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ドラマ『MIU404』第5話「夢の島」の流れ&ネタバレ感想

※ 記事内に商品プロモーションを含んでいます

ところで、『MIU404』は何話まであるのだろう?という謎がとけぬまま第5話になりました。

毎回、まったく違う事件(煽り運転、殺人、イタズラ通報、強盗、発砲事件など)に遭遇する機捜の皆さんって、大変なんだなぁと思う今日このごろ。第5話も色々と楽しい部分、伊吹さんや志摩さんたちのそうだったの?!という部分も見られたのに。

でもノンフィクションみてるような感じでもあり、私は見終わったあとに色々考えて無口になってしまう展開でした。

星野源さんがラジオで、

5話は、数年後とかに見るよりも、今見てそのことに対して思い、何かを調べるってことがあったほうがたぶんいいと思うので。

と話していた意味が分かる内容でした。

 

https://syuzyu.com/2020/07/23/about-miu404-hoshinosan/

 

 

 

第5話 登場人物

登場人物 役どころ
伊吹 藍
(いぶき あい)
奥多摩の交番に8年近く勤務していた。第4機捜へ異動となり志摩とコンビを組むことに。巡査部長。
”足が速い”のと”野生の勘”が武器!?
志摩 一未
(しま かずみ)
元捜査一課。所轄勤務だったが、4機捜へ。機捜経験もあり桔梗・陣馬からの信頼が厚い。

陣馬とはコンビを組んでいた経験あり。巡査部長。

野生の伊吹に、やや?だいぶ?振り回され気味。

桔梗ゆづる
(ききょう ゆづる)
警視庁刑事部の第1機動捜査隊 兼 第4機動捜査隊・隊長。志摩のことを評価している。警視。
陣馬耕平
(じんば こうへい)
警視庁刑事部の第4機動捜査隊・隊員。昔、志摩とコンビを組んでいたことがある。現在は九重とコンビを組んでいる。コールサイン401。警部補。
特技:”顔面配備”
九重 世人
(ここのえ よひと)
警視庁刑事部の第4機動捜査隊・隊員。父親が警察庁刑事局長。自身もキャリアの新米。警部補。
第4機捜のメンバーが個性的すぎて、ちょっと引いてる時あり。
糸巻 貴志
(いとまき たかし)
警視庁刑事部の第1機動捜査隊・隊員。
桔梗が1機捜内に設立したスパイダー班の班長。SNSのリアルタイム監視ほかWEB分析、防犯カメラの映像解析などを担う。巡査部長。
チャン・スァン・マイ ベトナムからの留学生。28歳。どうやら、伊吹の”きゅる”らしい(?)
中村 マイがアルバイトをするコンビニ店の店長。
水森 祥二朗
(みずもり しょうじろう)
マイが通っている日本語学校の事務員。27歳。
ガマさん、こと、蒲郡 伊吹の恩師。唯一自分を信じてくれた人物、と伊吹が第2話で語っていたひと。
牛山 2機捜の隊長。九重の父親のことも知っている。
特派員REC(れっく) 動画投稿サイト「NOW TUBE」で「ナイトクローラーチャンネル」を配信しているナウチューバー。本名不明。

 

第5話「夢の島」の流れ&ネタバレ感想

ニコニコマート・下石神井店

冒頭から、いきなりコンビニ店員になってる伊吹と志摩。この制服の色、メロンパンっぽくないですか?ふふふ。

伊吹「5点で1000円になります」

志摩「2点で540円になります」

伊吹さんの後ろの壁に貼ってある”当店自慢の豆いっぱい豆大福”美味しそうだなぁ。

それと、少年海外協力隊のポスターも。このポスターみて、ふと4話の『ミリオンダラー・ガール』を思い出してしまいました。

 

伊吹は国産鶏肉使用のサラダチキンを買った女性のお客さんに対し、「あ〜これめっちゃうまいっすよね。ヘブンイレブンのサラチキのパクリかと思ったら超うまい。ナイスセーンス!」とサムズアップ。

ちらっと伊吹に冷たい視線を向けつつ、自分が接客しているお客様には「ありがとうございました」と素敵な笑顔を向ける志摩。

伊吹はお客さんに「また来てね〜」と手を振って送り出します。

志摩「ありがとうございました」

店外には、ニコニコペイスタート、と書かれた看板も掛かっていて今回もスタッフさんたち細やかなお仕事!

志摩「どこの世界に客に執拗に話しかけるコンビニ店員がいるんだよ」

伊吹「俺の実家のすぐ近くに…」

志摩「お前の実家はどうでもいい」

ふふん、って笑う伊吹。伊吹さん、実家どちらなのかしら。

志摩「俺たちは今、強盗に備えてここにいるんだ。もっとコンビニ店員らしくしとけ」

伊吹は腕を組みつつ「コンビニ店員らしくないコンビニ店員の芝居してんの。分かんないかなぁ〜」

ポリポリと後頭部を掻く志摩。

伊吹、左手を顎に添えつつ「いやさぁ、俺、俳優向いてると思うわ」真顔ですね。

志摩「こんな俳優がいてたまるかボケぇ!」

って、俳優さん同士がやるのが面白いんですけど。ふふふ

陣馬がレシーバー越しに「おめえら、もっと真面目にやれ!」

あまりの大声に、うぉって感じで首をかしげる2人。

コンビニが見える位置で車の中から張り込みをしている陣馬「そんな張り込みがあるか!」

志摩「もぉー陣馬さん、声でかいよ!」

九重「やっぱり店員役は私がやるべきでした」

陣馬「お前それ昨日も言ってたな」

なんだろう、九ちゃんコンビニのアルバイトやったことあるのかな…なさそうなんだけどな。

コンビニの前に、自転車を止めようとしている女性を見て「あ、1名入店です」という九重。店内から女性を見ている伊吹と志摩。

女性はコンビニへ入ると、カゴを手にします。

伊吹「あ、マイちゃん」声が優しい。

マイ「あっ、お疲れさまです」と丁寧に伊吹たちへ一礼。

志摩「お疲れさまです」

伊吹「今日こっちのお店?」

マイ「ノー、うちの店、商品足りない」

伊吹「マイちゃん、手伝おうか」声が優しい。

マイ即座に「ノー!」

断られても、お菓子の入ったケースに両手をグーにして乗っけ、マイちゃんを嬉しそうに見る伊吹。

陣馬「誰だ?」

志摩「系列店のバイト」

九重「留学生ですか?」

志摩「うん、ベトナム」

陣馬「今は多いからなぁ」

テキパキとカゴに必要な商品を入れていくマイを見守る伊吹に「落ち着け、尻尾を振るな」と声を掛ける志摩。

伊吹「いや、尻尾ねぇし」あ、そうなんだ。すごく大きくフリフリしてるのが見えたような。気のせいか。

ちなみに、脚本家の野木さんが登場人物を犬に見立てた話はこちらの”登場人物を犬に例えると”に書きました。

志摩「あの子、きゅるっとしてるよな」と言った途端、めっちゃ振り返って志摩を見つめる伊吹。

志摩「その、きゅるがいまだによく分からんが、お前の反応見るにあれが”きゅる”なんだな、と」人差し指でマイを指差します。

伊吹は志摩の両腕を押さえると、レジの片隅まで押していき「バカバカバカバカ」。

志摩「何だよ」

伊吹「そういうこと大きな声で言うなよ。デリカシーねえなぁ」

ってか、大丈夫ですよ、”きゅる”じゃ普通ウフフな話してるって分からないから、あはは。

志摩「お前さぁ、人のことは散々いうくせにさ」

車の中で、2人のいちゃつき?を聞かされて無表情な陣馬と九重。

伊吹「やめて、ホント」

マイ「レジ!ケンカ ダメ!」

伊吹「ケンカしてないよ、ごめんね」声が優しい。

マイ「強盗 来る?」

伊吹「いや、それがまだ分かんないんだよね」

志摩「この辺りの店が順番に狙われてる」

伊吹「うん」

九重「ターゲットは店員が日本人の店だけ。よほど恨みがあるんでしょうか?」

陣馬「うん?」

九重「犯人は外国人なんですよね?」

陣馬「外国人のふりした日本人っていうケースも多い。日本人相手の方がバレにくいからな」

店内では、マイが必要な商品をピックアップできたようです。

伊吹「マイちゃん、帰り道心配だから送っていこうか」声が優しい

志摩は伊吹の腕を叩きながら「公私混同。仕事中」すべて漢字。

伊吹「いや、警察官として俺はマイちゃんの安全を守ろうと」

志摩「お前の方が危ないからね」

志摩が「あれ、なんだ?」って言い返したのかな?何か志摩に抗議しようとします。

この流れって、第4話の「一人で大変じゃん」「お前といた方が大変だ」を思い出してしまったのは私だけでしょうか。うぷぷ。

 

そんな2人のやりとりを見かねたマイ「イブキ!私、好きな男いる」

微妙な表情になる伊吹。

マイ「いい人、素敵。イブキいらない」

志摩、もんのすごく目だけ嬉しそうに「伊吹いらないって」

志摩の声なんて聞いちゃいない伊吹「マイちゃん、君はまだ俺の魅力に気づいてない」

志摩「えっ?粘るの?」

伊吹「これから俺の魅力を…」

伊吹の話なんざ、聞いちゃいないマイ「バイバーイ」、即座に「バイバイ」と手をふる伊吹。

志摩「うわ〜」

伊吹「ふっ…手強いぜ」

志摩「俺は、お前の自信が怖いよ」

このくだり、本当に面白くて何度も繰り返し見てしまいました。

伊吹「自信はない。だが飛び込まないとチャンスもない」

名言!

志摩「そのチャンス、今終わったんだよ」確実に現実を見せてあげるタイプ。

陣馬は、腕時計をチラリと見てます。

ニコニコマート・石神井店

マイ「ただいま〜」

店長・中村「あ〜、やっと帰った。少し寝るから、マイちゃん、あと宜しく」

そういうとバックヤードへと行ってしまいます。ありがとう、の一言もなし。不服そうな顔で店長を見送るマイ。

ピーストア・大泉店

目出し帽をかぶった人物が、携帯を見ています。

6/9(日) 3:32

ふむ、今回も2019年の出来事のようですね。

3:33になったところで、ピーストア・大泉店へ走り込みます。

レジには黄色制服を着た男性2名。

店員「いらっしゃいませ」

強盗は包丁をちらつかせながら「ダセ カネ」

店員さん2名とも、耳に黒いイヤホン。なるほど、この人達も捜査中の警察官なんですね。

強盗「ダセ サッサトダセ ハヤク!」

頷き合う店員(に扮装した警察官)たち。

「機捜213から2機捜あて。ピーストア大泉店に強盗。隊員が店内で対応中」という無線が伊吹たちにも届きます。

品出し中の伊吹「そっち〜」とすごく残念そう。

陣馬「引き上げて大泉に行くぞ!」

志摩「了解」

本物のコンビニ店員さんへ「強盗、他の店に出たって」と告げる伊吹。

そのとき、志摩たちのコンビニの方へ走っていく男性2名の姿。

九重「陣馬さん、あれ!」

陣馬「あっ?同時に二箇所?」

強盗1はレジにいる志摩に向かって包丁をチラつかせながら「オカネ ダス。ハリーアップ ダス!」と脅してきます。

伊吹は、コンビニの店員さんが強盗たちに見つからないよう座らせます。志摩は伊吹に、そのまま隠れているよう手で制します。

志摩は「お金?お金ね、はいはい」

強盗2が、店内にいたカップルを脅かそうとするのをみて「お金出しますから、今」と声をかける志摩。

強盗「ハヤク!」

志摩「はいはい、今だしてまーす。だしてまーす」

「機捜217から2機捜あて。強盗です」「機捜219から2機捜あて。こっちも出ました」

陣馬は「一体、どうなってんだ」と言いながら車を降りて店内へ。

 

強盗「ハヤク!」

志摩「ちょっと待ってね。今ねカバン入れてますからね」

志摩がお金をかばんに入れると、何かを叫びながら強盗たちが店を出ようとします。

良かった、今回は「いいよ、俺は」出なかった。というか、前回は不意打ちで拳銃つきつけられたしな。ぶつぶつ。

パンの陳列棚から、ずーっと様子を伺っていた伊吹に「よし行け」って、まるで犬に号令かける飼い主のようなんですけど、うぷぷ。ここで、伊吹が陳列棚をパンって軽く叩いてからスタートしたんですけど、これがドン!(スタートの合図)ですかね。こうゆう、綾野剛さんの細やかな演技が好きだなぁ。

逃げてきた強盗2人を止めようとする陣馬と九重。コンビニから伊吹と志摩も飛び出します。

4人の協力で強盗2人を取り押さえると「はい3時34分、強盗の容疑で現行犯逮捕!」という志摩。

九重「外国人のふり、やめろ!」と言いながら目出し帽を取ると、日本人ではありませんでした。

九重「あっ」

陣馬「あら」

伊吹、肩をすくめながら「ほわ〜い?」

同時進行で、「機捜214から2機捜あて。外国人2名確保」。「機捜211から2機捜あて。外国人を確保しました」。

 

ニコニコマート・石神井店

マイが一人でレジをしていると、強盗が。

レジのお金を詰めて渡しますが「まだあるはずだ、バックヤードにあるはずだ」とベトナム語でマイに言う強盗。

「分かった」とバックヤードへ走るマイ。

「機捜215から2機捜あて。外国人を確保」。

ニコニコマート・下石神井店

伊吹「何で、こんなことすっかなぁ〜」

強盗「ゴートゥーコンビニ フェイスノート」

陣馬「一体、何人いるんだよ?」

志摩は携帯電話でフェイスノート内をタグ#GOTO KONBINIで検索し、「これだ」と。

#GOTO KONBINIのほかに、#HON NERIMA、#DAY9 3:33というタグも並んでいました。

九重「本練馬、9日、3時33分?」

志摩「ネット上で誘い合って一斉に実行した」

伊吹、めっちゃ嬉しそうな顔で「ゴートゥー 強盗?フッフフ。ダジャレ?」

 

本練馬警察署

廊下は捕まった強盗犯たちでごった返してます。めっちゃ騒々しい。

4機捜メンバーが揃い、「捕まったのは19人。ベトナム人が8割、他ネパール、カンボジア。ほとんどが元技能実習生で実習先の企業から逃げ出した連中だ」と説明する陣馬。

あ、伊吹さん、そのパーカーは第3話で着ていたギンギラ銀パーカーだったんですね。

九重「働きに来て、どうして逃げるんですか?」

陣馬「……工場で立ちっぱなしの仕事を1日12時間。週6で働いて月収8万円だったんだと」

志摩「明らかな最低賃金法違反」

陣馬「加えて差別にパワハラ、言葉が通じないことによるいじめ。その結果が、この5年間で延べ2万6千人の失踪者」

伊吹「あ〜、それ聞いたことあるわぁ。ガマさんから」

 

志摩「誰だよ?」

伊吹「俺の大事な人」

「?」みたいな顔で伊吹の顔を見る志摩。

そこへ、4機捜チームに向かって歩いてくる1人の男性。

その男性に頭を下げながら陣馬「どうもお疲れさまです」

志摩「2機捜の牛山隊長だ」

志摩たち「おはようございます」

それに返事するでもなく、九重に向かって「九重刑事局長の息子さんですよね?こんな大きなお子さんがいらっしゃったとは」と言う牛山。

笑顔で一礼しつつ「父と私は関係ありません。事件の方は?全員捕まったんですか?」

そんな九重を、じーっと見ている伊吹。

牛山「それが1名、取り逃がして」

伊吹「はぁ?張り込みしてて取り逃がすって」

志摩「おい!」

陣馬も伊吹の腕をつかみます。

伊吹「2機捜ってポンコツなの?」すかさず伊吹の頭をはたく志摩。「いてっ」

志摩「すいません、うちの野犬が。しつけがなっておらず」と牛山に頭を下げます。

陣馬「班長の私の責任です。伊吹、お前帰れ」

牛山「君が伊吹?」

伊吹「はい、伊吹です」いいながら、左手パーにする伊吹。かわいい。

陣馬「うちのバカのバカな話が2機捜の隊長さんまで?」

牛山「いえ。取り逃がした強盗なんですが、外国人店員が働いている店だったんです。それで、そこの店員が…」

事情聴取されるマイ

苛立ったように立ち上がり「イブキ!呼んで!」と叫ぶマイ。

なるほど、だから「君が伊吹?」と牛山が聞いたんですね。

廊下

志摩「強盗の共犯?」

伊吹「マイちゃんが?」

コンビニ店長・中村「私も疑いたくないんです。だけど私がやってる3店舗分の売上、合わせて200万近く持ってかれて」

陣馬「あの、どうしてそんなに大金を置いていたんですか?」

店長「真夜中に銀行まで一人で入金に行くほうが不安じゃないですか。うちATM機ないんで。いつもは2時間ぐらい仮眠して、朝銀行に行くんです。あの子は、それも知ってた。お金の置き場所も」

強盗が入った日、バックヤードで仮眠をしていた店長はマイがバックヤードからお金を持ち出すのを見て、あとを追っかけたようです。

店長「(マイがバックヤード分のお金を強盗に渡した)あの時、強盗と何か話してたんです」

 

事情聴取

マイから話を聞く伊吹と志摩。

マイ「レジのお金出せ。私、渡した。強盗、バックヤードのカネ持ってこい言った。私、殺される。怖い」

伊吹「うん、怖いよね」

志摩「犯人は、どうしてバックヤードに金があることを知ってたんだと思う?」

マイ「……(首を振りながら)知らない。私、犯人違う」

伊吹「だよね」

志摩「マイさんさぁ、強盗と何話したの?」

マイ「……」

志摩「ベトナム語で、何を話したの?」

伊吹「そんな怖い言い方すんなよ」

マイ「お金取る。悪いこと。そう言った」

志摩「じゃあ、これ知ってる?」と言いながら、#GOTO KONBINIのタグがついたフェイスノートの投稿画面を見せます。

そこへ陣馬が入ってきて「マイさん、帰ってオッケー」

志摩「えっ?」

陣馬「家まで送ってやれ」

伊吹「よし。じゃあマイちゃん帰ろうか」

マイ「うん」

もう少し志摩は話を聞きたかったし、反応を見たかったんでしょうねぇ。

伊吹とマイが先に廊下を歩き、九重と志摩はその後ろを歩いています。

九重「桔梗隊長と牛山隊長が話をしました。ホシと彼女が共犯なら接触する可能性が高い」

志摩「泳がせて捜査しろってこと?」

九重「まぁそれに伊吹さんなら彼女も油断して何か漏らすかも」

志摩「いや、あいつ、もうフラれてんだけど」ちょ、こらこら。

志摩を見る九重。

そんな会話が自分の後ろで行われているとも知らず伊吹は「あ〜、でも災難だったよね」

マイ「さいなん?」

伊吹「うん、ああ、デンジャラス、フォーリングダウン。俺は君に、フォーリン・ラブ」

後ろでは志摩が右手で自分の顔を覆い立ち止まりました。九重も両手をポッケに突っ込んだまま停止。

マイ「オ〜、私もイブキ大好きよ!」と言いながら、伊吹の右腕をポンポン叩くマイ。

伊吹「あっ、えっ、あ、伝わった?好き?ラブ?」と言いながら両手でハートを宙に描きますが、「う〜ん、まあまあ?」「まあまあ」って浮かれてる伊吹。

志摩は九重を見ながら「したたかだぞ、あの女。伊吹にどうにかできるとは思えない」

九重「そこを志摩さんの力で…」

志摩「はぁ?お前までそんな」

九重「と、桔梗隊長が」そう言うと、スタスタと志摩をおいて歩き始めます。

伊吹は「ビックラブ?ビックラブ!」とか騒いでます。

警察署をでたところで「俺たちの愛車、メロンパン号〜」と両手を広げて紹介する伊吹。ずるい、かわいい。

マイ「わぁ〜かわいい」

伊吹「かわいいでしょ?」

志摩「これから警察がマイさんのボディーガードをします」

志摩さん、ちょっとゆっくりめに喋ってあげてる。

伊吹「えっ?そうなの」って、そうなの?って、そうか、まあ話聞かされてないもんね。ふふふ。

マイ「タイサオ?」

これはTai saoというベトナム語で”なぜ”って意味なのかな。

志摩「ん?タイサオ?」

マイ「どうして?」

志摩「あなたは強盗の顔を見てる。マスクはしてたけど顔を見てる。だから強盗に襲われるかもしれない」

伊吹「ちょっと無理ない?」

志摩「お前は黙ってろ」

これは、本当はマイは疑われていて、自分たちが見張ることになった、ということを伊吹が理解してるってことなのかな。

マイ「私、家帰る。条件、私、調べる?」

志摩「ライト!伊吹より、のみこみが早い」

伊吹「はぁ?」と口を尖らせてます。

マイ「オーケー!私、ノットギルティ。ノープロブレム」と明るく答えます。

伊吹「勝手に話、進めんなよ」

マイ「出発、進行!」と左手の握りこぶしを前に突き出します。

志摩「オーケー、出発進行!」

伊吹「だから、勝手に2人で話…」

ドーン!と、MIU404のロゴがかぶります。

マイの自宅付近

伊吹「マイちゃん、おやすみ」

マイ「おやすみ」と軽く会釈。

志摩は「ごくろうさまでした」というと一礼してメロンパン号へ。伊吹はマイに手を振っています。

アパートの2階のドアが開き「マイ!」と呼びかけた男性・ナム。マイはナムに手を振ります。

伊吹「志摩、志摩」

志摩「うん?」

ベトナム語で、何かを会話しているナムと、マイ。

伊吹「あれがマイちゃんの好きな男かぁ」

志摩は携帯を取り出すと、ナム達にカメラを向け「かつ、強盗候補」とパシャリ。

 

桔梗隊長の部屋

九重「チャン・スァン・マイ。ベトナムのハイ・ズォン出身の28歳です」

マイの書類には

出身地 ベトナム ハイ・ズォン
生年月日 1990/8/16
現住所 東京都本練馬区中石神井8−12−21メゾンハイツ101
学歴 日野春日本語学院 入学
ファイオー専門高等学校 卒業(ベトナム)

 

陣馬「男はグエン・ヴァン・ナム。ベン・チェ出身、22歳。同じアパートで日本語学校も同じです」

 

出身地 ベトナム ベン・チェ
生年月日 1997/5/5 22歳
現住所 東京都本練馬区中石神井8−12−21メゾンハイツ203
学歴 日野春日本語学院 入学
レクルド高等学校 卒業(ベトナム)

 

桔梗「ご苦労さま。今日はもう帰って」

九重「404はまだ張り込みですか?」

桔梗「2機捜と交代で帰らせる。今回の事件、2機捜と合同の継続捜査になった。401と404は明後日から、この2人について調べて」

日野春日本語学院

事務担当の水森「マイさん、ナムさん、2人とも欠席はなし。大変、真面目な生徒さんです」

志摩「サボる生徒も多いんですか?」

水森「そういう学校もあります。生徒が寝ていても休んでも注意をしない。定員20人のクラスに50人押し込める。……その分、学費が儲かります」

志摩「それは違法では?」

水森「はい。先月も、そういう学校が摘発されました。う、うちは違いますよ」

志摩「じゃあ水森先生はこの2人が…」

水森「あ、先生ではなく事務員です。生徒たちに、期日までに学費を支払わないと退学になるぞ、って脅す役」

伊吹「う〜ん、それはツライっすね」

志摩「じゃあ水森さんはマイさんとナムさんがお金に困ってたって話を聞いたことは?」

水森「はぁ……」

伊吹「うん?」

水森「みんな、困ってます。みんなです。余裕があるのは裕福な家の中国人くらいで、生徒の8割は留学生という名の出稼ぎ。偽装留学生です。学校も国も出稼ぎだと分かって受け入れてる。向こうの労働者の平均月収は3万円。日本で月0万円稼げば向こうの半年分。だから借金してまで日本にやってくる。ジャパニーズドリームです」

伊吹「なるほどね〜」と神妙な顔。

じーっと水森の表情を見ている志摩。

 

水森から話を聞き終えた2人。

廊下を歩きながら志摩が「気づいた?」と伊吹に尋ねます。この声が、めっちゃ優しいんですけど。

伊吹「うん、あれはダテ眼鏡だ。俺と同じで度が入ってない」

志摩「……」

 

伊吹「うん?違うの?」

違ったようです。

志摩「マイとナムは金に困っており、強盗してもおかしくないと暗に言ってた」

伊吹「うわ〜、受け取り方が意地悪〜。性格悪ぅ〜」

志摩に着信があったようです。

志摩「九重から」「なんて?」「ナムにはアリバイがあった」「うん?」「9日の深夜、弁当工場で働いてた」

伊吹「よ〜し、これでマイちゃんに強盗の共犯説消えたぁ〜」

「消えてない」「なんで?!」「他に強盗のお友達がいるかもしれない」

そうでした、志摩さんは「可能性がゼロになるまで確認はする」んでしたね。第2話で言ってました。うん。

学校が終わり、自転車で出発しようとしているマイ。

伊吹はメロンパン号から身を乗り出しながら「マイちゃん、勉強お疲れ様〜」と手を振ります。

マイ「ついてくる?いらない」

志摩「仕事なんだ。ごめん」

伊吹「ごめんねぇ。気にしなくていいからね。大丈夫、大丈夫だよ」

フンって顔して、全速力で自転車を漕いでいくどこかへ向かうマイ。

伊吹「ははは、すげぇ脚力!」

志摩「こっちはアパートじゃない」

伊吹「コンビニじゃない?」

志摩はニコニコマート石神井店の勤務シフト表を取り出し、「今日はシフト入ってない」

伊吹「えっつ?男か、男なのか」 落ち着いて運転して、伊吹さん!

シフト表を見てみると、マイはE勤(21時から6時)ばかり。昼は学校があるからかなぁ。深夜帯だと時給もいいからかもなぁ。

マイのほかに、朴さん、王さん、アレサンドロさん、という方もいらっしゃるようです。

 

定食屋の前で自転車を止めたマイ。

伊吹「メシかなぁ?」

マイは「お疲れさまです」と言って店内に入っていきます。店内にいた男性「はい、おつかれ」

エプロンをして小走りに店内へ戻ってきました。

志摩「バイトの掛け持ち」

伊吹「タフだなぁ」

志摩「コンビニだけで週27時間」

伊吹「うん?」

志摩「留学生が働いていいのは週に28時間まで」

 

バイトが終了したマイ「お先で失礼します」と店をでます。

そして次のバイト先へ。

志摩「トリプルワーーク」

第四機捜分駐所

伊吹「最後に入ったのが運送会社で朝まで荷物の仕分け。あんな生活、体壊すよ」

「403でまーす」

「行ってらっしゃい」「行ってらっしゃーい」

志摩「まあ考えてみれば上限28時間じゃ時給1000円でも月10万」

私、1ヶ月28時間と勘違いしてたんですが、週28時間なんですね。1ヶ月28時間じゃ少なすぎますしね。

伊吹「生活費と学費、日本に来るためにつくった借金100万、これ返そうと思ったら全然足りない」

九重「でもそれって日本に来る前には…」

伊吹「だから分かってないんだって。来てビックリ」

陣馬「それで、マイは?タタキには関係あるのか、ないのか」

九重「タタキ?!」

カツオのたたき??

伊吹「強盗の隠語」

志摩「分かりません。運送会社では技能実習生たちと親しげに話してました。」

このあたりで、ちらっと先週でてきたウサちゃんのあみぐるみが映りました。大切に棚に飾ってるんですね。

志摩が撮影してきた写真(マイが運送会社の人たちと話している)を確認する陣馬。

九重「もしこの人達が違法に雇われた失踪中の技能実習生だとしたら、カネに困ってそのタタキに走った可能性もある?」

おー、さすが九重くん。即座に覚えたんですね、タタキ。

志摩「そういうこと。全員の9日のアリバイを洗う」

伊吹「ピンとこなぁい」

志摩「あっ?」

伊吹「何〜か違う気がするぅ」

腕組みしながら「またお前の、ふんわり推理か」と志摩。

伊吹は浮かない顔で「きゅんとも、きゅるっともしな〜い」。

陣馬「何の話だ??」

伊吹「恋の話です!

陣馬「恋??」

伊吹「マイちゃんが好きなやつは、どの男か。ナムも、どいつも、何か違う。におわない。ウフフってない!」

九重「ウフフって何の隠語ですか?!」

志摩「こいつの話を真面目に聞くな。すっごい、すっごい殴りたい衝撃を押さえるの大変だよ」といいつつ、めっちゃ衝動押さえてる感じからの左拳で宙をパンチ!

陣馬「もう殴っていいなじゃないか?」

って、陣馬さんまで!!

志摩「いいですかね」

伊吹「いやいや大事だろ!マイちゃんが好きなやつが誰・なの・か」

うん、それ大事なの伊吹さんだけだから。

 

日本語学校

マイ「水森さん!」

水森のところへ駆け寄ると「質問!”ダイジョウブ”どういう意味?難しい日本語」

水森「僕は教師じゃない。相田先生に聞いて」

マイ「私、水森さんに聞きたい」

水森「マイさんは頑張ってるんだから勉強に集中して、悪い人とは付き合わない方がいい」

マイ「悪い人?…水森さん、9日の夜、何してた?どこ行った?」

水森「家に、いたよ」

マイは安心したように「水森さん言った。もんじゃ焼き行こう、約束!」と東京・月島B級グルメ特集の雑誌を見せます。

マイ「あ、お休みいつ?」

水森「大丈夫です」と軽く一礼して去っていきました。

マイ「ダイジョウブ?オーケー?ノー?」

伊吹から「大丈夫、大丈夫だよ」って言われたときもマイさん分かってなかったのかな??

居酒屋

店員ニック「お待たせしました」

蒲郡「あっ、塩だったな」

店員ニック「塩?タレじゃない?」

伊吹「あ、いい。大丈夫」

「大丈夫?」そういって店員が、焼き鳥の皿を下げようとすると伊吹が「オーケー、オーケー」と。

なるほど。大丈夫って今回3パターン出てきて、

伊吹がマイへの”大丈夫”は”心配ない”

水森がマイへの”大丈夫”は”ノー”

伊吹が店員への”大丈夫”は”イエス”という意味合いになる訳で。確かに、ややこしいですね。

伊吹「国際化進んでんなぁ」

蒲郡「もっともっと、10倍はいる。縫製工場、弁当工場、目につかない所に追いやられてるんだ。見える所にいるのは日本語が使えるエリート」

すでに心が痛みます。

伊吹「あっ、ガマさん、そうだ。外国人の何かで働いてるんだよね」

蒲郡「うん、市営の外国人支援センター。バディシステムっていうのに登録してる」

伊吹「バディ?」

あ、待って。待って。伊吹さん、パーカーじゃない!!さ、鎖骨見えてる!!動揺する私。

蒲郡「外国人1人につき、1人の俺みたいな退職者がついて相談役ってのかなぁ。孤立せずに生活できるように」

伊吹「へぇ〜」

蒲郡「海を越えて働きに来てくれてるんだ。大切にしないと」

伊吹「ちゃんとやってるとこは、やってんだなぁ〜」

蒲郡「何だってそうだ。まともにやろうとする人間と、抜け道探して悪さする人間がいる」

名言すぎる。

美味しそうに焼き鳥を食べてる伊吹。

蒲郡「機捜はどうだ?やってけそうか」

伊吹「余裕〜。伊吹がいないと成り立たない。伊吹がいてよかった〜って、超みんなに頼られてる?」

黙って柔和な顔のまま伊吹を見つめる蒲郡。このセリフを志摩さん聞いたら、両手で顔面覆うだろうか。

伊吹「って今のは少し、いやだいぶ?言い過ぎた?ははは」

蒲郡「相棒は?」

伊吹「相棒?相棒。う〜ん…志摩っていうんだけど、他人を信じない疑い魔神。しかも、自分のことも信じないんだって。頭は、超キレるんだけどなぁ〜。いちいちムカつく」

!!そうなんだ!!ムカついても、聞き流してるというか、さっぱり聞いてないから忘れてるのかと思ったけど、そんなことなかったのか!ごめんなさい、伊吹さん。

黙って聞いていた蒲郡「何で自分が信じられなくなったんだろうな」

伊吹「うん?」

蒲郡「他人を信じないのは刑事やってりゃ当然だ。優秀なやつほどそうなる。でも自分を信じられないとなると、そいつの軸足はどこだ?ゴム底がついてない靴で、油の上を走るようなもんだ。大丈夫なのか?そいつは」

ガマさん、なかなかに独特な例えをされるんですね。

伊吹の脳裏に蘇るのは、拳銃を自分に向けられてた時の志摩。「じゃあ撃てば?」からの銃口を自分から額へ持っていっての「いいよ、俺は」。

伊吹は自分の不安をさとられないようにか、「うん?」と誤魔化した笑いをしつつ「うん。まぁ根はいいやつなんで問題ないです」からの「生、くださ〜い」。

初めてハッキリした笑顔を浮かべる蒲郡。「相変わらずだな」「えっ?」「お前は人を信じすぎる」

「っはは、何言ってんすか、ガマさんが最初に俺を信じてくれたんでしょ。フラフラフラフラしてたのを、まっすぐ走れるようにしてくれた。だから俺は刑事になって、俺の師匠は後にも先にもガマさんだけっすよ」

まぁ、よーーく考えると、伊吹は人を信じすぎる、つまり、今はまだ優秀な刑事じゃないってことにもなるのかな。あ、伊吹さん、拗ねないで〜。

ガマさんのことは第2話にでてきましたね。

「たった一人だけ、信じてくれた人がさ。志摩ちゃんも、俺のこと信じてくれて、いいんだぜ♪」って言ってた、その一人がガマさんだったわけですね。

テレビ局

動画投稿サイト「NOW TUBE」で「ナイトクローラーチャンネル」を配信している特派員REC(レック)。

外国人労働者が失踪する理由についての動画を見せています。

REC「取材費出してくれたら、動画まるまる提供します。今追ってるのが、フェイスノートの#GOTO KONBINIってタグなんですけど、これ…」

秋本「外国人問題って視聴率取れないんだよね」

REC「やる意義はあるでしょ?」

秋本「そういうの、みんな興味ないの。テレビは、お茶の間が喜ぶ番組作るのが仕事」

REC「はあ?だからテレビは古い、って言われんだよ。もっと他がやってないことをやろう、みたいな気概はないの?」

秋本「後輩だと思って聞いてやったのに」と怒って席を立ってしまいます。

REC「い、言い過ぎました。も一回聞いて!」

 

第四機捜分駐所

カウンターにフォーを置きながら

伊吹「お待たせしました、フォーーーーーっつ」

 

陣馬「はっはっは」

志摩、冷めた目で「やると思った」

伊吹「ふ〜〜〜ん♪」満足げ。

陣馬さん半袖「何だこれ、ぺらっぺらだな〜」

伊吹「ベトナムのうどんね」

志摩すかさず「うどんは小麦粉、フォーは米粉」

この米粉のときの言い方が「こ め こ」って感じで、おかしかった。

伊吹「うわ〜細かい…」

いや、そこ、結構大きな違いだから。昔、原稿まるごと1ページ分を入力しなかった後輩が先輩に指摘されて「えー、細かいぃ!」って言ってたの思い出した。

志摩「いただきます」

伊吹「はい」

陣馬「なんだこれ、草か」

伊吹「いやいや、パクチーね。おいしいよね」

陣馬「薬草?!」

伊吹「薬草じゃない。パクチーねって」

志摩「あっ、うま」 お。気に入ったようですね伊吹お手製フォーーーーーっ。伊吹さんに胃袋掴まれちゃいましたね。

そこへ九重が戻ってきて「あ、九ちゃん、はいはい、どうぞどうぞ」

九重「糸巻さんが」

伊吹「ああっ、ちょっと待って、待って!」

陣馬、フォーの味に物足りず、醤油をドバドバかけてる模様。

陣馬「うるさいな」

伊吹「台なし!」

伊吹と陣馬たちの方向に手のひら向けつつ「こっち無視で。糸巻さん、何だって?」

もぐもぐ志摩さん。伊吹は、自分の分を食べ始めました。

九重「例のGOTOタグの最初の投稿。投稿自体は削除されてたんですけど」

志摩さん、親指で唇2回拭いましたよ、見ました?見ました?ちょ、見ました?

九重「キャッシュを見つけたって」と志摩にiPadの画面を見せます。

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Funkuan

(以下、ベトナム語なので略します)

#GOTO KONBINI
#HON NERIMA
#DAY9 3:33

 

九重「アカウントは、まだ生きてて。名前はファン・クアン。出身はホーチミンになってます」

志摩「このベトナム語は?」

九重「自動翻訳だと、うまく訳せなかったって」

志摩「署内に誰かベトナム語分かる人は…」

陣馬「うちにはいねえだろ」

伊吹「…いるよ。署内じゃないけど…聞けるよ」ドヤ顔。

ガマさんのバディを頼ることにしたようです。FAXで、先ほどのキャッシュ部分を送信しベトナム語のところに向かって矢印が引かれ「ガマさん、これなんて書いてるか聞いてくれる?」とメモが添えられています。これは、これは、綾野剛さんの直筆ですかね??

蒲郡「”理不尽には理不尽で返せ”、”俺たちには金を奪う権利がある”。ただし、俺のバディは単語が少し変だと言ってる。これを書いたの…恐らく日本人だ」

伊吹「日本人?え?日本人が書いたっていうの?」

事務所

水森はダンっと机の上に紙袋を叩きつけると「確認してください」

喜多は、ふっと笑って「まさか本当にやるとは」

水森「あんたとは早く縁を切りたかったんで」

喜多「嫌われたもんだぁ」と言いながら封筒の中身を確認します。「一千万も貸してあげたのに」

水森「これで全額返済しました。受け取りのサインを下さい」と書類を出します。

桔梗隊長の部屋

志摩「水森祥二朗、27歳。自分で起こした人材サービスの会社が倒産して負債を抱えていたようです。その後、川越の監理団体の職員になってます」

桔梗隊長が見ていた書類に書かれていたのは

氏名 水森祥二朗
生年月日 1992/4/23 27歳
住所 東京都本練馬区東石神井町3−6−2 メゾンフランツ203
勤務先 日野春日本語学院
勤務先住所 東京都本練馬区春日6−2−10
東館大学 経済学部卒業
免許 普通自動車第一種運転免許
4月 有限会社ヒューマンスタッド 設立
9月 有限会社ヒューマンスタッド (読めず!)

会社の設立と、恐らく倒産した年がわからないんですよねぇ。

志摩「簡単なベトナム語なら話せるようです」

伊吹「日本語学校の事務員になったのは、その監理団体が業務停止命令で潰れたから」

その間に、ソファへ腰掛ける志摩。今日は、ポリまるのぬいぐるみには触りませんでした。

桔梗「監理団体って技能実習生を受け入れて管理するとこだよね」

志摩「はい、水森がいた監理団体は現地の送り出し機関から違法なキックバックをもらっていた」

伊吹「1人につき30万。千人入れれば3億。金のなる木です」

事務所

喜多は、水森が手渡した書類、200万円の受領証にサインをしながら「また、うちで働きませんか?」

水森「結構です」

そういえば、ここ数話、志摩は伊吹に「結構です」言わなくなりましたね。伊吹から、今度言ったらメロンパン10個ね!って言われたから?!じゃなくて、相手が本当に嫌がってるのが分かったからですかね。

喜多は書類を取ろうとした水森より先にバーンと手のひらで書類を押さえつつ「日本語学校の給料なんて、すずめの涙でしょう」

水森は書類をひったくると「業務停止命令くらったのに、懲りませんね」

喜多「許可を受けた監理団体は、まだ4つもあります」

そう言って喜多が見たのは、向かい合った4つの事務机の上に、1つずつ置かれた固定電話機。机の上には固定電話機のみ。どうやら、架空の監理団体のようです。そういえば、事務所はガランとしていて、喜多しかいません。

喜多「これからまた海を渡って人材がやってくる。まずは100本、忙しくなる」

本?!人なのに、本???もうどこまで人の命を軽んじているのか。

喜多の前には、マッチ棒を四角く積み重ねたタワーが。

水森「ベトナムですか?」

喜多「あそこはもう情報が回って、集まりが悪い」

水森「じゃあ…どこの国?」

喜多はタバコをくわえながら「人材豊富な第三国は、まだいくらでもあります」そう言ってマッチ棒タワーに火をつけました。あっという間に燃え上がるマッチ棒タワー。炎を見ながら思い出す水森。

4話では、風俗に沈められ青池透子を水に沈んだチップで表現し。今回は、何も知らずジャパンドリームを信じる人たちをマッチ棒タワーで表現。簡単に燃える、つまり簡単に使い捨てられてしまう人たちの儚さと苦悩。火をつける側、搾取する側の、なんと非情で自分の利益だけ優先なことか。

回想〜ベトナム料理店

水森とマイが食事をしています。

マイ「ベトナムと日本、同じとこたくさん。ご飯食べる、ヌードル好き、仏教、あー…形、長い?」

水森「形?」

マイ「北と南。性格違う。少しケンカ」

水森「(少し考えて)関東と関西」

マイ歓声を上げて、「そう!ほら同じ!私達、気が合う」そういって、水森の腕を軽く叩きました。

コンビニ

マイ「私、クビ?タイサオ(どうして)?」

店長「うちの奥さんがね、不安がってしまって。止めて欲しいって」

マイ「(ベトナム語で)私、何もしてない。(日本語で)私、強盗違う!」と店長に詰め寄ります。

マイ「何もない。分かって。あっ、奥さん 私話す」

店長「ごめん!ごめん!」そういって逃げるようにバックヤードを出ていきます。

マイ「ひどい!店長に言って!」と同じバイト仲間にいいますが、1人には「私、やめろ、いわれたくない」、もう1人には「お金の場所、誰かに言った?」と。

ふと思い出すマイ。水森に「うちのオーナー、いいかげん。ダメ。売上、大金、バックヤードのチェストにポイ。危ないよ!」と言ったことがあるのでした。

この時の水森の洋服は、ベトナム料理店のときと違いますね。ふむ、マイさんとは2人きりで何度か話したことがあるんですね。

第四機捜分駐所

伊吹「継続捜査、終わりか〜」

陣馬「俺ら四機捜はな。通常業務に戻る」

伊吹「水森の野郎に手錠かけたかったなぁ〜」

志摩「水森だって証拠はまだない」

陣馬「例のネットの書き込みの情報開示請求は?」

九重「サーバーがアメリカなんで、いつ出てくるか」

陣馬「何でなの、サーバーって。サーバー。サ バッ バッ バッ」と言いながら、左手を自分の前で、右手を自分の後ろでヒラヒラさせます。

志摩「それはサバ」

陣馬「よく分かったねぇ」確かに。

九重は、まったくもうって表情で、唇をブルルってしました。

伊吹に着信があったようです。

伊吹「はい」

女性の声で「(ベトナム語で)ありえない。(日本語で)ひどいよ!みんな嘘つき!」

伊吹「マイちゃん?」

マイ「(ベトナム語で)この世界が大嫌い!この世界が大嫌い!」

伊吹「みんな嫌いだって…」

九重「えっ?分かるんですか?」

伊吹「分かんないけど、そう言ってんだよ」

ベトナム料理店

マイが苦そうにビールを飲んでいます。

伊吹「あっ、マイちゃん、マイちゃん、マイちゃん」

マイ「遅い!呼ばれたらすぐ来る!」

伊吹「ごめん」

マイ「日本の男、気が利かない、ダメ」

志摩「すいません」

伊吹「俺は、むっちゃ早いよ。特急で音速?」

マイ「お酒は?」

伊吹「ねえ、聞いてる?」うん、マイちゃん聞いてないね。

志摩は少し諭すように「俺たちは飲めないの」

伊吹「いやぁ、もう仕事終わったんだから、ちょっとぐらいいいじゃん。ねぇ〜」最後の”ねぇ〜”はもちろん、マイちゃんに向けて。

マイ「ちょっとくらいね〜」

伊吹は「ちょっと、ちょっと〜」と言いながら、マイちゃんの横に座ります。「はい、志〜摩」と自分の横のスペースを叩く伊吹。

志摩は、マイの携帯の待ち受け画面がマイと水森の2ショットであることを確認しました。そうか、志摩たちが来る直前にマイは携帯いじってたもんな。だから待ち受け画面が見えてもおかしくない、という!細やかな演出だなぁ〜。

ちなみに、この時は6月13日(木)20:36だとマイの携帯画面から分かります。

伊吹「志摩志摩」

志摩「はいはい」

2回名前呼んで、2回返事するの、めっちゃ面白いんですけど。「志摩」「はいはい」より、「志摩志摩」「はいはい」って、面白いんですけど。

仕方なく伊吹の横へ座る志摩。

お店の人が来て、「セットは1時間2千円」と言いながらグラスを志摩と伊吹に差し出します。

「あっ、どうも」と言いながらグラスを受け取る志摩。

店員「一人ずつ」

伊吹「早っ。これ水割り?」

店員「そうそう。ベトナムウィスキー」

伊吹「へぇ〜」

そんな会話の横で、志摩の表情が凍りつきます。

フラッシュバックで蘇る電球と、GLEAN GLIANというラベルが貼られたお酒の瓶、横には空のグラス。

どこかのマンションの屋上?木箱の上に、そのお酒の瓶とグラスが置いてあるようです。片方だけのサンダル。片方だけサンダルを履いて素足で地面に横たわっている人物の足。

志摩は机の上にグラスを置きます。

伊吹が「飲んじゃおうよ、乾杯〜」とマイとグラスをあわせています。

伊吹はウィスキーに手を付けず、じっとグラスを見つめる相棒に「志〜摩、ねえ」と声を懸けます。

少し呼吸が早くなっている志摩は、「俺、出るわ」というと、伊吹の耳元で「話、聞き出せ」と言って出ていきます。

伊吹「おいおい。おーい、志摩」

店の外へ出た志摩の呼吸は荒く、なんとか自分を落ち着けようとしますが、そんな自分が腹立たしいのか壁を一発キック。

 

伊吹はソファから反対側の席に座り直したようです。

マイ「日本人なぜ 外国の人 嫌い?」

伊吹「うん?俺は好きだよ。人類みな友達」

店員「友達、ね〜」

伊吹「うん、友達」表情見えなかったけど、めっちゃいい笑顔してたんだろうなぁ(妄想)

マイ「それであるなら、なぜひどい?」

伊吹「うん?」

マイ「私たち働きに来た。日本人、働く人いない。働く私たちニーズ合ってる」

伊吹「うん」

マイ「ベトナム 日本の家電たくさん。日本の会社たくさん。きれい かっこいい。みんな日本行きたい ドリーム」

このセリフ聞いているだけでも切ない。

マイ「でも日本は私たちいらない。欲しいのは 文句ない 言わない お金かからない 働くロボット」泣きながら伊吹に訴えます。

マイ「日本嫌い なりたくなかった」泣きながら、無理してお酒を飲みます。

切ない表情の伊吹。

店外

店の外にある通路で壁に持たれ、うなだれて座っている志摩。

伊吹「よっ、忠犬ハチ公」

野犬って散々言われたから、仕返しかな?ははは。

志摩ゆっくりと顔を上げながら「俺がいつ飼い犬になった」

伊吹「ふん」

志摩「お前こそ、手綱をぶっちぎって走る野犬だ」

伊吹「ベトナムで、相手を犬に例えるとめっちゃバカにしたことになる」

志摩「じゃあ言うな」

伊吹「で、もっとひどいのがカタツムリなんだって。ビビってピュッと殻に隠れる。カタツムリみたいに弱い」

志摩「カタツムリね」

伊吹「ああ〜何かもう」と言いながら志摩の横に座ります。「何つっていいか分かんなかったわ。国の罪は、俺たちの罪なのかな」

かぶせるように志摩「熱でもあるのか」

まぁ、マイちゃんにお熱ではありますね。

伊吹「俺が、ごめんねって言っても何十万ものロボットにされた人たちは救われないんだよぉ」

この最後の”よぉ”のニュアンスが最高なので、是非動画で見ていただきたいなぁ。

伊吹「みんな、どーして平気なんだろう?」

志摩「見えてないんじゃない?見えない方が楽だ。見てしまったら、世界がわずかにずれる。そのずれに気づいて逃げるか、また目をつぶるか」

伊吹「それ、志摩の話?」立ち上がった志摩の方を座ったまま見上げる伊吹。

ちょっと、怒ってますよね。マイちゃんの話からそれてるのが分かったからかな。なんだろう、自分へ志摩の過去のことを話してくれないこと、それは自分を信頼してくれてないってことへの苛立ちもあるのかな。いや、これ完全に私の感じたことなので。綾野さんが、そういう意図で演技されてなかったら、ものすごい失礼なんですが。

 

伊吹「何かに気づいて、自分が信じられなくなった?」このセリフは、すごく穏やかで優しいんですよね。

そして、また志摩のなかで起こるフラッシュバック。

何も言わない志摩の耳元に突如聞こえる「ワン」「近っ!やめろ、近づくな!」と、あまりにも伊吹が自分の近くにいたもんだから驚いて後ずさる志摩。

伊吹は音もなく立ち上がったようです。というか、それに気づかないほど過去に気を取られていたというか。

伊吹「俺はバディとして相棒の(くんくん)何か(くんくん)不審な(くん)においを」

志摩「何?」伊吹を両腕で押し戻しながら「嗅ぐな、勝手に嗅ぎ取るな!」

伊吹「え?」

志摩「俺の話はいいんだ。今マイちゃんと水森の話をしてるんだよ」

伊吹「ふ〜〜ん」(やっぱり、自分の話してたのか、っていう感じでしょうか)

志摩「マイちゃんが好きなのが水森なら、やっぱり犯人は水森かもしれない。彼女なら口を割らないと考えた」

伊吹「マイちゃんの気持ちを利用して強盗したんだったら、相〜当なクズだなぁ」って、この時の表情!

志摩「クズなんだろ」速攻認定!

伊吹「え?クズ??クズなのか、マイちゃんが惚れた男はクズなのかぁ?」

複雑な心境に、身を捩る伊吹。マイちゃんを幸せにして欲しいのに、マイちゃんが惚れた相手がクズだったら、マイちゃん可愛そうだし、辛い、ってことかな。

 

志摩「水森は近隣でコンビニ強盗が起きたことを知って模倣を思いついた。同時多発的に強盗が入れば目立たない。だからSNSに強盗を誘引する書き込みをした」

伊吹「超ウルトラハイパー意地悪な推理」

志摩「お前と違って、俺は刑事に向いてるんだ」

伊吹「ふん、警察の犬め!」

志摩「ポリまるくんに失礼」先週、伊吹隊長の部屋でポリまるくん振り回してた(いや、そんなに激しくはないけど)けどね。ポリまる自身も楽しかった、って言ってるし。

 

 

志摩「このカタツムリ!」

伊吹「俺、カタツムリじゃねえよ!」って言いながら、片足で苛立たしげに床を蹴ります。

伊吹「俺、足速いもん」 もん、って。可愛いか。

志摩「知ってるよ」 くーーー、認めてる。優しげな顔で「知ってるよ(冗談だよ)」ってことですよね、くーーー。小学生みたいなやり取りするバディで可愛いよなぁ。

 

伊吹「まあでもさ、もし志摩の言うとおりだったら、水森殴っていい?♪」お願いするように志摩の方を振り返ります。

志摩「殴るな、逮捕しろ」

伊吹「だってぇ、マイちゃんコンビニ、クビになって学費払えないかもしんないんだぞぉ。そしたら退学、退学したら強制送還。帰っても月収3万じゃ100万円の借金は返せない。向こうの家と畑は抵当に入れてるから、一家離散。バラバラ〜」

藍ちゃん、よく言えましたねぇ、よく言えましたねぇ、よくお口回りましたねぇ〜、わしゃわしゃ(髪の毛を撫でる音)

志摩「無理ゲーだな。ゲーム設計したやつの顔がみたい」

伊吹、振り返って唇を突き出しつつ「志摩ちゃぁ〜ん」「あっ?」「何とかして〜」「丸投げか!」「じゃあ水森殴っていい?」「ダメ!俺を脅すな」「だってぇ、じゃあもうどうすんだよ、もおーー」

志摩「もう継続捜査は終わったの」

伊吹「冷たい!」

これ、第1話のときの流れを思い出す……

志摩「次の当番勤務は2機捜のヘルプ」

45度だけ志摩の方へ振り向く伊吹。まだ、口は”への字”のまま。

志摩「本練馬署管内。日本語学校からも近い」

完全に志摩の方へ振り向く伊吹。

志摩「まぁちょっと立ち寄るくらいなら問題ない」

口を”逆への字”にして、近寄ってくる伊吹「志摩ちゃん?」

志摩「何だ?」

伊吹「ウェ〜イ!」

志摩「なつくな、なつくな!」

いやねぇ、もう嬉しいくせに。

志摩さんのスタンスは第1話にでてきた、ルールの中でルールを破る、じゃなかった、ルールは守るためにあるけど、そのルール内で自分たちができることを精一杯やる、ですもんね。

 

 

 

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もう野犬&忠犬ハチ公にしか見えなくなってる私。どちらも優秀。よーしよしよし(ムツゴロウさん風にわしゃわしゃしたい)

日野春日本語学院

水森が廊下を歩いていると「どうも〜」と手を振りながら志摩が現れました。なんだろう、ちょっと、伊吹チックで可愛かった。

水森「まだ強盗の捜査を?」

志摩は水森に近寄りながら「あのね…マイさんが逮捕されそうなんでご報告に来ました」

驚いた顔をして「逮捕」という水森に「素で驚いてる。心配ですか?」

「それは、生徒ですから」「でも何百人もいる生徒の中の一人に、事務の方がそこまで…」という志摩の言葉を遮って「なぜ…(少し周囲を見渡して)彼女が逮捕されるんですか?」

志摩は両腕を組んで「彼女ね…強盗とベトナム語で話してたんです。防犯カメラの映像の口元を見てみたら”タイサオ”、どうして?って」

無言で何度か頷く水森。

「このままじゃ彼女の共犯の容疑は晴れません。彼女は、何にもしてないのに。理不尽だ

水森と志摩は誰もいない教室へと歩いて来ました。

志摩「あの〜1つ聞いていいですか?理不尽をベトナム語で言うと?」

水森「私は、教師ではないので」

志摩「でも前職は監理団体でベトナム語を使ってた」

水森「少しだけです、我流で」

志摩「我流。あ〜、あ〜、だからか、我流だからか」

ん?

志摩「単語1つ余計でしたよ」

恐る恐る志摩の顔を見る水森。

志摩「理不尽をあえて訳すなら”バット・コン”、不公平。だけど、(フェイスノートに)書き込まれたのは”バット・コン・ビン”。”ビン”が余計でした。まぁ、意味は通じるけど、現地の人なら付けない」

明らかに動揺している水森。

そういうと携帯電話の画面を見せ「この投稿、水森さんのですよね?お話聞かせていただけますか」

水森は即座に「応じません。任意ですよね?」

そして逃げるかのようにあるきだしますが、志摩に話しかけられ足を止めます。

志摩「理不尽には理不尽で返せ。俺たちには金を奪う権利がある。その呼びかけに乗せられた19人とマイさんを犠牲に、あなたは見事逃げおおせた。理不尽ですよね?」

見事な追い込み。

水森は志摩に背を向けたまま「理不尽というのなら、この国で起きていることこそが理不尽です。移民を受け入れないと言っておきながら、実習生や留学生という名目で何十万人も働かせてる。こんな小さな島国で、世界で4番めの多さです。なぜか分かりますか?」

そして志摩の方へ振り向き「朝5時の店頭に弁当を並べるため。毎朝新聞を届けるため。便利な生活を安く手に入れるため。今さら、どうして僕一人がこんな罪悪感を抱かなきゃならない。文句があるなら国に向かって(言ってください)」

うるせえ!

驚いた顔をして黙る水森。

志摩「俺は今、何十万人の話はしてない。マイさんっていう一人の、人間の話をしてる。日本に憧れてやってきた一人の、たった1回の、人生の話」

 

メロンパン号

伊吹が自分のサングラスを空にかかげながら、小さくため息をついてます。

そこへ志摩が「大人しく待ってたな」と言いながらメロンパン号に乗り込んできました。

サングラスをかけながら「待てって言われたから志摩ちゃんのお手並みを信じてみたんだけどっ、任意同行できなかったのかよっ」

なるほど、全部イヤホン越しに聞いていたのかな?それで、ため息をついていたわけか。

志摩「できなかったが、あれはクロだ」

伊吹「自首、すると思う?」

志摩「しなかったら証拠を見つけて逮捕するまでっ」逮捕するまでっ!が、テンポ早くなってましたね。

伊吹「だな、よしっ!」

前の伊吹なら、志摩と水森が話してるところへ入ってきて、水森の首元ひっつかんでてもおかしくなかったかもしれないけれど。「志摩ちゃんのお手並みを信じて」待ってたのもすごいし、信じて待っててくれたのに任意同行できなかった、ってちょっと伊吹に対して申し訳なく思ってるのかな、どうかな。

日野春日本語学院

夜になり、一人事務室で考え事をしている水森。

あのコンビニ強盗があった日…

マイ「お金とるの 悪いことでしょ?」

強盗(水森)は、一生懸命かばんにお金を入れています。

マイ「タイサオ?(どうして)タイサオ?」

水森はベトナム語で「はじめから、こういう人間だ」とマイは言ったようです。

 

「はじめから、こういう人間だ……はじめから」とつぶやく水森。

昼に聞いた志摩の言葉が蘇ります。

「このままじゃ、彼女の共犯の容疑は晴れません。彼女は何にもしてないのに、理不尽だ」

マイの嬉しそうな顔もよぎります。

決心したように、携帯を手に取る水森。

 

第一機捜・スパイダー班

スパイダー班の糸巻班長に、超接近して話している志摩。さっき、伊吹に「近っ」っていったぐらいの近さです。

「情報開示請求を待たずに、何か分かりませんかねぇ」「うううううーん」

また寝てたところを起こされたのか、首元にはアイマスク、今日は真っ黄色のTシャツですね。

伊吹が「水森を逮捕する証拠。ねぇ、何かピュッとパッとハッキングして!」

うううう〜と言いながら、首を振る糸巻班長。

糸巻「できませんって」

伊吹「もぉおお、カタツムリ!」

糸巻「そうそう、湿気が大好き」

湿気が大好きって言いながら、右手の人差し指と中指でカタツムリの角を表現する糸巻さん。

からの、机を叩いて立ち上がり「こらー!私はクモですっ!スパイダー!ここは譲れない」

見事なノリツッコミ!!そして、糸巻の勢いに思わず引いてしまう志摩と伊吹。

志摩「謝ったほうがいいよ」

伊吹「ごめん」

糸巻さん、「スパイダー!」って言いながら、両手を広げてました。ふむふむ、糸巻さんスパイダーマン的な糸をだしましたね、あはは。あ、待って。だから、糸巻って名前なの?!クモの糸つながりで??と今さら思う私。

そこに、何かパソコンから音がして「あっ!新規の投稿。ファン・クアンです」という糸巻。

#GOTO KONBINI
#HON NERIMA
#TODAY 3:00

伊吹「水森、また強盗集める気か?」

志摩「今日の3時!」

伊吹「あと1時間!」

志摩「マジか」

飛び出していく志摩と伊吹。

 

このシーンで志摩さんの腕時計がアップになり、

これですかねぇ、これっぽく見えました。ロンジンのマスターコレクション クロノグラフ トリプルカレンダー ムーンフェイズ。

地下駐車場

伊吹「何考えてんだよ、やるなら一人でやれっつうの!」メロンパン号へ向かって走っています。

志摩「自首するでも逃げるでもなく、やけになってぶち壊すタイプだった!」って、走りながら分析してる。

伊吹「あの野郎、ぜってえ逮捕してやる」

志摩「機捜404から2機捜あて。フェイスノートにコンビニ強盗を誘引する書き込みを発見。場所は本練馬。深夜3時の予告。芝浦署から向かいます」

第四機捜分駐所

陣馬は靴をはきながら「今度は何人の強盗が集まるか」というと、「どうでしょう。今回はタグが拡散されていない」と答える九重。

「ん?その拡散ってのが分かんねえんだよなぁ。タグ?タグか?」という陣馬に、「あとでいいですか、今ちょっと考えてるんで」って制しちゃう九重。

陣馬さんの知ってるタグっていったら、洋服についてるタグですかね。ふふふ。

現代用語、特にSNS系、機械系に疎いお父さんと、めっぽう強い子供みたい。ぐふふ。九重は黙って、コーヒーをカップに入れています。なるほど、仮眠をとっていたところ起こされたわけですね。

あれ、九ちゃん、珍しく臙脂色(え、今はバーガンディ?)のネクタイですね。いつもは右上がりのネクタイが多いのに。ほー。

右上がりって、デザイン的に綺麗に見えるかららしいんですけど。九ちゃんの場合だと、あれですよね、上昇志向っぽい感じに見えますよね。それが、ほー。

九重「今回は3時。前回は9が付く日の3時33分」

ふと陣馬が「333…ビールであるな」と言うと、陣馬の方へ振り返えり「ビール?」と聞く九重。

陣馬「3並びの。知りたいか?なぁ、教えてやろうか!」ここぞ、俺のターン的に嬉しそうな、九重も知らないことあるんだよな、はっはっは、みたいな顔をしますが「検索したからいいです」って、めっちゃ入力早いね九ちゃん。

333ビールと検索すると、原産国:ベトナムというビールがヒットしました。

タイプはピルスナー、容量は355ml(さすがに333mlではないですね)、アルコール度数は5%。

説明文には、

 

ベトナムのビール「333」。国内シェア80%を超を誇る国民的ビールです。フランスの醸造技術を導入されて作られたとされています。フランスといえばワインですが、ビールもよく飲まれており人気があります。

味はさっぱりとしたピルスナーで、風味やコク、味わいは軽いのですがその分どんどん飲めてしまう飲みやすい(あとは読めず)

泡立ちが非常に良く、ほのかなスパイシーさが東南アジアの料理にとてもマッチします。観光客もベトナム料理と共に注文する人が多く、世界中から人気を博しています。

現在ではベトナムだけでなく、アメリカ、オーストラリア、フランスなどでも発売されています。

ちなみに「333」という名前についてですが、

 

 

調べてみたら、本当に「333」というビールがあるんですね!

さすがに、ドラマ内のビールはデザインが違いましたが。

ちなみにメーカーの説明には

「幸運を呼ぶビール」333*バーバーバー

泡立ちがよく、すっきりとした味わい。スパイシーな料理にもすごく合います。

ベトナムで国内シェア70%を超える、柔らかな味わいのバーバーバー。今、大人気のベトナム料理店などで飲まれる機会が増えており、女性を中心に人気です。ベトナム人にとって9は最高位の数字であり、333は三つの数字を足すと 9 になることから「幸運を呼ぶビール」と呼ばれています。

ベトナムでは3を”バー”というそうで。なので、”バーバーバー”。

 

メロンパン号

九重は志摩へ電話をして「志摩さん、数字です」と伝えます。「えっ、何、数字?」

九重「ベトナムでは9がラッキーナンバーなんです。333は足すと9だから、これもラッキー。前回、9日の3時33分だったのは超ラッキーな験担ぎなんです。でも単独の3はベトナムでは不吉な数字。今日の書き込みは、暗に”来るな”って言ってるんですよ」

そして突然立ち上がり「隠語みたいなもんたい!水森は強盗を集める気はなかとですよ!」

後ろで唖然としている陣馬。九重の博多弁にビックリ。

志摩に伝えると電話を切り、椅子に座って両腕を組むと「やったばい」と一言。

見守るだけの陣馬。やったばい、にちょっと頷いてあげてました。

 

メロンパン号

伊吹「…なまってたね」

志摩「…なまってたなぁ」

博多弁が出てしまうほど、夢中で伝えてきた九重の情熱に押された感じ。

伊吹「うーん、強盗を集める気がないって何で…」

伊吹と志摩は同時に「あっ!」「あっ!」

背筋ピーンとなって伊吹「俺たちに」志摩「見せるためだ!」いいなぁ、バディ。

伊吹「行き先は?」

志摩「マイちゃんの店!」志摩も興奮して、思わずマイちゃんって言ってるし。

伊吹「オッケーオッケーオッケー」

志摩「待て待て待て、まだヨシを言ってない」

伊吹「え、何で、何で、何で??」

志摩は「あーっ、この車めんどくせえなぁ」と言いながらパトランプをつけるのでした。メロンパン号は車高が高いから、いちいち立ち上がってランプつけなきゃいけないからですね。

志摩「緊急車両通ります!緊急車両、緊急車両、通ります!」

ニコニコマート 石神井店

覆面をした強盗・水森がニコニコマートへと入っていきます。

「金だせ!ころすぞ!」と言いながら、包丁を店員に向けるのです。

レジから金を奪い、袋へ入れていく水森。

そこにメロンパン号到着。

志摩「いた!もう始めてる」

伊吹「まだ5分前だろ!フライングすんじゃねえよ」ふはは

コンビニを出た水森は、一目散で逃げていきます。

追いかけようとする志摩の前を車が横切りました。危ない、危ない。志摩はメロンパン号へ戻り「機捜404から2機捜あて。ニコニコマート石神井点で強盗事案発生。犯人は駅方面へ逃走!」と無線で連絡。

その間に、伊吹が水森を追っています。

「駅に向かってる」と志摩に連絡する伊吹。「了解」と、後を追う志摩。

 

走りながら水森が思い出していたのは、マイと見た紫陽花。

マイ「デップ クァ!すごいね、日本すごい」そう言いながら、紫陽花の花を携帯で写真に撮っています。

「水森さーん!」といいながら水森にカメラを向けますが、水森はうつむきます。「何?何、悲しい?」と聞くマイ。

「これまで、沢山の人を日本に入れてきた、300人、400人、500人の人材」

マイ「ジンザイ?」

水森「マイさんといると、あの人達、一人ひとりのことを考えてしまう」

マイ「水森さん。日本初めて親切くれた。優しい。あぁ、好きだよ。ラブ。大好き!」

水森「そんないい人間じゃない。卑怯で弱い、カタツムリだ」そして、力なく歩き始めます。

マイ「水森さん?どうした?水森さん?」

泣いている水森。

 

「どけ!」と言いながら通行人を突き飛ばして走る水森。

「捕まりたいのか、逃げたいのか、どっちだよ!」と言いつつ走る伊吹。

広場のようなところで足を止めると、通行人が「外国人?」と言うと、かばんを捨て、覆面をとり、包丁をかざしながら「日本人だ!強盗をした俺は日本人だ!」

「水森、やめろ!」「外国人は、この国にくるな!」と絶叫する水森。

マイはバイトの帰りでしょうか、自転車で広場にきて「水森さん?」

水森はベトナム語で「外国人は、この国に来るな。外国人は、この国に来るな」と叫びます。

たまたま通りかかったナウチューバーのRECは、さっそくカメラを回し始めます。すごい嬉しそうな顔で。

「この国に来るな。ここはあなたを人間扱いしない。一山いくらで買って、いらなくなれば帰れという、捨てられる!」日本語とベトナム語で同じことを繰り返し叫びながら警察官に取り押さえられる水森。

「ジャパニーズ・ドリームは全部ウソだ!」

「水森さん」と言って水森の元へ駆け寄ろうとするマイに「来るな!」と叫ぶ水森。「共犯だと思われる」とマイを抱きとめる伊吹。

「やだ!水森さん!」と泣き叫ぶマイ。「マイちゃん!」と声をかける伊吹。黙って、その様子を見ている志摩。

何度も水森の名前を呼ぶマイと、来るなと叫ぶ水森。切なそうに抱きとめる伊吹。

そして流れ始める『感電』

紫陽花

マイ「見て、きれい。ねっ、きれいね」

そう言われて、顔を上げる水森。目の前から光が燦々と紫陽花、そして自分たちを照らすのでした。

 

そう、水森だって、はじめからそうだったわけじゃなくて。本当は、来てくれる人たちを大切にする人材サービスの会社をはじめたんじゃないだろうか。ちゃんと対価を支払う、まっとうな人材サービスの会社。外国の人を対象にした人材サービスなのか、までは分からないけれど。

けれど、安くて大量に人を入れることができる団体とは競争にならず倒産してしまったのかなぁ。借金を背負い、生活と借金返済のためにやむなく日本語学校の事務員として働き。

なぜ、自分がこんな目にあうのだ、自分だけが罪悪感を抱かなくてはいけないのか、だったら自分だって利用してやる、みたいになってしまって。マイが自分に好意を寄せてくれてることを知ってて利用して。

でも、志摩と伊吹のおかげ、自分のやってることにちゃんと気づけて。マイへの謝罪というか、償いというか、せめて彼女の無罪を証明して捕まりたい、ということだったのかな。

隊長室

毎朝新聞の見出しには”全国の監理団体の闇を告発”。4団体の業務停止命令。明るみになった裏契約。

訴えた悲痛な叫び。コンビニ強盗男、深夜の逃走劇。訴えた日本社会の闇、といった見出しも。

桔梗「この監理団体、バックにいたの永田町方面だって」

陣馬「そりゃ、こうでもしねえと潰せねえか」

桔梗「マメジ(我孫子豆治、桔梗たちの上司)、自分の手柄みたいに喜んでんの」

あ、桔梗さんスカートですね。

陣馬「うちが勝手なことしてるって言ってるやつもいる」

桔梗「404だって、たまたま居合わせただけで」うん、まぁ、糸巻さんせっついてて、たまたま、ですよね。

陣馬「桔梗が4機捜つくったのは好き放題やるためだったんじゃねえかってな」

桔梗「はぁ?なにそれ、しょうもなっ」と笑いつつも、窓に向かって歩き出す時は怒ってますよね。

陣馬さん、そういえば第4話のときも桔梗本人が乗り出そうとしたら、慌てて自分(と九重)が行く、って止めてましたしねぇ。あちこちから聞こえてくるんでしょうねぇ。

陣馬「気をつけろよ。女の隊長を面白く思っていないやつは、いまだに多い」足を引っ張ってくる人たちが、これから出てくるのかなぁ。

桔梗「何を恐れてんだろうね、ただここにいて働いているだけなのに」

桔梗さん、ここまで来るのも大変だったんだろうに。でもまだ戦わなきゃいけない相手が警察内部にいるって、なんか、もったいないなぁ。フィクションなんですけど。ですけども、人の能力を性別や、年齢や、国籍や、もうあらゆる差別、区別で潰そうとするの。本当にもったいないし、失礼だと思う。

 

この映画でも、つくづくそう思いました。

 

芝浦警察署前

警察署のなかで、もんじゃ焼きを食べてもらうわけには行かないので。フライパンで作ったもんじゃ焼きを、警察署前にある駐車場に小さな机を出してマイちゃんへ振る舞うようです。

伊吹「はーい 、もんじゃ焼き!」といいながら伊吹がフライパンの蓋を取りました。

マイ「もんじゃ?これ??」

伊吹「おいしいよ〜」といいながら、左手の人差し指を自分のほっぺたにあてる伊吹さん可愛くて反則。

伊吹さん、今まで、”機捜うどん”づくりに関わってるシーンなかったけど、今回のフォーといい、もんじゃといい、料理できるんだ!!!

公式ホームページで、”伊吹の見どころ”について聞かれた綾野さんが

毎回新しい発見をしてもらいたいので、情報は出さないようにしたいんです。

って答えてらしたけど、本当に毎回新しくて、楽しくて、今後もどんな設定がでてくるのか楽しみです!

 

マイ「食べ物?」とこわごわ聞くマイに「うん、食べ物だよ」といいつつ、もんじゃ用ヘラを渡す伊吹。

そんな2人のやりとりを黙って見ていた志摩は、思わず下を向いて笑っています。そのときの星野さん、じゃなかった、志摩めっちゃ可愛いんですよね。そして「特定技能1号、受けてるんだって?」とマイに聞きます。

マイ「うん!」

伊吹「とくていぎのういちごう?」

志摩「新しい制度。雇用先との直接契約で日本人と同程度の給料が義務付けられてる」

伊吹「へえ〜〜」さすが志摩ちゃん!って思ってそう。

マイ「決まったら、沖縄のホテルで働く。フルタイム、オッケー!今度は、たぶん…ダイジョウブ!」

笑顔で見守る伊吹。マイちゃん、ダイジョウブの意味と使い方をマスターしたようです。

そして、もんじゃを一口食べると「う〜ん、おいしい!」というマイ。

「おいし〜!」と、今度は左手でCの字を作る伊吹、ほらみろ、マイちゃん喜んでる!と言わんばかりに志摩に向かっても”おいC”ポーズ作って、志摩呆れ顔。

「おいしいね、これ」とマイちゃん もんじゃ焼き気に入ったようです。「おいしいでしょ?」と嬉しそうな伊吹の声。

もんじゃを食べ終わり帰ろうとするマイ。少し歩いたところで振り返り、両手を大きく振って「バイバーイ!」。伊吹も左手にフライパンの蓋持ったまま右手で手を振り「マイちゃん、気をつけてね。バイバーイ。はーい」

あ、今回志摩さんは振らないのね。小学生にはふってたけど。

走っていくマイの後ろ姿を見ながら「これから会う人、みんないい人だといいな」という伊吹に「そう、うまくいくかよ」という志摩。

分かる。伊吹の気持ちもわかるし、志摩の気持ちも分かる。「大丈夫だよ、これからは」って簡単には言えないし。

「でた、冷た〜い」「水森は…」「うん?」「少しは楽になったのかな?」

志摩を見つめる伊吹。

「罪を叫んで裁かれることで。気づいてしまって、ずれた世界をダテ眼鏡でごまかして……ごまかしきれなくなったんだろうな、きっと」

「むじいなぁぁ〜、もっと分かりやすく言えよ」と伊吹に言われた直後、「伊吹はさ、何でダテ眼鏡かけてんの?」と聞く志摩(うん、たしかに分かりやすいけど)

「えっ?かっこいいから」(やれやれ、って顔をする志摩。そんな理由だろうと思ったよ、みたいな感じですかね)

「超かっこよくない?てか、これサングラスね」

「かっこいい、かっこいい」

「2回言うな、心を込めて言えぇ〜」

「行くぞ、はい、もう昼休みは終わり」

そして、さっさと署に戻ってしまう志摩の背中を見つめる伊吹。脳裏に蘇るのはガマさんの、「大丈夫なのか?そいつは。お前は人を信じすぎる」という言葉。

伊吹が署へ戻ろうとすると、ちょうど出入り口で2人の刑事とすれ違います。

年配の男性・刈谷「今の志摩?」

田島「でしたねぇ」

先に帰った志摩と、刈谷&田島コンビはすれ違っていたのです。

田島「今、機捜なんですよ」

刈谷「よく戻れたな、相棒殺しが」と憎々しげに言って出掛けていきます。

「相棒殺し?」とつぶやく伊吹。1人、エレベーターに乗り込む志摩の後ろ姿。

 

RECの部屋

水森が警察に取り押さえられている映像に、「この犯人の供述で、複数の管理団体が業務停止命令を受けました。ここでRECザチェック!」というナレーションが流れています。

RECは、誰かと電話をしています。

「ええ?テレビで俺の動画を使いたい?マジで?……今さら売らないよ〜ん」

なるほど、先日怒らせてしまったテレビ局勤務の先輩から電話がかかってきたようですね。

第1話で「視聴者の登録数23人、いわゆる底辺NOWチューバー」と九重くんに称されたRECですが、今や登録数1.3万人!この動画の再生回数101,121回!!

「フォロワー、一気にきたな〜」

つぶったーのフォロワーも5,012人だそうで。

満足げなRECのもとへ、1通のメールが届きました。

開封すると、

「はじめまして 突然すいません」
「成川岳といいます」
「助けてください。あなたの力が必要です」

成川くん!第3話で失踪し、謎の男とであった高校3年生の元陸上部の成川くん!!

RECの目が大きく見開かれます。どうやら、心当たりがあるようです。成川くんと、その仲間たちが起こした事件もナイトクローラーチャンネルで取り上げてましたものね。

 

志摩と伊吹が交互に画面に映り、閉まっていくエスカレーターのドアに消えていく志摩の顔。

 

もう、最後の最後まで、ぎゅうぎゅうに、ぎゅうぎゅううに詰まった展開。そして、第6話では志摩の過去に迫るらしき予告。もう、これは絶対見逃せないし、録画予約を何度も確認しないと!!

 

第5話の台本の色

第5話の感想

少しの切なさと、少しの希望

脚本家の野木亜紀子さんが、公式ホームページの”はじめに”で書いてらっしゃる言葉。

しょうもないやりとりに笑いながら、少しの切なさと、少しの希望を持ち帰っていただければと思います。

もう、毎回、毎回、本当にこの言葉通りだな、としみじみ思います。

小学生のような他愛ない、でも軽妙なやりとりと。初めは、どこから取っ組み合っていいのか分からなかった伊吹さんと志摩さんの関係性も、機捜メンバーたちとの関係性も、相手の出方が少し見えてきて少し分かってきて、冗談を言える間柄になってきた。でも志摩さんの過去は”相棒殺し”というワードしかでてこない。

対する伊吹さんは、自分がタイガーマスク現象のときに自分もランドセルを施設に送ったこと(第4話)、自分を信頼してくれる人が過去にいて自分は立ち直れたこと(第3話)、実家の近くのコンビニは店員さんがいろんな話をしてくること(今回)、などなど自分の話をしてるんですよね。

切なさは伊吹さんも志摩さんも抱いてるんですが、”希望”という点は現時点では伊吹さんが担当かな、というのが個人的なイメージ。今回だと、マイちゃんが今後出会う人達が良い人だといいな、という伊吹さん。そういう訳にはいかないだろう、と現実的なことをいう志摩さん。どうしても、現実という世間を冷静に受け止めてしまう志摩さん。

でも、自分のことを果たして冷静に受けて止めているのか?といえば、自分のことも信用してないし、志摩さんの中では”世界がずれてる”ことがキーワードになっていることが分かったような今回。

果たして次回、伊吹さんは志摩さんの”ずれ”を正してあげることができるのでしょうか。

各話のタイトル

そして、毎回、毎回、毎回、タイトルの絶妙さ。

今回であれば「夢の島」。

夢の島、といえば私は”ゴミの埋立地”というイメージのほうが強く。だから、今回は夢の島=ジャパニーズドリームの意味だったのか、と思ったのですが。

でも、最後まで見ると残念ながら”埋立地”という意味合いもあるのではないかと感じて仕方ありませんでした。

日本に夢を抱いてやってきた人々が、日本人の”便利な生活を安く”提供するため機械のように扱われ、労働力だけを当てにされる。そして絶望、理不尽さ、怒り、様々な負の感情に埋もれていく、日本の都合に合わないのであれば使い捨てられていく。そういう人々も間違いなくいるのだ、という。全員じゃないとしても。

マイ役を演じたフォンチーさんの文章からも、色々と考えてしまいました。

 

眼鏡&大丈夫&理不尽

伊吹さんの眼鏡は、実はダテ眼鏡だったんですね。運転のときにしてることが多いので、度が入ってるのかと思ったのですが。運転免許証にも「眼鏡等」って書いてあるのかと。

でも、事務所内では眼鏡を外してることも多いから、そんなに目は悪くないのかな、とか思っていたのですが、ですが。かっこいいからか、なるほど。

水森は、自分自身をごまかすためにダテ眼鏡をかけ。伊吹さんは、カッコいいから。ダテ眼鏡をかけるのにも、いろんな理由がありますね。それにしても、伊吹さんが水森のダテ眼鏡を見抜くのは早かった!さすが!

 

そして、改めて日本語の”大丈夫”のバリエーションの豊富さに驚きました。私自身、”大丈夫”は、OKとかNOの意味で極力使わないようにしているので、そういえば、こういう使い方もあるんだった、と。あー、これは第3話の桔梗隊長のセリフにも通じることでしょうか。

「日本語の表現は柔らかくて美しい。だけど、重大な問題までオブラートで包み隠してしまう」

取り上げてる内容が違うので、完全に一致ではありませんが。相手を気遣うつもりで使った言葉が、結局相手を混乱させてしまうこともあるなぁ。OKなのかNOなのか相手に伝わらないというのは、ねぇ。

 

今回、よく出てきた”理不尽”。

国が立場の弱い人達を追い詰める”理不尽”。自分だけ”理不尽”だから、別の人に罪をなすって自分を救おうとする”理不尽”。

志摩さんの言う通り、水森は少しは楽になれたのでしょうか。ただ、あの監理団体を潰せたのは少しは一矢報いることが出来たと思うのでは。でも、悪いことする人たちはお金のためなら悪知恵を働かせ、新しい仕組みを考え出しそうな気もするし…。

ドラマの残り数分で、これでもかと出てくる”理不尽”もありました。

女性の隊長だから、と足を引っ張られそうになる”理不尽”。

陸上部の先輩たちが薬物を売っていたのに、連帯責任だからと廃部にされてしまう”理不尽”。

果たして、それぞれどうやって”理不尽”と向き合っていくのか。成川くんの出方が心配でもあります。

 

 

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うさかめ
私が実際に見たり、行ったり、食べたりして良かった!おすすめしたい!というものを紹介していくブログです。

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