
閑静な住宅街にある一軒家で一人の実業家が殺されました。
現場となった部屋は、家具が倒れていたり、調度品が壊されていたりとひどく荒らされていた。
死亡推定時刻は午後1時から3時。
しかし、殺害現場にあった壊された時計が指していた時刻から殺害時刻が午後2時35分と特定された。
警察の捜査により、ただちに容疑者があがった。被害者に強い恨みを持つK。しかし、Kには鉄壁のアリバイがあった。
事件当日の午後2時〜3時の間、Kは自宅近くのカフェにおり、店の防犯カメラにもその様子が映っていた。途中、トイレ等で席を立つことはあったものの、いずれも3分以内に戻ってきており、被害者を殺害して戻ってくることはできないものと見られた。
容疑者Kのアリバイを崩しなさい。
次のページには、海岸で水死体でみつかった青年の事件。全部は見えなかったのですが、容疑者Nは事件当日の夜7時〜8時に市街地の飲食店で友人と食事をしていたという鉄壁のアリバイがあった、と。飲食店は海岸から片道2時間以上はかかる場所にある。死亡推定時刻の午後6時〜8時だから、確かに鉄壁のアリバイですね。
3ページめには
問題 次の文章を読んで、あとの問いに答えなさい。
とある街の路地裏で会社員の男性が殺害された。
死亡推定時刻は夜8時〜10時。
警察の捜査により、Fという容疑者の名前があがった。
Fは夜9時すぎから11時ごろまで行きつけのスナックにいたと証言したものの、夜8時〜9時のアリバイはなかった。
しかし、被害者の妻の証言からFに鉄壁のアリバイが成立してしまった。被害者の携帯の着信履歴に「PM9:02 妻」とあったので、被害者の妻に聴取を行ったところ、事件当日、夜9時すぎに夫に電話をかけたといい「今、忙しい。後でかけ直す」と一方的に切られたものの反応はしたというのだ。なんでも被害者の妻は夜9時をすぎても夫が帰宅しない日には、何時に帰るかを電話で確認していたらしい。
この証言で被害者が夜9時2分まで生きていたものと判明。
殺害現場の路地裏とスナックはどんなに急いでも15分はかかる距離にあるため、Fに犯行は不可能と判断された。
容疑者Fのアリバイを崩しなさい。
小学3年生が解くには、まず漢字を調べるところから、というかすごい本格的すぎる問題が。
お祖父さんは、この練習問題集どうやって問題を集めてきたのかしら??警察の内部に知り合いがいて、協力していた……?!
ノートをめくっていた察時さん、思わず「結構難しそうだなぁ…」「ですよねぇ」と答える時乃。
「それから1問解いては祖父に答え合わせをしてもらって全部解けたのは私が中学1年生のときでした」
「ええ!中1で…これを全部か!!」
「ちょうど最後の問題を解いたのが雄馬さんが初めてこの店に来た時のことでした」
「うわ〜〜〜、ここで。あいつが出てくるのか?」と苦笑いする察時さん。
「はい」同じく笑う時乃。
雄馬との出会い
中学1年生の時乃がお茶の間でコタツに入りながら問題を解いています。
「あ!わかった!!」そう言うと、店にいるおじいちゃんのところへ行き「犯人は影絵を使って家にいるように見せかけていた!」と告げます。
「おおー!正解!!」
「やったー!全問正解」と喜ぶ時乃に、おじいちゃんは拍手をしながら「いやいやいや、素晴らしい」と時乃と握手。
「おじいちゃん、ありがとー!」と喜んでいるところへ「すいませーん」という男性の声。
入ってきたのは当時、高校3年生だった海渡雄馬。時乃もセーラー服でしたが、雄馬も制服姿。小粋?に首元だけマフラーを巻いています。
「はいはい、いらっしゃいませ」
「ちょっと時計の修理をお願いしたいんですけど」
そういって外した時計を見て、「ちょ、ちょっと待ってください。学生さん、これすごい時計をお持ちになっていらっしゃいますねぇ」
そう言われて、嬉しさを噛み殺しながら「いやぁ、若い頃から本物を知れというのが父の教えでして」
「かっこいい〜」と言ったのは、雄馬が連れてきた女学生2人のうちの1人。「さすが、雄馬くん!」ともうひとりの女学生も持ち上げます。
「これ1ヶ月ほどお時間いただきますが、よろしいですか?」
「大丈夫です」そういって、右腕の袖口を下げると「こっちの時計もあるんで」
両腕にしてるのかーい!
「雄馬くんのパパ、すっごく偉い国会議員さんなの」と女学生1。
「いーいんだよ、そんな話は」と口では言いつつ、もっと言って欲しそうな雄馬。
「体操服だってイタリア製のオーダーメイドだもんね!」と女学生2。
「いや、やめろって」と言いながら、ふとお店の奥に目をやる雄馬。そこにいたのは、今の状況を見つめる時乃。
「あれ?君はお孫さんかな?」
「はい」と答える時乃に吸い寄せられるように雄馬が近づきます。
見つめてくる雄馬に、少しびっくりしつつ目をそらさない時乃。近くまでくると、雄馬はおっかなびっくりポンポンと時乃の頭を触ります。
「いや…これは、将来はべっぴんさんだ…..」
「…どうも」と愛想よく答える時乃。
女学生2の「うちらの前で、そう言うこと言う?!」という抗議の言葉も耳に入らない雄馬。
時乃の持っているノートを指差し「これは?おじいちゃんに勉強教えてもらってるの?」
「え?」「いや、練習問題集って(表紙に書いてあるから)」
「これは、そうじゃなくて、アリバイ崩し」と時乃が喋り始めた途端、ごっほんごっほんと急に咳き込みだすおじいちゃん。
「あ、アリバイ?」と話を続けようとする雄馬に「いやいや、すいません、すいません、たいしたものじゃなくて。学校の宿題を、こうなんといいますか、あ、あ、ああああ、アレンジしておりましてね」とごまかすおじいちゃん。
「あぁ、そうか。偉いなぁ。今、どれだけ勉強するかで10年後、20年後が変わってくるから」と誰かに言われたであろうことを言う雄馬。
「じゃ、お願いしますよ」と店を去る雄馬。
女学生1が走りより、雄馬に学生かばんを渡しながら「ねぇ、ほんとに私のこと愛してる?」「ウンウン、愛してる、愛してる」と、心のこもらない返答をする雄馬。
「え、私はー?!」と女学生2が聞くと、同じく「あぁ、あいしてる、あいしてる」。
彼らが出ていくと「ねぇ、おじいちゃん。なんで嘘ついたの?」と聞く時乃。
「時乃、アリバイ崩しのことは絶対に人に言っちゃ駄目なんだよ」
「どうして?」
「だって一番大事な時間を盗んでいるのかも知れないんだからね。怒ってる人もいるかもしれないからね」
「…..うん」うなずきながらも、どこか腑に落ちない表情の時乃。
「だからこれはね時乃とおじいちゃんだけの秘密なんだよ」
「うん、分かった」と笑顔で言う時乃。
「よーし、もっともっとおじいちゃん長生きしなきゃね。うーーーーん、そうだなまず、はい、スクワット、スクワット」そう言って、店内でスクワットを唐突に始めるおじいちゃん。
「えー?なんで筋トレ??」
「スクワット、スクワット。大腿筋、大腿筋」
現在
「その日から祖父は急に筋トレを始めたりして」と、自らもスクワットしながら話す時乃。
「おじいさん、元気だなぁ。でもこれで、やっと秘密が分かったぞ。このノートが、君を鍛えてくれたってわけだ」
「いーやいやいや、この話はここからですよ!」
「え?そうなのか?」
「はい、そのノートを解き終わった私はようやく本当のアリバイ崩しを実技で教わることになったんです」
「実技?」
「特に最初の実技のことは今でも鮮明に覚えています」
おじいちゃんの誕生日
おじいちゃん72歳の誕生日。ケーキを持ってバースデーソングを歌う時乃。食卓の上には、野沢菜コロケらしきものも??
「おじいちゃん、お誕生日おめでと」
「ありがとう」
「そしてぇ、じゃじゃーん!私からのプレゼントです」そういって包みをおじいちゃんへ渡す時乃。
「あぁ、ありがとう。開けてもいいのかい?」「開けて開けて」
「お、なんだろう…柔らかいよ……ハンカチだ!」ブルー系の素敵なチェックのハンカチです。
「一緒に写真撮ろう!」お、懐かしの”写ルンです”ぽいカメラですね。
「二人でも撮ろう!」
「嬉しいなぁ、じゃあこうなったら私からもサプライズだ」
「え?」目を輝かせる時乃。
「新しいね、アリバイ崩しの問題だよ」
「うそ!やったー!どんな問題?どんな問題?」
「まぁまぁ慌てないで、慌てないで。問題を出すのは、明日。お店も休みだしね」
「えー、明日?」
「今度の問題はねぇ今までのとは一味違うよ。なんたって、犯行に及ぶのはこの私なんだから」
「え!おじいちゃんが犯人なの?」
「そうだよ」
「一体、どんな犯行?」
「それはね、時乃が学校から帰ってくるのが午後3時過ぎだよね?」
お祖父さんからの出題
翌日、学校から戻ってきた時乃。
「ただいま〜」というも、返答はなく。お店のテーブルの上には「居間でこれを食べなさい。おじいちゃんより」というメモと美味しそうなみたらし団子が3串。
時計をみながら、お団子を食べる時乃。
「よし」と言って3時20分にお店にある振り子時計を確認しに行き、「うん、動いてる」。
居間に戻ったところ、お皿が空っぽになっているんですが串が2本しかありません!!おじいちゃん、どんなトリックを!!って、そうじゃなかったです。時乃が食べ終えた串を1本持っていました。時乃、めっちゃ食べるの早いな。
「ようしっ」3時30分になったので、お店へ行く時乃。
「止まってる」
「3時20分から3時30分の間に、おじいちゃんが振り子時計を止めたことは間違いない。でも……」
「どーやって証明するんだろ〜」畳にひっくりかえりながら、嬉しそうな時乃。
そして、16時すぎ。
「ただいま〜」とおじいちゃんが戻ってきます。
「おかえり、おじいちゃん」「お待ちかねだね」
「おじいちゃんの犯行、確かめたよ」「おお、そうかい」
「3時25分に確かに振り子時計は止まってた」「そうかい」「それで、その間別の場所にいた、というおじいちゃんのアリバイは?」「それはね……はい、これだよ」
時乃に袋を手渡すおじいちゃん。
「これ?」
袋から昨晩撮影したおじいちゃんの誕生日祝の写真がでてきました。どうやら、おじいちゃんは写真の現像を頼んでいたから16時過ぎに戻ってきたようです。
「これ昨日の誕生日会の写真」「大急ぎで現像してくれたよ」ケーキを美味しそうに食べるおじいちゃんの写真が何枚も。
「でも、なんでこれが?」と言いつつ、写真をめくっていく時乃。
「あ!」
おじいちゃんが、大きな時計の前でピースサインをだして写っている写真がでてきました。その写真に写っている時計は3時25分を指しています。
「3時25分!」
「今日の3時25分、わしはこの触ってはいけない壁時計と遊んでた。時乃にこのアリバイ崩せるかな?」
現在
「その壁時計のある公園まで車で20分はかかります。もちろん、壁時計の針を勝手に動かすことはできません」
「この写真を3時25分に撮って(店にある)振り子時計を止めるのは不可能、ってことだな」と察時さん。
「そういうことになりますね」
「ああ〜……分かった!」そういって椅子から立ち上がると「この写真は前もって同時刻(3時25分)に撮影されたものだな」
「まずは、その可能性を考えますよねぇ」
「違うのかぁ」と、残念そうに座る察時さん。さっきの自信満々の顔は、どこへやら。
「その写真は祖父の誕生日会のあとに撮られた写真なんです」
「なんで分かるんだよぉ!」急に大声でムキになる察時さん。落ち着いて、落ち着いて。
「写真のネガの位置が、その順番になっています。ほら!」とネガを察時さんに見せる時乃。
そのネガをひったくって順番を確認すると「あ〜、そうか〜、犯行当日に撮られた写真なんだなぁ」
「外で撮られた写真ですので夜中の3時という可能性もないですね」
ネガをひっくり返しながら、何かを思いついた察時さん、机をたたきながら立ち上がり「分かった!この壁時計を鏡に反射させて撮ったんじゃないか?つまり、この時計の針は3時25分ではなく、それを反転させた朝の8時35分を指していた!」
「うーん…でも、その写真の画角(?)だと鏡に反射したカメラが映り込んじゃいますよね」
ちょっと、私の頭ではそれがどういうことが思い浮かべることができませんでした。時乃ちゃん、あとでこっそり私にだけ説明して欲しい。
「んーじゃあ写真のネガを裏焼きして、あのぉ、反転させればいい」
食い下がる察時さん。
「だとしたら、他の写真も反転しているはずですが。ほら!」と1枚の写真を察時さんに見せる時乃。
そこにはケーキの上にちゃんと72という数字が見えています。反転していたら数字が変なことになっているはず。
「(数字が反転)してないな、っと」自分の太ももを叩きながら再び座り込む察時さん。
「では、正解を」と言いながら立ち上がろうとした時乃に「ストップ!!」
「もーー少し考えさせてくれ」とプライドを見せる察時さん。「分かりました」と座る時乃の顔には笑みが。
「ちなみに…中1の君はこのアリバイを……」「はい、崩しました」
「そーか、そかそか。中1の君が解いたんだ。ヒントはいらないからな!」
「ヒントはもう十分出てると思いますけど」と、視線をはずして言う時乃。
「では、察時さんはこの問題を、どう崩しますか?」
「ちょっと待ってくれ」と言いながらため息付きつつネガと写真を見る察時さん。
果たして、察時さんは中1の時乃に勝てるのでしょうか?!
後半へつづきます。
ドラマ『アリバイ崩し承ります』#1「死者のアリバイ」を見ました
ドラマ『アリバイ崩し承ります』#4「山荘のアリバイ」を見ました