中国ドラマ『コウラン伝 始皇帝の母』第8話をネタバレしつつ感想を書きたいと思います。
国王を暗殺しようとした罪で囚われてしまった皓鑭。皓鑭が犯人でないことを知るのは王様のみ。けれど、王様は現在意識不明。どうなる皓鑭!
Contents
登場人物
役名 | 役どころ |
李家の人々(趙の国に住んでいる) | |
李皓鑭(りこうらん) | 主人公。名家の娘だったが継母と継妹から命を狙われたりした挙げ句に親子の縁を切られ、現在は王妃に仕える女官。 |
李岫玉(りしゅうぎょく) | 皓鑭の血の繋がらない妹。李赫と高敏の娘。皓鑭の元彼である蛟皇子の正室。前回で自死する。 |
李赫(りかく) | 皓鑭と岫玉の父親。重臣。 |
高敏(こうびん) | 李赫の正室。岫玉の実母。皓鑭の母親を押しのけ、自分が正室になる。 |
呂不韋の周囲 | |
呂不韋(りょふい) | 衛の国出身の商人。王様に認められ、王室の財政を担う高官・少府(しょうふ)に任命された。 |
司徒缺(しとけつ) | 呂不韋の側近。 |
司 月(しとげつ) | 呂不韋の側近。司徒 缺の妹。皓鑭を守るため後宮に侍女として仕えている。 |
趙の国王関係 | |
趙丹(ちょうたん) | 趙の国王。自分ひとりじゃ決められないタイプ。 |
厲(れい)王妃 | 趙丹の正室。 |
雅(が)王女 | 趙丹と厲の一人娘。嬴異人のことが大好き。 |
夏雪(かせつ) | 雅王女の侍女。 |
蛟(こう)王子 | 趙丹の息子。実母は側室だったが亡くなっている。皓鑭の継妹である岫玉の夫。 |
羽(う)王子 | 趙丹の息子。趙丹と雲少妃(うんしょうひ)の息子。異母兄である蛟王子と王位後継者の座をめぐり争っている。 |
趙勝(ちょうしょう) | 王を補佐する最高位の官職(丞相)。 |
公孫乾(こうそんけん) | 武将。人質である嬴異人に付き添っている。 |
秦の国の人々 | |
嬴稷(えいしょく) | 秦の国王。安国君(あんこくくん)の父親。 |
安国君(あんこくくん) | 秦の太子。異人(いじん)と子傒(しけい)の父親。 |
嬴異人(えいいじん) | 安国君と側室・夏姫(かき)の息子。現在は、趙で人質として暮らしている。 |
嬴子傒(えいしけい) | 安国君の息子。王位を継承するのではないかと周囲から思われている。一度、雅王女との縁談が持ち上がるも白紙になった。 |
范雎(はんしょ) | 秦の丞相。秦の実権を握っている。 |
第8で分かったこと
異人の部屋
雅王女が自分の父親を襲った刺客は皓鑭だと異人と呂不韋に話をしています。
父親(趙の国王)は意識を失っていて話を聞けないが、高将軍が部屋に入ったときは皓鑭しかいなかったのだ、と。
国王暗殺を企んだ場合は死罪で、現在皓鑭は牢に入れられ厳しく見張られ誰にも会えないんだそうです。
牢に入ったり、出たり、入ったり、皓鑭も大変だなぁ。
雅王女は、皓鑭のために動こうとする異人を牽制します。今、異人の祖国である秦が趙を猛攻撃している。異人が動いても火に油を注ぐだけだ、と。
そして、異人はいつも皓鑭のことばかり考えているが「少し距離を置いたほうがよろしいんじゃない?」という雅王女。
「おっしゃるとおり。おとなしくしているべきだ。ご忠告、感謝します」とオトナな対応をする異人。
「反論しないの?」
「反論しても私はねじ伏せられるだけ。結果は変わりません。時間の無駄でしょう」そういうと本を読み始めようとします、が、逆さまだったようです。
庭
殷医師に王様の様子を聞く呂不韋。王様は、まもなく意識を取り戻すだろうと断言する医師。
呂不韋は宮殿を調べ尽くしたようですが、刺客の手がかりが一切ないようです。
王妃の部屋
王妃が、なぜ王様は目覚めないのかと殷医師に聞いています。
王様はもともと持病が悪化しており、ゆっくり療養すれば意識が戻るという殷医師。治せないなら正直に言え、と茶々を入れる蛟王子。
そこへ王医師がやってきて、殷医師の出した薬は体を冷やす薬ばかりで王様の容態がかえって悪化すると進言。そして、殷医師の父親の殷医師(ややこしいな)の残した書類にも、こういう場合は温めると書いてある。殷医師(娘)は父親の教えまで否定するのか、と。
病人によって治療法は違う、書の通りにはいかないのだと反論する殷医師。
蛟王子は主治医を王医師に変えるべきだと言い、羽王子は殷医師のままでと言い、雅王女は殷医師は腕がいいが王医師には長年の経験で知識が豊富、と。
結局は王妃の命令で王医師が王様を診ることになりました。
プイっと部屋を出ていく殷医師に、態度が悪いという蛟王子。いやいや、君の態度も大概態度悪いけど??
王妃は「有能な者はアクが強いわ。寛大な心で接しないと。こたびは残念ながら力を発揮できなかっただけよ」とフォロー。
羽王子は王妃に、皓鑭には国王を殺す理由がないと言います。
蛟王子は、自分の罪を逃れるためのでっちあげだ、と。高将軍と羽王子が探したのに、なぜ見つからないのか?という蛟王子。
もしかしたら口封じのために殺されたのかもしれない、という羽王子。
一触即発な2人を見て、これ以上騒ぐなら宮殿から追い出すわよ、と王妃に言われちゃうのでした。
2人の王子が出ていくと、王妃は「残念でたまらない。あなたが息子ならあの二人も少しは遠慮したはず」と言い出します。
「我が国を牛耳るのは、あの2人のどちらか。あなたは、わずかなおこぼれで満足なの?捕まえたばかりの野生の鳥には餌を拒んで果てるだけの気概がある。でもずっと籠の中にいる鳥は野生を忘れるんでしょうね」
野生の鳥って…皓鑭のこと??
蛟王子の部屋
王医師が「王子。おっしゃるとおりにしました。どうか孫をお返しください。まだ幼く、耐えることなど無理です」。
おや、蛟王子、まさか王医師の孫を誘拐?!
国王がもう少し眠っていれば孫は無事に戻る、そう言って王医師にお酒を勧めるのでした。
異人の部屋
異人と囲碁をしている呂不韋。
呂不韋は異人を秦へ送り届けようとしているようです。皓鑭を救ったら司徒月が秦へ連れて行く、と。
今の機会を逃したら次はない、すぐに決断して欲しいと異人に迫る呂不韋。
廊下
高将軍が見張っていて殷医師は王様に近づけないようです。
呂不韋が焦りは禁物だと言うと、皓鑭を見捨てるつもりだからそう言ってるのかと疑う殷医師。
「皓鑭は私が救うわ」そう啖呵を切ると歩きだします。
宮中の道理をよく分かっているはずの殷医師が、なぜ皓鑭を救うのか?と聞く呂不韋に、何も答えず去る殷医師。
庭
荷台に大きな樽が2つ乗っています。呂不韋は朱弦という男性に、樽の中身は何かと聞きました。
中には残飯が入っている、と答えた朱弦にお金を渡す呂不韋。そして、ある人を宮殿の外に連れ出して欲しいと樽を叩きながら言うのでした。
蛟王子の部屋
朱弦は、さっそく蛟王子に密告。
蛟王子は、呂不韋はキツネよりもずる賢いから異変に気付いたら逃げて(計画をやめて)しまう。だから今回は逃してやれ、という王子。
異人の部屋
準備が整ったという呂不韋に、確実に逃げるなら羽王子に力を借りましょう、という異人。
さっそく羽王子に会いに行く異人と呂不韋。
羽王子は父親の病状もさることながら、自分の将来(王位)についても悩んでいるようです。
王子に争いは付き物、自分の兄弟たちも皆、自分の身を案じているだろう、自分には羽王子の苦しみがよく分かる、という異人。
自分の不安を言い当てられ、余計なお世話だ!と怒る羽王子。
すると呂不韋は近くにあった鳥かごを乱暴に床に叩きつけました。
なんと酷いことを!と怒る羽王子に、王子はこの鳥の主であり目を離せば鳥の命は奪われる。羽王子の後ろ盾である王様にもしもの事があれば、この鳥と同じような運命が待っているだろう、という異人。
えーっと、鳥の主(後ろ盾)である羽王子がいなければ鳥の命は危うい。
羽王子の主(後ろ盾)である国王がいなければ、羽王子の王位(命)は危うい、そういうことでいいのかな?
「兄上は陰険で実にずる賢い」という羽王子。
呂不韋は、趙の首都・邯鄲に残っている丞相が羽王子の心強い後ろ盾になってくれるだろう。
今までは蛟王子と羽王子は互角だったため、丞相はどちらの側にもつかなかった。けれども、蛟王子が王位を継げば丞相の地位が危うくなるかもしれないと説得したらどうか、と。
羽王子は、自分に何を頼みたいのか?と。
呂不韋は異人の逃亡に力を貸して欲しいこと。異人は秦の太子である父親に趙からの撤退を進言するとともに羽王子が王座につけるよう後押しをする、と。
今の自分は何の役にも立たないが、(祖国へ帰り)立場が変われば力を発揮するかもしれない、と。
もしも勝負に出る勇気がないなら自分で命を断ったほうがいい、人の手にかかれば笑い者になる、と後押しする呂不韋。
羽王子は決断しました。父親に害が及ばない限りは異人の言う通りにする、秦へ帰国したら約束通り自分を助けて欲しい、と。
羽王子に一礼する異人。
いやぁ、ここまで勝負に打って出る異人。かっこいいー。今まで、どこか諦めているような雰囲気で呂不韋が帰国させようとしてもどこか乗り気でないように見えましたが。
ようやく野心のようなものが異人のなかでも強くなってきたのかな?
異人の部屋
雅王女が手作りの料理を持ってやってきました。
食べようとする異人に「美食には舞が付き物よ。ここで披露してもよいかしら?」という王女。
自分の手料理を美食と言い切るのが、さすが。
雅王女が舞を始めますが、異人は王女の舞など見ず黙々と飲んだり食べたり。
怒った王女が舞を止め、自分と皓鑭どっちの舞が上手か?と聞きます。もちろん王女だ、と答えた異人に、「嘘つき!見てなかったでしょ!」と。
「では食事は後に。先に舞を見せて頂きましょう」という異人。嬉しそうに舞った王女。部屋を出たあともご機嫌です。
しかし、いつもと違って優しすぎた異人にふと疑問を感じる雅王女。さすが。侍女の夏雪に異人と呂不韋を見張るように言いつけるのでした。
異人の部屋
異人、呂不韋そして公孫乾(こうそんけん)が飲んでいます。が、もっぱら飲んでるのは公孫乾だけっぽいですね。
公孫乾が酔いつぶれたことを確認し、異人に着替えるよう言う呂不韋。
薬坊
王妃様の命令で薬を取りに来た、と殷医師が兵士に言いますが高将軍から薬師以外は近づけるなと言われているようです。
殷医師は王妃様から一筆もらってくる、と脅しをかけますが動じない兵士たち。
邪魔をするなら考えがある、と独り言をいう殷医師。
門
残飯の入った桶を運ぶ馬車がやってきました。
羽王子がやってきて、兵士たちの気をそらしたので桶は調べられずに出られるはず、だったのに。
蛟王子が来てしまいました。
呂不韋が異人を連れて逃亡するという知らせを受けた、という蛟王子。
まさか自分が異人を逃がそうとしていると思うのか?という羽王子。
桶から異人がでてきたら、羽王子も罪に問われると意地悪く笑う蛟王子。
牢獄
影絵で犬のマネをして遊んでいる皓鑭。
そこへ火事だ!と兵士たちが騒いでいる声が。
薬坊の門を守っていた兵士たちも火事の方へ走っていきました。その隙に薬房へ入る殷医師。
まさか殷医師が、どこかに放火?!
王様の部屋
王様の顔色はだいぶ良くなったのに、なぜ目覚めないのか?と王医師に聞く王妃。
殷医師が体を冷やしすぎたのだ、とまたも殷医師のせいにする王医師。
そこへ火事が起きたと報告が入り、高将軍へ行ってくるよう命令する王妃。
高将軍は、普段は掃除ぐらいで人の出入りがない場所がなぜ火事になったのかと不思議がっています。
門
「火を消すために(残飯の入った)桶を借りる」という蛟王子。
兵士が桶を持っていこうとしたのを止める羽王子。蛟王子は桶を縛っていた紐を刀で切り、地面へと押し倒しました。
なんと、桶の中からは残飯、と公孫将軍。
可哀想に公孫将軍。酔っ払った挙げ句、こんなところに入れられちゃって。
散々騒いだのに出てきたのは酔っ払いでガッカリされたでしょう、と大笑いする羽王子。
でも、本当は公孫将軍が入っているとは知らなかったから直前までヒヤヒヤしていたはず。
林道
それぞれ馬に乗って全速力の呂不韋と異人。
呂不韋は朱弦(残飯の桶を運んでた人)を最初から信用してなかったようです。朱弦を利用し、いかにも桶で脱出するよう芝居を打ったとか。
これから舟で秦へ行く、という呂不韋。司徒月との会話を思い出しています。
皓鑭の使命は終わったから、もう自分には必要ない。商品に高値がつけば売るのが賢い商人だ、とかなんとか。
すると司徒月から「旦那様!こんなに気に入った方は初めてでしょう?いつかきっと今日のことを後悔する時が来ますよ」と言われちゃいます。
呂不韋は馬を止め、自分は大事なものを忘れたから先に舟で秦へ行って欲しい。秦でお会いしましょう、と異人に言うのでした。
異人が渡し場へ行くと船頭が待っていました。早く行きましょう、という船頭に待ったをかける異人。
そこへ馬車が1台やってきて、雅王女と侍女が降りてきます。
今、異人が逃げれば皓鑭とは二度と会えないだろう。
「私の愛する異人は心の清い、正しい方。大事な友を捨て一人で逃げたりしないはず。そうよね?」
「皓鑭を利用するとは」
「いえ、これは信義の問題よ。あなたは残る、そうでしょ?」
牢屋
火事なのに、なぜ消しに行かないのか!と兵士たちを叱る呂不韋。けれども任務があるから、と言われ兵士を襲う呂不韋。
あっという間に兵士5人ぐらい倒しました。ほー、呂不韋って喧嘩に強いんですね。喧嘩じゃないか。
兵士から奪った鍵で皓鑭のいる牢屋へ入る呂不韋。
咳をしているので心配になり皓鑭の肩に手をかけると、それは皓鑭ではなく、小刀で呂不韋の脇腹を躊躇なく刺すのでした。
そこへ兵士たちが押しかけ包囲されてしまう呂不韋。
結局は、皓鑭と同じ牢屋へと入れられます。
強がって皓鑭を助けに来たんじゃない、とか言う呂不韋。
個人的な感想なんですが、この2人が相思相愛というのが感じられないのはなぜなんだろう。皓鑭は呂不韋は自分の事を好きだと確信してるし、司徒月から見ても呂不韋は皓鑭が好き、って設定になってるんですけれど。
なんだろう、ツンデレというには、ツンツンばかりでデレっとしてる呂不韋のシーンがないように感じるのは私だけでしょうか。やたらめったら、自分は商人で皓鑭は商品だ、と繰り返すばかりで。
皓鑭のために自分で石に文字を彫ったりとか、特別な品を贈ったりという描写はあるものの、なーんか、この2人の関係性に物足りなさを感じてしまうのです。残念。
薬房
殷医師はザルから何かを集め、袋に入れています。
そこへ高将軍たちが探索にやってきました。慌てて逃げる殷医師。
林の中へ逃げ込みますが、高将軍に追いつかれてしまいます。
「なぜ薬房に?悪いが死んでもらう」という将軍に、白い粉を撒いて目くらましをする殷医師。
一瞬怯んだものの、すぐに殷医師を追う高将軍。すると道に何匹もの蛇がでてきて、将軍めがけて飛んでくるではありませんか!
え?蛇って飛ぶの?!
刀で次々切り倒すも、噛まれてしまう高将軍。
蛟王子の部屋
雅王女が得意げに、呂不韋と異人が戻ってきたと報告しています。
そして「調子に乗らないほうがいいわ。はかりごとは、もっとうまくやらないとね」という雅王女。
何のことか分からないととぼける蛟王子に「壮大な志を抱いていても、高く飛ぶには翼が小さい。高みに立つ力がつくまで決して焦っては駄目よ」
異人が逃げたことは黙っておく、とだけ言う蛟王子。
王様の部屋
皓鑭を逃すために呂不韋が牢へ侵入したと王妃に報告する蛟王子。
2人を死罪にという蛟王子に、皓鑭は王様に寵愛されているのだから意識が戻ってないうちは処刑せず待つべきだ、と答える王妃。
異人の部屋
桶に異人が隠れていると思い必死に抵抗したが、まさか公孫将軍が出てくるとは、と異人に言う羽王子。
異人は殷医師がいなくなったこと、皓鑭を救おうとしていたので心配だ、という異人。
羽王子は、すぐに捜しに行きました。
殷医師と高将軍が居なくなったことは、蛟王子の耳にも入りました。
高将軍は無傷で連れ戻し、殷医師は殺してしまえ、と命じる蛟王子。あーあ、もう何人殺したら気が済むのか。
林の中
蛇に噛まれた高将軍を見ていた殷医師は、また何か粉を撒くと蛇が退散していきました。そして高将軍の手当を始める殷医師。
代々医者だから、苦しんでいる人を放っておけない。たとえ相手が人殺しでも処刑の前に治療する、と。
高将軍は、なぜ皓鑭を助けようとするのか?と殷医師に聞くと善悪がはっきりする、と答えます。
そこへ兵士たちが高将軍を捜しにやってきました。逃げ出す殷医師、羽王子がやってきて殷医師を助けてくれます。
羽王子の馬に乗り逃げていく殷医師。
王様の部屋
ようやく王様が意識を取り戻しましたが、声がでないようです。
蛟王子は刺客の件で皆が心配している。決断すべきだ、と進言。呂不韋と皓鑭が部屋へ連れてこられました。
王妃は、事件当日何があったのかと皓鑭に聞きます。
皓鑭は、自分が王様の寝所へ駆けつけると刺客が王様の首を布で絞めていたこと。助けを呼んだら刺客は逃げ、王様の首から布を外していたら高将軍が自分を刺客だと誤解したのだ、と。
皓鑭以外に刺客を見たものはいない、という蛟王子。皓鑭は王様も刺客を見たと答える皓鑭。
呂不韋は皓鑭と結託して王様を殺そうとした、と言い出す蛟王子。皓鑭を救うために牢屋の兵士たちを襲ったのだ、と。
呂不韋は無実の罪で投獄された皓鑭を助けに行ったのだ、と答える呂不韋。
もう言い訳はいいから連れて行って、という王妃。
そこへ殷医師が「証拠があります」とやってきました。羽王子も一緒です。
殷医師が失踪したと聞き、馬服山を捜していたら大勢の刺客に追われている殷医師を見つけた、という羽王子。
なぜ命を狙われたのか?と問う王妃に、重要な証拠を握っているからだ、と答える殷医師。
ザルから袋に詰めていたのは、宮中の煎じ薬のカスだったそうです。王医師に、治療に”半夏(はんげ)”を使ったか?と聞く殷医師。
せきと痰がひどかったので胸のつかえがあったため、半夏を使ったのだと答える王医師。
半夏は量を間違えると、呼吸がしづらくなったり手足に痙攣が起きたり、悪化すると全身が麻痺して意識を失うんだとか。
しかし意識を失うには一日5匁(もんめ)が必要で、自分は2匁しか使っていないし、記録もあると反論する王医師。
半夏の毒にあたると、喉にできものができ食事ができない。どうか確かめさせて欲しい、と。
殷医師が王様の喉を確かめると、確かにできものがあったようです。だから話せないのだ、と。
殷医師は周囲を見渡し、王様の薬膳を調べさせて欲しいと食い下がります。
ちょっと、ギョっとする王医師。
くんくんと匂いを嗅ぐ殷医師。この汁物は鶏ではなく”小綬鶏(こじゅけい)”を使っている、と。
すると王妃は、観賞用の小綬鶏はめんどりよりもずっと滋養がつくから薬膳に使うと王医師が言ったのだ、と。
すると皓鑭「ということは、大量の半夏が入っていたのは汁物ですね」と。
しかし、汁物を作ったのは料理人で自分は何も知らないという王医師。
皓鑭は「半夏はどこに生えるのですか?」と聞くと、「温暖で湿気がある所です」と答える殷医師。
馬服山では至るところで見られ、小綬鶏や鳩は半夏を食べるのだ、とも。
王様がこういう症状なのは、半夏を含んだ小綬鶏の汁物を飲んだためだ、という呂不韋。
皓鑭は、王医師が小綬鶏の料理を毎日食べてみれば結果がでるはずだ、と。
薬として処方した半夏+汁物に含まれていた半夏=適量を超え王様は目覚めずに、目覚めたけれど声が出にくくなってしまった、と。
命だけはお助けを、と謝る王医師。
皓鑭は黒幕がいるはずだ、そして自分を殺そうとしたとんでもない悪党だ、と。
王医師は何かをこっそり口に含み、自害してしまいました。
密かにホッとする蛟王子。
殷医師は自分が治療すれば徐々に半夏の毒は消える、と言いました。
何か言いたげな王様。王妃は王様の言いたいことを察し皓鑭は放免され、呂不韋は罰金で済みました。
薬房
殷医師が薬を調合していると、高将軍がやってきました。
「小春」と呼びかけて、殷医師に何かを撒かれてしまう高将軍。撒かれてばっかりだな、高将軍。
高将軍は謝りに来たのだといいますが、薬房に用がなければ出ていってと冷たく言われてしまいます。
高将軍は「じゃあ治療してくれ」と蛇に噛まれた手を出しますが、他にも医者はいると。でも高将軍はめげません。苦しむ人を放っておけないと言ったではないか、と。
仕方なく高将軍の治療を開始する殷医師、めっちゃ乱暴に鍼を刺します。
それでも医者か、仕返しだろう!という高将軍に、まだ蛇の毒が残っている我慢して、としれっという殷医師。どうなるんでしょう、この2人。
王妃の部屋
皓鑭がやってきました。
「いかなる時も、まず自分の身を守る。でなければ他人は救えない。そなたに救いの手を差し伸べていたら私も事件に巻き込まれたはず。そうすれば私たちはまとめて処刑されていたでしょうね。だけど私が王妃の座にいれば、そなたの首が飛ぶ前に救ってやることができるでしょう」
つまり、あれですね。いいわけですね。自分は皓鑭を助けるために、あえて何もしなかったんだ、と。
分かっています、と答える皓鑭に、分かっていないという王妃。
これから皓鑭は美貌を武器に王の側室になり、王の子を生み育て、栄華を極めることができる道がある。これは誰が見ても一番歩きやすく、一番理にかなった道でもある、と。
皓鑭は、母親から良き嫁ぎ先を見つけることが大切だと言われてきた。しかし、他人に頼ったところで無駄だと気付いたのだ、といいます。自分の母親や、継妹の岫玉がそうだった、だから自分の足で歩くことにしたと答えます。
王妃は「おなごに生まれると幼い頃は父親に従えと言われ、嫁げば良妻賢母となって、やがて老いれば自愛を求められる。男は己のありとあらゆる理想を女に押し付けるもの。女は娘であり、妻であり、そして母親。何をどうやっても男たちが満足することはないわ。おなごは富も権力も持てず己の道すら決めることができないの。不公平ね。実に不公平だわ。でもね…この乱世に誰にも頼らないという覚悟はあるのかしら?あらゆる困難を自分で乗り越える。後悔は許されない」。
皓鑭は、生きづらいのは男性も同じではないか、と。男は勇ましくあるべきとか、商いは卑しい仕事だとか。
「乱世にあって心のままに生き、ものを言いたいなら力を持たなくては。男も女も」
「ご立派ね。人生には死に通ずる落とし穴がある。落ちなければ勝者への足がかりになるわ。道はまだ長いわよ。ゆっくり歩みなさい」
なんか、会話が抽象的なのですが。これは、皓鑭が側室の道を選びたいか、選びたくないか、を聞かれてるのでしょうか?
王様の部屋
王様は、だいぶ快復してきたようです。
自分が病気だった間によく働いてくれたそうだな、大臣たちも決断力を褒めていた、と蛟王子を労う王様。
そして自分が全快したら命の恩人である皓鑭を少妃(しょうひ/側室のこと)にしようと言っています。
蛟王子は、呂不韋は皓鑭を救うために牢屋に侵入したぐらいだからあの2人が怪しいのでは?と。
呂不韋が後宮の風紀を乱すだのなんだの、うだうだ蛟王子が言うので「黙れ」と不機嫌になる王様。
呂不韋の部屋
呂不韋と皓鑭の仲が怪しいと噂が広まっているようです。
弁解しても疑われるが、放っておいても命が危ない、という異人。
「私が心配ですか?それとも皓鑭?」と聞く呂不韋に、「もう一度言ってもらえますか?」という異人。
はて、目の前で話しているし、聞こえたはずなのに、はて?
「この局面、どうやって打開すればよいかと」
「ハッ」とだけ笑う異人。
え?いつもの優しい異人はどこへ?!?!?
広間
蛟王子がしとめたジャコウジカが美味しかったから、臣下たちにも鹿肉の宴を設ける王様。
しかし呂不韋のところには肉が配られませんでした。
すると王が呂不韋を召し出します。
すると王様は肉を呂不韋の前に投げ捨て、新鮮な肉を用意しろと言ったのに腐ってる!とイチャモンをつけはじめました。
今朝猟師が届けに来た肉だ、と答える呂不韋に口答えしたから100叩き!と。
皆の前で2人の男性から叩かれちゃう呂不韋。いや、そこでやらなくても……。せっかくの料理が……(??)
すると、羽王子が仲裁に入ります。
父上が怒っているのは肉のせいか、噂のせいか?と聞く羽王子。
そして”絶纓(ぜつえい)の会”の話を持ち出します。
楚の荘王が宴を開き、側室に酌をして回らせた。そのときロウソクの明かりが消え真っ暗になったところで、ある将軍が側室の衣を引っ張った。
側室は将軍の冠から取った紐を手がかりに、王に罰するよう頼んだ。しかし王様は全員に紐を切らせて不問にした。
のちに秦との戦で命がけで王を守った者こそが、衣を引っ張った将軍だった。
もし王の器が小さければ、将軍は死罪になり、王の命を救うこともできなかっただろう、と。
呂不韋は、まだ王様の役に立っていない。兵糧を調達し、私財を半分国へ差し出した義を重んじる商人として知られている。人材は宝だし、もし呂不韋を処刑すれば皆が失望する、と弁護するのです。
なのに、なのに、フフっとか笑っちゃってる呂不韋。
当然王様は、何がおかしい!なぜ笑うのだ!と怒り出しました。
鹿肉が腐ってると王様は言ったが、それは鹿が痩せこけているからだ。韓の国で獲れる鹿は非常に美味しく六国一(りっこくいち)と言われてるとか。高値で買い取ってはいかがですか?と。
六国・・・斉・楚・燕・韓・魏・趙
王様は、韓の国はずる賢く、上党(じょうとう/趙に近い韓の飛び地)をエサに趙と秦が争うように仕向けてきたのだ、と。
今度は、斉の国の話を持ち出す呂不韋。
昔、斉の国の桓公(かんこう)が貨幣を鋳造して莱(らい)の国の薪を高値で購入。すると莱では作物を作らずに薪を皆が売り始めた。まもなく食料の価格が急騰し、国民は次々と斉の国へと移動したため莱は滅びたのだとか。
高値で鹿を買い取れば、韓の国民は田畑を捨てて鹿狩りをするだろう。三ヶ月後に鹿の買取をやめ、趙にある兵糧の蓄えを韓に売れば、価格は高騰。韓の国内は混乱するだろう。
呂不韋の案に感心した王様。
「そなたは根っからの商人だ。余は好きだ。フフフ、優れた臣下を余が疑うはずがないだろう」
うわー、よくぞ恥ずかしげもなく言えるな。
ご機嫌になった王様は広間を後にします。
呂不韋の部屋
羽王子が、なぜ王様を怒らせたのかと呂不韋に聞いています。
怒りを発散させないと、いくら説得しても無駄骨に終わってしまう、と答える呂不韋。
そして趙が韓の国に復習するため、韓の国から鹿を高値で買おうとしているという噂を流すだけで戦々恐々となるだろう。だから、趙は鹿を買うふりをすればいいのだ、と。
おそらく韓の国は趙に詫びを入れにきて、王様の怒りも消えるだろう、と。さっそく噂を流すために動き出す羽王子。
羽王子が出ていくと、異人がやってきました。
「妙案、感謝します」という呂不韋。
「流れを読むことを忠告してくださった。羽王子にまず私の命を助けさせ、次に噂を打ち消し陰謀を打ち砕く。韓に噂を流し、王の機嫌を取る。韓は罠だと分かっていても掛かるしかない。まさに戦わずして勝つ」
えーっと。
異人が「もう一度言ってもらえますか?」とか「ハッ」と笑ったときのことがヒントになったようですね。まったく私にはピンとこないのが辛い。どのあたりが、流れを読むことだったんだろう…。うーむ。
異人は「趙と韓が和解し旧交を温め趙が勢いに乗れば、秦も手出しができない。停戦となれば、私も死なずに済みます」。
異人は呂不韋と、異人自身、そして韓の民も救った、という呂不韋。韓の君主は思慮が浅く、今は秦と趙が争うことで漁夫の利を得ているが、秦と趙が戦わなくなれば韓の国自身が秦と趙から狙われる可能性もある。
異人は、自分の母親の祖国・韓のことを案じて秦の利益を捨てた。まさに聖人君子だ、と褒める呂不韋。
フッと笑った異人。いきなり呂不韋のお尻を引っ叩きます。痛がる呂不韋を「どうやら中綿の厚みが足りなかったようだ」とからかうのでした。
なるほど。呂不韋は百叩きを予想していたんですね。
「呂不韋殿。権力と美女は、どちらかひとつ。今こそ選ぶ時です」そう言って去っていきました。