邦画ドラマ

ドラマ『BORDER』第9話「越境」のネタバレ感想

小栗旬さん主演のドラマ『BORDER 警視庁捜査一課殺人犯捜査第4係 』。

本編は今回で最終回。さて、どんな悪と対峙するのでしょう?

 

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スピンオフドラマ『BORDER 衝動〜検視官・比嘉ミカ〜』後篇のネタバレ感想

 

 

登場人物

役 名 俳優名 役 柄
石川 安吾 小栗 旬 警視庁捜査一課の刑事。ある事件の調査中に銃で撃たれ、脳内に弾丸が残っている。そのことがきっかけで、死者の姿が見え会話ができるようになる。
市倉 卓司 遠藤 憲一 石川と立花の上司。
立花 雄馬 青木 崇高 石川のことをライバル視している同僚。ただ最近は石川を相当信用している様子?
比嘉 ミカ 波瑠 警視庁刑事部 特別検視官。検視官のダサいジャンパーを着るぐらいなら辞める、と公言。検死だけでなく、現場の状況も見て推理もする異色な検視官。
赤井 古田 新太 市倉専属の情報屋。表向きはバーの経営者?サイモンとガーファンクルを石川に紹介する。
サイモン 浜野 謙太 ガーファンクルと一緒にハッカーをしている。
ガーファンクル 野間口 徹 サイモンと一緒にハッカーをしている。
スズキ 滝藤 賢一 裏社会の便利屋。
安藤 周夫 大森 南朋 スター玩具社の社員。
天川 弘志 安藤に誘拐される。8歳。

 

小説とマンガ版もあるそうです

小説版も面白かったです!

ドラマ『BORDER』の小説版を読んでみました

 

第9話「越境」のネタバレあらすじ

ショッピングモールから少年が誘拐される。

少年はショッピングモールから40キロほど離れた公園のベンチに寝かされていた。

死因は首を絞められたこと、手際の良さから医学的知識が相当ある人物だと思われた。またショッピングモールから駐車場まで、少年を防犯カメラに映らないように移動させた手口といい、公園のベンチ付近には防犯カメラがないことといい、かなり周到に準備された計画的な犯行だということが分かる。

少年は、常々母親から知らない人についていってはいけないと言われていたのにと石川の前でしょげる。また、犯人もいい人に見えた、と。石川は悪いのは犯人で少年ではないと慰める。

少年の胸部にはAという文字が唾液で書かれていたが、非分泌型のため血液型やDNAは検出できず。少年の体からは犯人につながる汗や皮脂といったものも一切見つからず、ここでも犯人が証拠を残さないよう細心の注意を払ったことが判明。

石川はサイモン&ガーファンクルに頼んでショッピングモールに出入りするおもちゃ問屋を探ってもらい、スター玩具社に勤務する安藤という人物が犯行当日に現場に居たことを知る。

石川は安藤の勤務先へ行くが、2日前に退職したと告げられる。しかし安藤が使っていたコーヒーカップを入手することが出来たのでミカに鑑定を頼むと、安藤も非分泌型ということが判明する。

ただミカは非分泌型は人口の1/3も存在すること、先走らないように、と石川に警告する。

どんな手を使っても安藤を逮捕したい石川。便利屋スズキに少年の毛髪を託し、安藤の自宅に隠すよう依頼する。

そして自ら壁に額をうちつけ、安藤に襲われたと嘘をでっちあげて公務執行妨害で安藤を逮捕すると家宅捜索の令状がおりるところまでもっていく石川。

しかし少年の遺留物はおろか、誰の髪の毛も出てこなかった。

保釈された安藤は石川に、自分は絶対的な悪であり、石川は中途半端な正義を実践しようとして、常に自分に敗北するしかない、などと持論を展開。そして、今まで犯罪を研究し尽くしてきたからもっと色々な犯罪を試してみたいと意気揚々と去っていく。

少年の葬儀に立ち会う石川。お棺にすがりついて号泣する母親。すると少年が現れ、ありがとうと言って手を降るのをみて涙をこらえるのに必死な石川。ふと何か閃いたように葬儀場から走り出す。

石川が向かった先は安藤のマンション。

玄関から出てきた安藤を問答無用で屋上まで引きずっていき、屋根すれすれのところまで追い詰める。死になくないなら自供しろと迫る石川に、安藤は動揺することなく自分は悪をなすために人を殺せるが、石川は正義をなすために人は殺せないだろう、と煽る。

激しい怒りにかられた石川。

安藤の胸ぐらを再び掴むと、地上へ向かって突き放す……。

目の前から安藤が消えたことに激しく動揺する石川。自分のやってしまったことに、取り返しがつかないことをやってしまったことに狼狽。

そんな石川の肩に手をかけ「こちらの世界へようこそ」というのだった。

 

第9話「越境」の流れ

自宅

男性が手を合わせ、朝食を食べ始めました。

結構しっかり食べていますね。ご飯、お味噌汁、卵焼き、納豆、きゅうりの漬物、ネギの乗った冷奴、あと小鉢が1品。

お味噌汁を一口飲んで、納得の味だったのか少し微笑んだような?

勤務先はスター玩具のようです。

日曜出勤して車に荷物を積み込んでいます。子どもたちに風船を作るためにガスボンベも持っていくようです。

ショッピングモール

おもちゃ屋さんのウィンドウに、べったりと両手をついておもちゃを見つめる少年。

母親にねだりますが、同じようなものをたくさん持っているから、と却下されてしまいました。

少年、おとなになって自分でお金を稼げるようになったら楽しいよ!好きなもの買えるよ!ただし財力とスペースに限りがあるけど!にこにこ。

少年がお手洗いへ行くと、先ほどの男性がちょうど手を洗いに来たところでした。

男性が持っていた箱は、少年が欲しかったおもちゃGO!KEN BLUE(ゴーケンブルー)だったためガン見する少年。

「カッコイいいだろう?」「うん」「欲しいのかい」「うん」

「そうかぁ。これは人に届けるものだからあげられないけど、車に見本が余っているからそれをあげようか?どうする?」「欲しいです」「お名前は?」「天川弘志(あまかわひろし)です」

「ひろしくんか、おじさん、ひろしくんに見本あげたのが人にバレたら会社の怖い人に叱られちゃうからバレないようにあげたいんだ。だから、人に見つからないように駐車場まで、こっそりついてきてくれる?」「うん」

あ、れ、もしかして、この男性、悪い人??

 

いつまでたっても息子が帰ってこないので心配になる母親。

 

ちなみに、ロケ地は千葉県印西市原1-2にあるBIG HOP ガーデンモール印西ですかね?

BORDER犯行地図

左の方にある青い丸の付近に、少年がのぞいていたおもちゃ屋さんがある設定なのかな?

で、青い丸の右の方にある黒い丸のところにあるトイレで、男性が少年に声をかけたという設定なんだと思います。

 

駐車場

少年が駐車場へコッソリと行くと、GO!KEN BLUEの箱が置いてあるのを見つけました。

嬉しそうに手を伸ばしたところを、車に引き入れられてしまう少年。

すぐにガスを吸わされてしまいます。

その頃、母親は息子の名前を呼びながら半狂乱で走り回っていました。

 

天川家

警察に通報したようで、警察が逆探知などをセットしています。

お金持ちの家でもないのに、なぜ狙われたのかと不思議がる父親。自分が目を離したからだと悔やむ母親。

 

公園

ベンチの上で横たわる少年。

僕は天川弘志、おうちに帰りたい。

ミカが到着しました。そうか…眠らされただけじゃなかったか。しょぼん。

 

防犯カメラもなく、人目もつかないベンチのため、初めから犯人はここに死体を遺棄する予定だったのかもしれないという石川たち。

誘拐された場所から公園までは直線距離で約40キロ近く。誘拐した子供を運ぶには、かなりリスクが高くそれなりの覚悟と計画がなければやり遂げられないだろう、と。

「気合い入れていくぞ」という市倉。

角膜の状態と死後硬直の程度から見て死後20時間ぐらい。誘拐されたのが午後1時過ぎで、亡くなったのは昨日夕方頃。

死因は舌骨の骨折による窒息死。小さい棒状のものか、もしくは親指を舌骨に乗せ体重をかけて一気に折ったのだろう、というミカ。手際から見て医学的知識が相当ある人間の仕業だ、と。

市倉「よっぽど被害者の体に証拠を残したくなかったんだな」

立花「前科のある奴の犯行ですかね?」

市倉「その可能性あるな。他に何かあるか?」

ミカ「気になる点はいくつかありますが、詳しく検死をしてみないとハッキリは言えません」

市倉「分かった。じゃ、よろしく頼んだぞ」

 

ミカは石川に走りより「ねえ、大丈夫なの頭?」と。

ミカさん、聞き方。ふふふ

「至って正常だよ」「弾のことよ」「分かってるよ。今のところ何ともない」「どうして手術しなかったの?」「……」

そこへいつもの、キーーーーン。

振り向くと被害者の少年が立っていました。

「どうしたの?」「なんでもない」

ショッピングモールの駐車場

防犯カメラには少年の姿は映っておらず、目撃証言もなしという報告を受ける市倉たち。

防犯カメラが20台もあるのに映らなかったのは、映らない場所を選んで動いた、いや、動かしたのか、という市倉。

8歳の子供を思い通りに動かすなんて可能なんですかね?という立花。催眠術でもかけないと無理だろうな、と答える市倉。

「防犯カメラの位置に熟知してると思われることから、このショッピングモールの従業員、出入りの業者で怪しい者がいないか調べています」という刑事に、「それもかなりの数だな」という市倉。

キーーーーンという音がして、振り向くと少年が駐車場のB-2ゾーンに佇んでいるのが見えました。市倉たちに、ここを少し回っていく、すぐに追いつきます、という石川。

不審そうに石川を見ている立花。

 

石川は少年に近づき、側に座りました。

「怖かったかい?」

黙って頷く少年。

「お兄さんが、弘志くんを怖い目に合わせた悪い奴を絶対に捕まえてやる」

「本当?」「本当だ。指切りはできないけど約束する。弘志くんを怖い目に合わせたのは、どんな人だった?」「おもちゃやのお兄さん。おもちゃをくれるって言うから、付いてっちゃったの。お母さんに、いつも知らない人についていっちゃだめって言われてたのに」

「弘志くんは悪くないよ、悪いのはそのおもちゃやのお兄さんだ。そのお兄さんのことで、他に覚えていることはある?」

「すごく優しそうで、いい人に見えた」

検死

照明を消しライトを当ててみると、少年の腹部にAという文字が浮かび上がりました。

 

両親が遺体を確認に来ましたが、「私、出来ない」と廊下で立ち止まる母親。「きちんと確認してやろう。俺たちにしか出来ない仕事なんだから。さぁ」という父親。

遺体安置室で息子の顔を見て泣き崩れる母親。「あなた、ごめんなさい」そう言って抱き合う夫婦。その近くで泣いている弘志くんの姿を見る石川も、思わず涙がこぼれそうになります。

会議

弘志くんの体には性的暴行のあとも、目立った外傷もなかったと報告するミカ。

そしてブラックライト照射により、胸部中央付近に唾液で書かれたと思われるAの文字が見つかったこと。弘志くんではなく、おそらく犯人の唾液だろう、と。

唾液を検査した結果、非分泌型の唾液であることが判明。血液型もDNAも検出できないそうです。

そして通常は死体を運ぶ時に犯人の汗や皮脂などが付着するが、それらも一切検出されず犯人は証拠を残さぬよう細心の注意を払って犯行に及んだのだろう、と。

 

サイモン&ガーファンクルの仕事場

ショッピングモールに出入りしているおもちゃの卸問屋は2つ。スター玩具社とマルカワ玩具。ただ、マルカワはガチャガチャや食玩がメインなので恐らくスター玩具社だろうというガーファンクル。

誘拐があった時間の1時間前に搬入の記録も残っているから間違いないと思う、というサイモン。

石川が代金を支払おうとすると「今回はいいです。その代わり犯人の野郎を必ず捕まえてください」というガーファンクル。「絶対だよ」というサイモン。

「絶対に捕まえてやる」という石川。

石川が出ていくと「今日の安吾くん、何かおかしかったね」というサイモン。「うん」「大丈夫かな」

ちょ、ちょっと待って。え?そうなの?サイモン、石川のこと”安吾くん”呼びしてるんだ?!!?

石川知ってるのかな、いや、知らないだろうな。知ってたら、どんな顔するかな。

スター玩具社

日曜日に搬入したのは、安藤という社員で間違いないという回答。

しかも安藤は昨日突然辞表を提出して辞めてしまったんだとか。

「真面目に働く、将来有望な奴だったんですけどねぇ。他にやりたい仕事が見つかったから、って。まったく最近の若い奴は理解できませんよ」という上司。

石川は安藤さんの荷物はまだ残っているか?と聞くと机の上は綺麗に片付けられていました。ただ、安藤のコーヒーカップだけは残されていました。

 

ミカの仕事場

コーヒーカップに付いていた唾液の検査結果を石川に見せるミカ。

「あんたの思ってた通り、非分泌型だった。それはだれから採取したの?いま任意で聴取受けてる人から?」

「今はまだ言えないんだ」

「何にせよ、その人が非分泌型の血液だって分かっただけだから、先走ったことはしないでね。非分泌型の血液を持つ人は人口の約1/3もいるの。つまり現時点では、その人たち全員が被疑者ってことなんだから」と釘を刺します。

「分かってるよ」「待って」「なんだ」「もしかして、何かおかしなものが見えてる?」

ふふふと笑う石川は「おかしなものってなんだよ?」「例えば…死者とか」

思わず真顔になる石川。「科学者がそんなこと言っていいのかよ」

「そこら辺の頭でっかちと一緒にしないで。この世界にありえないことなんてないの。それを実証していくのが科学者の仕事よ」

「もし見えてたとしたら、どうだって言うんだよ?」

「もしそうだとしたら、頭の中の弾が原因の可能性が高いわ。それに見えてはいけないものを見続けているんだから、相当心にダメージが加わっているはず。ねぇ、どうなの?」

「今はこの事件に集中したいんだ。事件が解決したら、きちんと話すよ」

「分かった」「心配してくれてありがとう」「この前も言ったけど、痛みに支配されないで」「気をつけるよ」

 

CASA黒田

自宅マンションから安藤が出てきました。

警察手帳を見せ「少しお話を伺いたいんですが」という石川。日曜日に誘拐のあった千葉のショッピングモールに行きましたね?というと、素直に仕事で行きましたと答える安藤。

誘拐された男の子は見ていない、と答え求職活動中で忙しいのだと歩き出す安藤。

キーーーーンと音がして少年が現れます。安藤の姿を見て、恐ろしくて目をつぶっています。犯人だと確信する石川。

 

天川家

少年の部屋を見せてもらう石川。

枕から少年の髪の毛を採取。

 

書店

なんだか店内の雰囲気が丸善 日本橋店っぽいですよね。

ま、それはさておき。

「しんどい仕事になるが、よろしく頼む」と少年の髪の毛をスズキに渡す石川。

「はい」

代金を支払おうとすると「今回はいただけません。裏の世界にいますが、陽のあたる場所の道理がどんなものかは分かっているつもりです」そして1冊本棚から本を取り出すと「ちょうど探していたんですよ」と言って足早に去っていくスズキ。

サイモン&ガーファンクルといい、むしろ裏の世界にいる人たちのほうが真っ当な感じ。

CASA黒田

自宅を出た際に、ドア上部にセロハンテープを貼る安藤。

入れ違うようにスズキが何かの作業員に扮装して安藤の自宅へ侵入。安藤のソファに少年の髪の毛を挟みました。

帰宅した安藤。

テープがはがれているのを、じっと見てから部屋に入りました。

 

翌日。

安藤の前に現れる石川。

「今日はなんですか?何もなければ行きますね。まだ職が見つかっていないんで大変なんですよ」

胸ぐらをつかみ壁に押し付ける石川。

「痛いですよ」

すると石川が安藤に頭突き、するのかと思ったら、なんと壁に自分の頭を打ち付けました!!

 

さらにもう一度、もう一度。

額から血を流しながら「公務執行妨害で現行犯逮捕だ」「随分と古風な手を使うんですね」

 

警察署

「向こうから手を出したってのは本当か?」

「はい、誘拐事件に関して話を聞きたいといったら突然襲いかかってきました」

「そもそも、なんでアイツに目をつけたんだ?」

「おもちゃをつかってなら、子供を操れると思ったんです。それでショッピングモールを起点におもちゃやを調べていったら、奴に辿り着きました」

「そうか」

「奴の血液型は非分泌型です。奴で間違いありません」

そこへ令状がおりたのでガサ入れできる、と立花が報告に来ました。

「家宅捜索の令状がおりたぞ。愉しみだな」という石川に「はい、楽しみです」という安藤。

 

しかし、部屋からは何も弘志くんの遺留物が出てきませんでした。弘志くんはおろか、髪の毛1本も出てこなかった、という市倉。

「逮捕の前に一度接触したことで、奴に警戒されたのかもしれないな」

呆然とする石川。安藤が乗っていた社用車からも何も出なかったという立花。

立花「犯行時刻の近辺にショッピングモールにいたことは確認できたんだが、弘志くんと接触した証拠はなにもない」

市倉「このまま奴を留置しておくことはできない。上からの命令だ。それにお前の捜査資料に上が強い疑念を抱いている。これまでは俺も大目に見てきたが、今回これ以上無茶なことするな」

黙って部屋を出ていく石川。

お前のことを思って言ってるんだ!……分かってくれ

 

警察署の外で安藤を待つ石川。

「謝罪ならいいですよ」「お前がやったんだろう」「はい。そうやって聞いてもらえれば、いつでも正直に答えたのに。まぁ、私がやった証拠は何もないですけどね」

そして「どうやってあなたが私にたどり着いたのか、いまいちよく分かりませんが何にせよあなたは間違っていなかった」

「何が目的だ?どうやったら、あんな無垢の子供を殺せる?」

「あなたがあの子を無垢だと思ったのは何故ですか?私に殺されたからでしょう。あの平凡な子が無垢な存在になれたのは私のお陰ですよ。いうなれば、私があの子に光を与えてやったんです。

それに世の親たちにモラルを与えてもやりました。しばらくの間は、私のお陰で買い物のとき我が子の手を離す親が減ることでしょう。

闇があってこそ、光があるんです。悪が存在してこそ、正義も存在する。どちらか一方しかない世界なんてつまらないですよ。そうでしょ?私がいるからこそ、あなたは輝けるんです。

もしそれが気に入らないなら、あなたもこちら側に来るといい。髪の毛を置くなんて、みみっちい真似をしないで私を直接罰すればいい。それはできないでしょう?

でもそれが正しいんです。私が絶対的な悪をなす、そしてあなたは中途半端な正義を実践しようとして、常に私に敗北する。これからも正しい関係でいましょう」

「いつから悪に染まった?何がきっかけだ?」

「さぁ。いつからでしょう。ところで、あなたが正義に染まったのはいつですか?何がきっかけですか?分かったでしょう。実は正義や悪に対した違いはないんです。あるとするなら、実際に行う者の違いだけです。つまり、私が有能で、あなたが無能ということです。

私は絶対的な悪をなすために、これまで長い準備期間を費やしてあらゆる犯罪を研究しつくしました。無能なあなたに、容易く捕まるわけにはいかないんです。

ちなみにアルファベットのAは私の名前、安藤の頭文字です。これからも私はいろいろな死体にサインを書き続けるつもりです。誘拐殺人は完成したので、次は違う犯罪に手を染めようと思っています。

そのための求職活動中なので、これ以上邪魔をしないでくださいね」

滔々と自分の持論を展開し足早に去っていく安藤。

あまりの衝撃、嫌悪に息切れがする石川。

バー

「どうかしましたか?」「どうもしない」「そうですか」

「絶対的な悪は、この世に存在すると思うか?」「随分と哲学的な問いかけですね。即物的な私には良く分かりません」「茶化さないでくれ。本当に知りたいんだ」

「存在するでしょうね。これまでの人生で何度か、絶対的な悪と呼べそうなものを見てきました」

「それに勝つためにはどうすればいい?」

「私ならそもそも戦いません。絶対的な悪に勝つためには、絶対的な正義にならなくてはいけない。つまり…コインの裏表になるということです。はたから見れば、同じものに見えるということです」

「じゃあどうすればいい。黙って見逃すのか?」

「相手がしくじるのを待つんです。じっくり、腰を据えて。その間に戦う知恵も必ず増えてきます。とにかく焦らないことです」

「その間に、いくつもの命が消えていってもか?」

「消えていくものを必要以上に儚んではいけません。あなたの魂がすり減ってしまいますよ。運命だったと思って諦めるんです」

ふっと笑った石川。

「俺が撃たれて生き返ったのは運命だろう。だとすると、それに従わなきゃならない。ありがとう」

出ていこうとする石川に「石川さん!……近々、ビジネスは抜きにして酒を酌み交わしましょう」

「ああ、楽しみにしてるよ」

 

ミカの職場の廊下

立花からの携帯にでるミカ。

立花は石川が合流する時間になっても姿を現さないし、電話にも出ないと心配しています。

「分かった。心当たりを探してみる」「あ、おい!……頼んだぞ」

葬儀場

石川は少年の葬儀に立ち会っていました。

泣きじゃくる母親。いよいよ棺が火葬されそうになると、お棺にすがりついて泣きます。

キーーーーン。

少年が石川の前に現れ、手を振りながら「ありがとう」と言いました。

何とか涙をこらえようとする石川。

何かを思いついたように動き出す石川を追うミカ。どんどんと走っていってしまう石川を見送るしかないミカ。

 

黒田のマンション

黒田が家から出てきたところで石川が待ち受けていました。

「今日はなんですか?」と聞く黒田を屋上まで引っ張っていく石川。

そして屋根ぎりぎりのところまで安藤を連れて行くと、

「怖いか?死にたくなかったら自白しろ。証拠を差し出せ!」と叫びます。

「本当に何も分かっていないですよ、あなたは。あなたは正義のためなら死ねると思っているでしょう?私も同じです。悪をなすためなら死ねると思っています。

でも、あなたと私には決定的な違いがあります。

私は悪をなすためなら人を殺せます。でも、あなたは殺せないでしょう?

この差は永遠に縮まらないんです。それが分かったんなら、もう私のことは諦めてさっさとコソドロでも捕まえに行ってください」

安藤を引き起こす石川。

「また私の勝ちですね」

石川は再び安藤の体を斜めにすると……両手で突き飛ばしました。

まぢか!

落ちていく安藤。ドサっという音。

驚いたような顔をして呆然とする石川。そして嗚咽。

恐る恐る下を覗き込むと、そこには安藤が倒れています。

 

石川の手に誰かの手が置かれます。

「こちらの世界へ、ようこそ」

安藤でした。

声を出さずに泣く石川。

 

感想

参った。参りました。本当に、最後の最後まで圧倒されました。

呼吸の回数が半分になっていたと思います。

大森南朋さんの演技が、恐ろしくて。すごいいい人そうに見えて、でも淡々と悪をなす。なんの良心の呵責もなく、息をするように犯罪を重ねようとする、その姿に背筋が寒くなります。

自分を絶対的な悪だといい、中途半端な善をなそうとする石川に敵う相手ではないと煽り。

そして、石川が越えてしまいました。そうだ、そうでした、最終話のタイトル「越境」ですもんね。

もう何がすごいって。

第3話で「殺されて当然の人間なんて…絶対にいるわけない」と言った石川が、

第8話で「俺は絶対に正義の階段を踏み外さないぞ」と言った石川が。

その言葉が全てブーメランのように石川自身に返ってきて。なんてすごい脚本なんだ、演技なんだ、音楽なんだ、関係者の皆さん、すごい!!ってなりました。

しかも、あれでしょ?これから犯罪を重ねまくるぞ!って張り切っていた安藤のことだから、絶対この世に未練たらたらで、成仏なんて冗談じゃない!って石川にまとわりつくんだよね??ますます、心穏やかじゃないよね???なんて妄想。

その上、死者のくせに(失礼)石川の肩に手をおけるなんて。死者って、生前の世界のものに触れる時は、すり抜けちゃうイメージがあったもので。それはゴーストの影響ですかね?

 

しかも、ドラマ最終話で、この終わり方!なんてチャレンジング!!

これ、リアルタイムで見てたら、あああああー!って絶叫してただろうなぁ。いや、数年後に見ても声がでない絶叫したんですけど。驚きすぎると、人間って声でませんよね?え、出ます?そうですか。

 

最終話の3年後にスピンオフスピンオフドラマ『BORDER 衝動〜検視官・比嘉ミカ〜』があって。2週間後にドラマスペシャルとして『贖罪』が放送されて。

すごいなぁ、3年後に2本もドラマが追加されるって根強い人気があったからこそですよね?

あー、みたいなもう少し。赤井と市倉のスピンオフとか、見たくないですか?立花の視線からのドラマでもいいな。

まぁ、その前に『贖罪』の感想をいつか書きたいと思う今日このごろです。

長々と読んでいただき、ありがとうございました。

 

いやぁ。すごいドラマだ。だからこそ、だからこそ、第5話は本当に宝物のようなお話だな。大好き。

 

第8話「決断」《  》ドラマスペシャル「贖罪」①

 

 

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