中国ドラマ『瓔珞<エイラク>~紫禁城に燃ゆる逆襲の王妃~』第11話「必死の金策」の流れと、私の感想を織り交ぜて書いていこうと思います。
※ ドラマの内容に触れていますので、未見の方はご注意下さい!
Contents
第11話『だまし合い』あらすじ
愉貴人を御花園での散策に連れ出した皇后。御花園には、愛犬を連れた高貴妃と嘉嬪たちが先にいた。犬が苦手な愉貴人は帰ろうとするが高貴妃に見つかってしまう。
犬にまとわりつかれ気分が悪くなった愉貴人に、皇后からの真珠粉を届ける瓔珞。その鋭い観察眼で、あることに気がつく。
一方、長春宮には遠くはるばる福建からの貢ぎ物である茘枝(れいし)が木ごと運び込まれた。そして皇后は茘枝を振る舞う茶会を開くことにし、瓔珞は木の世話を任せられた。
登場人物
女官たち
人 名 | 役 柄 |
魏瓔珞(ぎえいらく) | 物語の主人公。芯の強そうな感じ。 |
張女官 | 繍坊をしきる女官。 |
珍珠(ちんじゅ) | 長春宮の女官 |
琥珀(こはく) | 長春宮の女官 |
翡翠 | 長春宮の女官 |
後宮の妃たち
人 名 | 個人的な感想 |
皇后・富察(フチャ)氏 | 皇帝の寵愛を一心に受けている。とにかく美しい。物腰の優美さ。ひと目見て、ファンになりました。 |
皇后の侍女 | 爾晴(じせい)、明玉(めいぎょく) |
純妃・蘇氏 | 皇后が信頼している人物。薬に関する知識が豊富な方のようです。 |
純妃の侍女 | 玉壺(ぎょくこ) |
嫻妃(かんひ)・輝発那拉(ホイファナラ)氏 | 皇后が信頼している人物。純妃の狙いが分からない。 |
嫻妃の侍女 | 珍児(ちんじ) |
貴妃・高(こう)氏 | 誰しもが見た瞬間に「あぁ、これは怒らせてはいけない人物」と思うのではないかと。後宮のNo.2。皇后を蹴落としたくてしかたない。 |
高貴妃の侍女 | 芝蘭(しらん) |
嘉嬪(かひん)・金氏 | 高氏と共謀して、他の妃嬪たちを蹴落とそうとしている。 |
嘉嬪の侍女 | 阿双(あそう) |
舒貴人・納蘭氏 | 最近入内した新人さん。なんとか陛下の寵愛を受けようと必死。 |
皇帝と、その周囲
人 名 | 個人的な感想 |
乾隆帝 | 清の第六代皇帝。清朝を最盛期に導いた。ちょっとお茶目で、ちょっと怖そう |
総官太監・李玉(りぎょく) | 乾隆帝のお付きの人。ふっくらとしていて、ちょっとお茶目。帝のご機嫌とるのも大変そう。 |
富察傅恒(フチャふこう) | 皇后の実弟。御前侍衛。 |
海察爾(ハイランチャ) | 富察傅恒(フチャふこう)の同僚。 |
第11話『だまし合い』のストーリー
御花園
”御花園”とは
紫禁城最大の花園で楼閣がある他、堆秀山という山があり、紫禁城を居城とした明・清両王朝の歴代皇帝が、后妃達と遊楽をした場所でもある。
山あり楼閣あり。
Wikipediaよりイラストをお借りしました。
Tommy Chen (Sumple) – Drawn by Sumple. As a courtesy, and entirely voluntarily, please notify me if you change this image or its description., CC 表示-継承 3.0, リンクによる
本日の舞台”御花園”は、イラストの上の方にあるMに位置するそうです。
L:後三宮(乾清宮) 後三宮は乾清宮・交泰殿・坤寧宮の総称とも書いてありました。
N:養心殿 ”清朝の雍正帝以降、清朝歴代皇帝の寝宮は養心殿へと移り”と書いてあるので、陛下はこちらでお休みになるようですね。あとは大臣を召見したり、上奏文の処理など日常の政務を執る場所でもあった、と。
紫禁城の現在の地図を見ると、皇后様のいらっしゃる長春宮と、皇后様が恨めしくて仕方ない高貴妃の儲秀宮が、そこそこ近くてほほー、と一人感心しております。でもまぁ、1つの宮は相当な大きさなんだろうとは思うのですが。紫禁城へ行って体感してみたいです。
前置きが長くなりました。
気分がふさぎ、体調がすぐれない愉貴人を御花園へ連れ出した皇后様。ただし、決して1人にはならぬように、と。
ですよね、いつ高貴妃の一派に狙われるか分かりませんもの。
と思った直後、一行の前には高貴妃と、その一派の姿!高貴妃は兄から贈られた狆の雪球(せっきゅう)を連れています。
愉貴人は犬が苦手なようで、遠くからその姿を見ただけで怖がり帰ろうとします。が。
「待ちなさい。挨拶もしないわけ?虎のように襲いかかるとでも思ったの?」と先制攻撃を仕掛けてくる高貴妃。
仕方なく愉貴人は、高貴妃の側へ行き挨拶をします。
「よく見てみると皇后様の周辺には奇妙な者が多いのですね。臆病な妃嬪(愉貴人)と大胆不敵な奴婢(瓔珞)とは奇妙な組み合わせだこと」とあざ笑う高貴妃。
そして愉貴人が明らかに犬を怖がっているのを知ってるのに、雪球の芸を見ていきませんか?と誘う嘉嬪。帰ろうとした愉貴人に向かって犬を放つよう無言で合図します。
愉貴人から犬を追い払う瓔珞。
「魏瓔珞、よくも貴妃様の愛犬を傷つけたわね」という嘉嬪。連れてきた太監は、腹部に大きなあざが、とか嘘言ってます。そこまで蹴り上げてないし。
瓔珞は、高貴妃の犬が愉貴人を襲って、万が一愉貴人のお腹の子に何かあったら高貴妃が皇子を傷つけたと噂になるかもしれない。それを防ごうとしたのだ、と。
「噂は侮れません。流言を広める者は多いです」というセリフには、第5話『偽りの妊娠』を思い出しますね。まぁ、高貴妃自身も、様々な流言をつかって皇后様や他の人達を陥れてきたかもしれないし。
皇后様は侍女・明玉に命じて、犬に異常がないことを確認させます。連れ帰って詳しく調べますか?という明玉に、「これ以上触れたら八つ裂きにするわ」と高貴妃が怒り出します。まぁ、お腹にアザがないのもばれちゃいますしね。
嘉嬪は、犬は自分の主を守るもの。取り乱した愉貴人を悪党だと思ってしまったのかも、と弁解。
皇后様は、犬が愉貴人を傷つければ大騒動になるところだった。周囲の者の教育に気をつけるべきね、と諭します。
「犬一匹に振り回されるような役立たずが災いのもととなれば、私も看破できないわ」
ふふふ。今までは防戦一方だった皇后様も瓔珞の影響か、ズバっと言えるようになってきちゃいましたね。
儲秀宮
嘉嬪がいけないんだ、と高貴妃お怒りモード。
自分は出自が卑しく、第四王子も軽んじられている。高貴妃の力がなければ見の置き場がありません、という嘉嬪。
「これまで利口なあなたを重用し、あなたたち母子を気にかけ常に便宜を図ってきた」と、恩着せがましいことこの上ない。
そして、いきなりの平手打ち。
いつも自分(高貴妃)のためというが、自分の第四皇子が大事で、愉貴人に皇子が産まれては困るから犬をけしかけたんでしょ!と。可愛い雪球が利用されたことにも怒っているようですね。
でも愉貴人に皇子が生まれれば、必ず高貴妃に仕返しをするから本当に高貴妃のためでもあるのだ、と訴える高貴妃。そして、雪球はきっかけにすぎない。これからの成り行きを見ていただきたい、と。
えー。おっそろし。
秀和宮
臥せっている愉貴人のところに瓔珞が”真珠粉”を届けに来ます。
雪球の件で、寝付けなくなってしまったようです。犬は悪くないんです、飼い主が悪いんですっっっと、雪球を擁護する私。
懐妊中で安眠薬は飲めないため、皇后様からの”真珠粉”のおかげで悪夢が治ったのだ、という侍女・芳草(ほうそう)。そう言いながら、愉貴人に薬を飲ませています。
芳草の手を見て、どうしたのか?と聞く瓔珞。真珠粉は白いはずなのに、芳草の爪には黄色い粉が入っている、と。
そして愉貴人の手元にある”真珠粉”で作ったという薬を砕いて光に透かし、偽物だと見抜く瓔珞。名探偵・瓔珞!
”真珠粉”ならば光らないんですって。光るのは貝殻の粉だからだ、と愉貴人。
すると芳草が、母を医者に見せるお金がなかっため、真珠粉を盗みお金に変えてしまったのだ、と白状します。長く仕えてくれた侍女の母親に、自分が何もしないと思ったのか、裏切られるとはがっかりした、と。
けれど、芳草がすり替えただけだから忘れましょう、という愉貴人に「いけません!」という瓔珞。
貝殻の粉で作った丸薬ならば表面も黄色くなくてはいけないのに、愉貴人の手元にある丸薬は表面を白くする細工がされている、と。皇后様の前で真実を言うよう、引っ張っていこうとする瓔珞。
芳草は嘉嬪が黒幕であることを白状します。
嘉嬪は、愉貴人が皇子を産んでも陛下から寵愛されず愉貴人も奴婢(芳草)も冷遇される、と。もし子供が産まれなければ、嘉嬪は芳草を儲秀宮へ異動させると約束したそうなのです。
いやいやいや。芳草、考え浅すぎないか?いくら愉貴人が寵愛されなくったって、いいじゃない。皇子が産まれたら、それなりに陛下も周囲も扱いは丁寧になると思うけれど??まぁ、百歩譲って冷遇されたとしてもさ、自分は別に今まで通りなんだし困らないよね??
儲秀宮へ行けば、少しはお給料上がるのかな。でもなぁ、お腹の子を殺してまで受けることかなぁ。自分の主は皇后様に大切にされてるんだし、相談すれば良かったのに。ぶーぶー。まぁ、ドラマなんですけど。ドラマなんですけど。
このドラマでは、散々、身分が低い人たちがいかに皇宮では幸せになれないかを見せてきてはいるけれど。あーあ、どこの宮で仕えるのも大変そうさなぁ侍女は。嘉嬪の後ろには高貴妃もいるし、言うことを聞かなかったら自分の命が危ないぐらいには思ったのかも知れないけれど。
と、また大幅に話がずれてしまいました。
それから「怡嬪が亡くなって、愉貴人が唯一の秀和宮の主」というセリフから、宮に1人ずつ妃嬪たちが住んでいるわけではないんだなぁ、と知る私。
芳草は真珠の粉でないことがバレるのを恐れ薬に染料を混ぜていたそうです。染料には毒が含まれ、お腹の子に差し支える、と激怒する瓔珞。
けれど、嘉嬪は今回のことがバレても①芳草がお金欲しさに真珠粉を売ったこと、②そもそも真珠粉を愉貴人に贈ったのは皇后様だから皇后様が愉貴人の子供に危害を与えようとした、というストーリーに仕立てようとしてるのだろう、と。
だから、今、嘉嬪のことを告発しても証人がいないから逃げられてしまう。このまま騙されたふりをしよう、という瓔珞。そして半月後、嘉嬪に追加の貝殻の粉を届けてくれるようお願いしなさいと芳草に指示するのでした。
袁春望
前回、お金に困った嫻妃が自分の宝石を売るときに上司の趙太監に罪を押し付けられてしまった袁春望が太監たちにいじめられています。
宮中の財を盗んで慎刑司(しんけいし)で板打ち100回に処せられたんだそうです。可愛そうに。
その上、太監たちに下肥をこぼされ、蹴られ、部署に戻ればご飯は残ってなくて。高貴妃の犬である雪球のご飯を盗み食い。胡麻油付きの干し肉だそうですよ、雪球様のご飯。
今後、袁春望はどんな場面で登場するのでしょう?
長春宮
皇后様のお住いに、何やら大きなものが運ばれてきます。どうやら、貢物の茘枝だそうです。
茘枝を見て喜ぶ皇后様の顔を見て喜ぶ陛下。めっちゃ可愛いんですけど。陛下、本当に皇后様お好きよねぇ。
皇后様も、通常なら侍女に右手を持たれて優雅に歩かれるのですが。今日は早く茘枝が見たくて侍女よりも早く歩いちゃってます。可愛い。侍女の爾晴が追いつきません。
この茘枝は”三月紅(さんがつこう)”といい、普通のものより早く実をつけるようです。このホームページの情報からすると、通常の収穫期は6〜8月ごろなのかな?この茘枝は福建から土ごと船で運んできたんですって。
めっちゃドヤ顔で説明する陛下を嬉しそうに見る皇后様。お美しい。この二人、仲が良くていいですよねぇ。
皇后様は茶会のときに茘枝を披露することにし、瓔珞に木の世話を任せることに。先輩侍女の明玉、またしてもウキーってなっています。
それを察した瓔珞は「がさつゆえ上手に世話ができない」と辞退しますが「長春宮では爾晴とあなたが頼りよ。爾晴は私の身の回りの世話で忙しいから」って皇后様に言われてしまうのでした。やれやれ、と頭に手をやる陛下。
さっそく茘枝の数をかぞえはじめる瓔珞。大切な木と実だから、茘枝を運んできた呉書来にも数を数えるようお願いします。
福建をでるときは895個あった実が、3本で48個だそうです。えーっと、全部で100本献上されたそうだから100本で895個でいいのかな。さすがに3本で895個なわけ無いですものね。1本約90個だとすると、2割弱ぐらいしか残らなかったということ?!そりゃ貴重すぎますね。
儲秀宮
このドラマで、陛下にしろ、皆さん、お茶を飲む時に蓋碗(がいわん)という茶器でお茶を飲まれているようです。
イメージとしては、このような感じ↓で
お茶碗に直接葉っぱを入れてお湯を注ぎ、蓋で葉っぱを避けながら飲むんだそうです。陛下も、お茶を飲む前に蓋で茶葉をしごくような仕草されてますよね。
もし、お茶が濃くなればお湯を足し、薄ければ時間をおくことで好みのお茶が飲めるんだそうです。確かに。でも、私は茶っぱを飲み込んでしまいそうだなぁ。
あ、また話がそれた。
高貴妃と嘉嬪が、愉貴人の具合について報告を受けています。愉貴人は悪夢と腹痛に悩まされ、薬がすり替わっていることに気づかず服用を続けている、と。
そして貝殻の粉が無くなりそうだから、追加が欲しいと愉貴人の侍女が言っている、と。ここで嘉嬪は、愉貴人の腹痛について詳しく聞きたいといいます。
かなり激しい腹痛がある、と愉貴人の侍女である芳草から聞いた、というと「貝殻の殻の調合に時間がかかるので、茘枝の茶会の時に渡すといいなさい」という嘉嬪。
長春宮
茶会前日、茘枝の実を世話する瓔珞。今から取って準備しないのか?と女官・珍珠(ちんじゅ)に聞かれ、明日直接皇后様が摘みたいと仰っている、と答える瓔珞。
食べてみたいな〜という珍珠に、宮仕えが終わって福建に行けば思う存分食べられるはずだ、と笑いながら答える瓔珞。
そこへ芳草がやってきます。嘉嬪から、明日貝殻の粉を届けると連絡があった、と報告にきました。どうやら瓔珞に協力すれば、真珠粉を盗んだことも、薬を入れ替えたことも許すと言われたようです。
瓔珞は、薬を服用していることだけ伝えたのか?誇張して伝えたりしてないか?と問いただします。そんなことはしていない、という芳草。
承乾(しょうけん)宮
嫻妃は相変わらずお金の工面が上手くいかないようです。獄中にいる弟・常寿の病気を治すためにお金が必要だと言うのに。
そこへ純妃が現れ、お金を貸してくれる、と。けれど、また嫻妃は断ってしまうのです。これを受け取れば皇后様の側につくことになる、と。
なぜ寛大な皇后様につくことをためらうのか?と問う純妃。ですよ、ですよ。そうですよ。高貴妃なんかとは比べ物にならぬぐらいの高貴さと優美さと茶目っ気をお持ちの皇后様につけばいいのに。ぷんぷん。
「一旦、争い事の渦に巻き込まれれば真意を見失い深みにはまったあげくついには他人を傷つけてしまうわ。決して争いには加担せず己の承乾宮を守ると入内した日に誓ったの」だそうです。
だからお金は貸して欲しいのだ、とお願いする嫻妃。いつか2倍、いや、3倍にしてお返しするから、と。
でも、純妃は「貸すのは情であって、銀子ではない。それが嫌なら失礼します」と。結局、嫻妃が自分を曲げずお金を受け取りませんでした。
承乾宮を出た純妃は、皇后様のいる長春宮へと向かうのでした。
茶会
扉を開け放ち広々としたところで妃嬪たちが一同に会しています。
高貴妃は雪球を連れてきたようです。
自分には1粒もなかったけれど、皇后様には木ごと?と早速イヤミをいう高貴妃。
「陛下が皇后様を深くご寵愛なさるのは初めてではありませんわ」とにっこり純妃に返り討ちされました。ほほほ。
茘枝は体を熱くするので、初めに清菊飲(せいぎくいん)を飲みましょうという皇后様。こうしてお茶会が始まるのでした。
新人さんの納蘭氏と陸氏もいますね。久しぶり。私、陸氏好きなんですけど。控えめで。
すると高貴妃が、ポイっと雪球を床に落とします。いや、もっと丁寧に置いてあげてよ。まったく。犬を可愛がることもできないのか、ぷんすか。
雪球は嘉嬪の方へと歩いていきました。高貴妃と嘉嬪は、いつも悪巧みで一緒にいるから犬も慣れてるんでしょうね。
その頃、愉貴人の侍女である芳草は嘉嬪の侍女・阿双から偽せの薬を受け取ろうとしていました。そこへ踏み込む瓔珞。
しかし阿双は落ち着いています。これは嘉嬪様手製の守り袋だし、中身はただの香草だというのです。
「さすが嘉嬪様、先手を取られたわ」。負けを認める瓔珞。でも、次は尻尾をつかまえてやる!と。
瓔珞が行ってしまうと、阿双は振り向きざまに芳草を平手打ち。「裏切り者め。覚悟おし」。
そして瓔珞は、疑問に思うのです。なぜ薬をすり替えていることが見破られたと分かったのに、芳草に粉を届けさせると言ったのか……と。
!!!
何かを閃いた瓔珞が走り出します。