中国ドラマ『瓔珞<エイラク>~紫禁城に燃ゆる逆襲の王妃~』第10話「必死の金策」の流れと、私の感想を織り交ぜて書いていこうと思います。
※ ドラマの内容に触れていますので、未見の方はご注意下さい!
Contents
第10話『必死の金策』あらすじ
瓔珞は皇后との会話を乾隆帝に聞かれ、かつて自分が霊柏を騙った女官だということが露呈してしまう。皇后が庇ってくれて事なきを得た瓔珞は、長春宮を訪れた傅恒にある仕掛けを施した手製の湯たんぽを贈る。一方、嫻妃(かんひ)は罪に問われた弟が獄中で重病になったことを知り、治療代のために内務府に俸禄の前借りを申し出るが断られる。仕方なく自分の装飾品を売ってもらおうと密かに太監に渡すが、そこへ高貴妃が現れる。
登場人物
女官たち
人 名 | 役 柄 |
魏瓔珞(ぎえいらく) | 物語の主人公。芯の強そうな感じ。 |
張女官 | 繍坊をしきる女官。 |
珍珠(ちんじゅ) | 長春宮の女官 |
琥珀(こはく) | 長春宮の女官 |
翡翠 | 長春宮の女官 |
後宮の妃たち
人 名 | 個人的な感想 |
皇后・富察(フチャ)氏 | 皇帝の寵愛を一心に受けている。とにかく美しい。物腰の優美さ。ひと目見て、ファンになりました。 |
皇后の侍女 | 爾晴(じせい)、明玉(めいぎょく) |
純妃・蘇氏 | 皇后が信頼している人物。薬に関する知識が豊富な方のようです。 |
純妃の侍女 | 玉壺(ぎょくこ) |
嫻妃(かんひ)・輝発那拉(ホイファナラ)氏 | 皇后が信頼している人物。純妃の狙いが分からない。 |
嫻妃の侍女 | 珍児(ちんじ) |
貴妃・高(こう)氏 | 誰しもが見た瞬間に「あぁ、これは怒らせてはいけない人物」と思うのではないかと。後宮のNo.2。皇后を蹴落としたくてしかたない。 |
高貴妃の侍女 | 芝蘭(しらん) |
嘉嬪(かひん)・金氏 | 高氏と共謀して、他の妃嬪たちを蹴落とそうとしている。 |
嘉嬪の侍女 | 阿双(あそう) |
舒貴人・納蘭氏 | 最近入内した新人さん。なんとか陛下の寵愛を受けようと必死。 |
皇帝と、その周囲
人 名 | 個人的な感想 |
乾隆帝 | 清の第六代皇帝。清朝を最盛期に導いた。ちょっとお茶目で、ちょっと怖そう |
総官太監・李玉(りぎょく) | 乾隆帝のお付きの人。ふっくらとしていて、ちょっとお茶目。帝のご機嫌とるのも大変そう。 |
富察傅恒(フチャふこう) | 皇后の実弟。御前侍衛。 |
海察爾(ハイランチャ) | 富察傅恒(フチャふこう)の同僚なのかな? |
第10話『必死の金策』のストーリー
瓔珞の部屋
皇后様の実弟である富察傅恒が姉を辱めた相手に違いない、と決めつける瓔珞。しかし証拠もなしに決めつけてはいけない、と諭す張女官。
それに富察傅恒が姉”阿満(あまん)”を知っていたとしても、殺したとは限らないではないか、という張女官。確かに、ごもっとも。
しかし皇宮にいるのは陛下と御前侍衛だけ。陛下から見初められたなら隠す必要もなかったはずだ。すると、やはり相手は侍衛であろう、と。姉の性格上、だまって辱めをうけることはないだろう。ただ、皇后様の実弟が相手であれば自分が騒げば家族たちにも累が及ぶのを恐れたのではないか、と。そして口を封じられたのではないかと。
それが真実だったら、どうするのか?聞かれ、「命には命で償わせる。当然の道理です」と答える瓔珞。
瓔珞が生まれたときに亡くなってしまった母に代わり、ここまで姉の阿満に育ててもらったのに無駄死にするつもりか、と諭す張女官。自分の一番弟子だった阿満が亡くなってしまったことすら苦しいのに、さらにその妹まで無謀なことをして失いたくない、という張女官の優しさが沁みます。
長春宮
皇后様にお茶をお出しする瓔珞。
下がろうとすると、「墨をすって」と頼まれます。すすすーっと近づく先輩侍女・明玉。
内務府が蔵にある先帝の代からある品を売るんだそうです。売上は身寄りのない子のために寄付される、と。でも、その売上を長春宮が着服してるのではないかと噂を流す人がいるんですって。それ高貴妃でしょ?嘉嬪でしょ?(決めつけ)
真実を伝えたらどうか、という瓔珞に”善を見せては 真の善にあらず”という言葉を教える皇后様。高位にあれば貧しく苦しんでいる者にできる限り手を差し伸べて救済するのは当然のことだ、と。施しを行なった側から、施しをしたと吹聴するのは真の善ではない、と。
その言葉に深く納得する瓔珞。その様子を見て「お調子者」と呟く明玉。
「明玉は、また誰かに愉貴人のお見舞いを押し付けたの?」とチクっと皇后様に言われてしまい、いま帰ってきたのだ、と慌てて答えました。
愉貴人は相変わらず具合が悪く、悪夢にうなされているようです。陛下のお見舞いもないのだとか。
”宝は求められても 情は得難し”。残念だけれど愉貴人は董鄂(ドンゴ)妃ではない、という皇后様。
董鄂妃というのは順治帝の側室だったようです、Wikipediaが教えてくれました。董鄂妃が亡くなると順治帝は病に倒れたあと、出家されたのだとか。一途な寵愛は羨望ではあるけれど、別な見方もできますという瓔珞。
どういうことか聞いてみたい、怒らないから言ってみて、という皇后様。
そこへ長春宮へ陛下が突然やってきました。庭にいた侍女の爾晴が皇后様に知らせようとしますが、陛下はそのまま自分で部屋へ入ってしまいます。
順治帝は董鄂妃が亡くなると朝議を5日休んで、宮殿を2棟燃やし、30名の仕えの者に死を賜った、と。董鄂妃は幸せだっただろうが、しかし30名のものにも愛する家族がいたはずだ。しかも順治帝が世を顧みず、むしろ民たちは無情な皇帝を望んだとか、という瓔珞。
そこへ「無礼者め」と陛下が入ってきます。ピーンチ!
皇后様は自分が意見を述べるよう命じたのだ、と瓔珞を庇います。
話の途中だろうから、続きを話せという陛下。意地悪だのぅ。
順治帝は、自分の董鄂妃に対する情愛が過度だったと深く悔やまれたと話を続ける瓔珞。だから、先ほど自分が言ったのは順治帝の言葉を引用しただけなのだ、と。
仕えていた者たちの殉葬については、康煕帝(陛下のおじいさま)が禁ずる命を出している、と。口下手だったから、誤解を招いてしまったと謝罪する瓔珞。
しかし、ここで納得する陛下ではありません。じゃあ最後の「民は無情な皇帝を望むと言っていたがその真意は?」と。
さすがに言葉に詰まる瓔珞。ちょっと考えてから、陛下は毎日決まった時間(卯の刻)に起床され、急報が届けば夜中でも大臣を呼び出される、と。大臣たちは交代で勤務しているが、陛下は毎日政をされている。あまりにも忙しく、後宮に足を運ぶ暇がない。天下と民を思い、妃嬪には無情なのが明君でありましょう、と。
考え込む陛下。
「そうです、愛と無情です。陛下は明君ですね。お茶を」と取りなす皇后様。
そして瓔珞に「下がって。罰を受けたい?」と言うと、瓔珞は「感謝します」と言い速攻で下がろうとしますが。呼び止める陛下。こ、これは、あれに気づいてしまわれたのか。
「その声、どこかで聞いた覚えがあるぞ」立ち上がり「思い出した。あの女官だ」
やっぱりー。第3話「霊柏を騙る者」ですね。でも皇后様が割って入り、外で跪くよう言うのでした。「瓔珞は聡明で心強い女官です。私に免じて許して下さい」と。
でも、皇宮に仕えて一ヶ月もたたない下級の女官が長春宮に仕え、皇后の深い信頼を得たんだ、きっと何か企んでる!そんな者を、そばに置いてはいけないと心配する陛下。
自分は彼女を信じる、と言い切る皇后なのでした。
庭で跪く瓔珞の横を通る陛下。「皇后に免じて許すが、言葉巧みに策を弄したら首を取るぞ」と警告します。ちょっとー、怖いからー。
そして門へと向かうのですが、急に止まったものですから後ろを歩いていた李玉が陛下にぶつかってしまいます。思わず笑いをこらえる爾晴。
李玉に後ろを向くように言い、そうです、またお尻を蹴りました。暴君めー!「慎刑司(しんけいし)で板打ち20回だ」と。
意味がわからない李玉。何かしましたか?と。陛下は自分が李玉に探せといった女官が瓔珞だと教えます。そして「30回だ」「なぜ増やすんですか。お前(瓔珞)のせいだぞ。覚えておけ〜」と言いながら帰っていきました。
おしおきだべ〜。いえ、なんでもないです。こほん。
瓔珞に駆け寄る爾晴。何があったのか?と瓔珞を立たせながら聞きます。陛下に話を聞かれてしまった、というと今後は口を慎みなさい。陛下に物申せば命も危うい、と諭されるのでした。
承乾宮
嫻妃の弟は現在賄賂の罪で投獄されているのですが、その弟が獄中で赤痢にかかったと知らせが入ります。
嫻妃の母親はお金を送ってほしいと嫻妃に言ってるようです。しかし、自分の年俸300両のうち大半を実家に送っているのに、という嫻妃。
ちなみに、皇后様と高貴妃の年俸は第1話に出てきました。皇后様が1000両、高貴妃が600両、と。位によって、相当開きがあるのですねぇ。
これから内務府へ行き、来年の俸禄を申請するという嫻妃でした。半年前に申請すれば大丈夫だと皇后様に聞いていたようですが、担当からはどうにもできない、と言われてしまいます。
内務府大臣に新たに就任した高氏(高貴妃の父親)が、蔵の在庫を調べ終えるまで陛下であっても蔵を開けないのだ、と。しかも内務府には銀子、磁器、皮、絹、衣、茶と6つも蔵があるから全部調べるのには早くても二ヶ月、長くて半年かかってしまう、と。仕方なく帰ろうとする嫻妃と侍女。
入れ替わりに高貴妃の侍女・芝蘭がやってきました。
芝蘭が、高貴妃の犬・雪球(せっきゅう)の外套用の皮は準備できたのか?と太監に聞く声が聞こえてきます。すると、はい、昨夜蔵を開け最高級のものを探してあります、と。
うわー。忖度。
あまりの悔しさに、「これでは嫻妃様が犬以下です」と口走ってしまう侍女。口が過ぎたと反省します。
長春宮
皇后様の実弟・富察傅恒が面会に来ていたようです。傅恒の体を心配する皇后様。風邪を引かぬよう着込むのよ、とか。無頓着なままならお嫁を探してもらうわよ、とか。その話は勘弁して下さい、と言う富察傅恒。
皇后の側で熱い視線を傅恒に向ける侍女・明玉。そして離れた場所から侍女・爾晴……え!!爾晴さんも!!明玉は傅恒が好きなのバレバレだったけど、爾晴さんも!!!!!!傅恒、モテモテじゃないか。まぁ、かっこいいしな。
そして、もうひとり。瓔珞も傅恒を見ていました。そして追いかけていきましたよ!
「若様」と呼びかけ、ちょ、ちょっとこけちゃって傅恒に抱きついちゃったわよ。可愛いわよ。ちょっと下がって、この距離なら適切ですね、っていう瓔珞に笑っちゃったわよ。な、なんか、すごい可愛い笑顔なんだけど、傅恒くん。くんつけたくなるぐらい可愛い笑顔だったんですけど(驚愕)。
そして瓔珞は傅恒に少し大きめの袋を渡すのでした。豚の膀胱を調達して、それに熱湯を入れたカイロなんですって。臭くないですよー!洗ったから!!と。受け取らないなら皇后様に報告する、と脅す瓔珞。
受け取るが報告するな、と。渋々持って帰る傅恒。
彼が背中を向けて歩き出した途端、瓔珞の表情が一変。(今は殺せないけど溜飲は下げないと)って、なにー?!何を仕掛けたのー?!
友人であり同じく御前侍衛の海蘭察(ハイランチャ)に出会った傅恒。カイロを海蘭察に取られてしまいます。「また若い女官からの贈り物か?」。また?そうかー、やっぱりねー。モテるね富察傅恒。
そして傅恒と海蘭察がもみ合ううちにカイロが破れてしまうのでした。
傅恒に井戸の側に呼び出される瓔珞。傅恒は井戸の近くで瓔珞を待っていました。そっと傅恒に近寄り井戸に突き落とそうとする瓔珞でしたが咄嗟に傅恒が気づいて、むしろ井戸に落ちそうになった瓔珞を助けようとして二人で抱き合ったまま転がってしまうという。
一体、私に何の恨みがあるんだ!という傅恒。海蘭察は熱湯でやけどを負ってしまったようです。か、かわいそうに。きつく口を縛らなかったからだ、と言い訳する瓔珞。
「私の考えすぎか」と。いえ、考えすぎではありません。はい。若様、お気をつけ下さい。
(悪運の強い男ね。次はそうはいかない)って、こらー。張女官が証拠もないのに決めつけちゃ駄目っていってたのにー。
海蘭察の部屋
侍医に診てもらっている海蘭察。薬は3日ごとに塗り、患部は濡らさないように、と。
海蘭察は「自分でさえヤケドしたんだから、やわな御曹司なら悲惨だぞ」とか言って富察傅恒にぶたれてます。
贈り主の肩を持つ気はないが、豚の膀胱を処理して縄で口を縛るにも二晩くらいは夜なべしてるはずだ、と。絶対に、お前を好きになったんだ!という海蘭察。いえいえ、あの、復讐のために二晩ぐらいなら平気でかける人なんですよ、贈り主の瓔珞って人は。ええ。
蔵
内務府の毛皮の倉庫には高貴妃の侍女・芝蘭がいます。なかなか犬の雪球のための外套用毛皮が見つからないようです。いや、犬はもう毛皮着てますけどね、はい。
そして嫻妃が来たのは何の用だったのか?と担当の男性に聞く芝蘭。そして俸禄を事前に申請したい、という情報を入手する芝蘭。帰って早速高貴妃に報告。高貴妃は嫻妃のいる承乾宮を見張るよう指示をだします。
承乾宮
獄中の弟の病気を治すために、自分の装身具を売ってお金を作ろうとしている嫻妃。
最初は侍女に門外の店で換金するよういいますが、人任せにしてはいけない自分が行くと言い出します。
「約束通り売値の2割は渡す、けれど承乾宮の名前は出さないように」と袁春望(えんしゅうぼう)に頼むのでした。
そこへ現れましたよ、高貴妃。偶然通りかかったように見せかけてるけれど、これは絶対待ち伏せしてましたよね。
宮中の物を売ろうとしたな!と袁春望を殴る上司。嫻妃の侍女・珍児は自分と袁春望が共謀したのだ、と庇います。自分の行動が怪しいと思った嫻妃様が自分を尾行したのでここにいるのだ、と。
しかし袁春望は「自分は頼まれたことをしただけだ」と言い張り、結局罰を受けることに。
嫻妃は自分の懐が厳しくなったので売ろうとしていた。陛下から賜ったものを売ろうとしたわけではない、と。しかし、元は誰のものであろうと一旦紫禁城へ入ったものは宮中の財物になるのだ!と難癖つける高貴妃。
嫻妃は跪いて高貴妃に慈悲を請わされるのでした。じゃあ、今後は私を後宮の主とするのね、と嬉しそうに言う高貴妃。でも、そこは嫻妃。それはできません、と。
すると高貴妃は太監に嫻妃が売ろうとした装飾品を踏みつけさせるのでした。
嘉嬪の宮
嘉嬪が息子(第四皇子)に挨拶を教えています。”父上に挨拶します”と、何度も何度も教え込もうとします。
でも2歳になってもろくに言葉をしゃべれない、と嘆く嘉嬪。第二皇子が2歳の頃には陛下の詠んだ詩までそらんじたのに、と。侍女は、英才ゆえに第二皇子は幼くして亡くなってしまったのだ、と。第二皇子は皇后様のお子でしたね。
やはり嘉嬪が気になるのは愉貴人の子供のこと。もし聡明な皇子が産まれたら、自分の子に望みはない、と。
そのとき、高貴妃の犬のことが頭をよぎる嘉嬪。
明日、皇后が愉貴人を遊園へ誘ったとことを思い出し「明日は天気がいいから、久しぶりに高貴妃様と遊園に行きましょう」にっこり。
やだ、もう、こわい。