温氏と四大世家との対立が決定的なものとなりました。温氏は、どんな手をつかって攻撃してくるのでしょうか…。
アニメについては、アニメ『魔道祖師』前塵編 第1話「禁断の召喚」を見始めたら、一時停止ばかりしてた話から羨雲編まで全話ネタバレを書いています。
よし。全50話、頑張って見てみよう。
Contents
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第15話の登場人物
魏無羨(ウェイ・ウーシエン) | 雲夢江氏(うんむジャンし)に引き取られ育てられる。江澄の兄弟子。温晁に目をつけられてしまう。 |
江澄(ジャン・チョン) | 雲夢江氏。宗主の息子。 |
江楓眠(ジャン・フォンミエン) | 江氏宗主。妻とは仲が悪い。 |
江紫鳶(ユー・ズーユエン) | 江楓の妻。夫が息子の江澄よりも魏無羨を可愛がっていることに怒っている。 |
金珠(ジンジュー)、銀珠(インジュー) | 虞夫人の下僕であり、夫人にしか仕えない。 |
江厭離(ジャン・イエンリー) | 江宗主との娘。江澄の姉。魏無羨からは師姉と呼ばれている。 |
温若寒(ウェン・ルオハン) | 温氏の宗主であり、各仙門を統括する仙督の地位についている。 |
温晁(ウェン・チャオ) | 温若寒の息子。手柄を立て父親に認められたいと必死。 |
温逐流(ウェン・ジューリウ) | 温晁の部下。 |
王霊嬌(ワン・リンジャオ) | 温晁の正室の侍女だったが、色目を使って温晁の愛人に。 |
薛洋(シュエ・ヤン) | 温若寒に頼まれて陰鉄を探している。自分自身は陰鉄には興味がない(と言っている)。現在、行方不明中。 |
第15話までで分かったこと
当時最強の国師・薛重亥(シュエ・チョンハイ)が陰鉄に怨念を吸わせ人々を犠牲にする。また妖獣・屠戮玄武(とりくげんぶ)を操り仙門の宗派を虐殺した。そこで五大世家が協力して薛重亥を倒す。 | |
陰鉄を四分割して霊脈の豊かな地に隠し、後世に陰鉄を伝えないよう五大世家で決める。 | |
藍啓仁(ラン・チーレン)と魏無羨の母親・蔵色散人は学友だった。 | |
姑蘇藍氏で唯一の女性宗主・藍翼は陰鉄を浄化し、藍氏の門派を広げるために利用しようと考えるも浄化できず自身も深手を追う。藍翼と魏無羨の母親・蔵色散人も知己。 | |
4歳で両親をなくした魏無羨(ウェイ・ウーシエン)を雲夢江氏(うんむジャンし)が引き取って育てる。 | |
舞天女に埋まっていた隕鉄を温若寒が取り出したせいで舞天女が人間の霊識を吸うようになってしまった。霊識を座れた温情の弟は病気になってしまった。 | |
姑蘇藍氏で行われる座学に参加するため魏無羨、江澄たちは姑蘇へ。そこで魏無羨と藍忘機が出会う。 | |
各世家の弟子が誘拐される事件が頻発。どうやら術をかけて傀儡にしようとしている人物がいるらしい。 | |
姑蘇藍氏で行われる座学に岐山温氏が参加。温氏の本当の目的は姑蘇藍氏が持っている陰鉄を探すこと。 | |
碧霊湖にでる”水の怪”を藍氏双璧、魏無羨、江澄たちでやっつける。 | |
破壊し隠蔽したはずの陰鉄の欠片が、誰かによって利用されようとしていることが姑蘇藍氏、雲夢江氏の宗主たちに分かる。誰か、って温若寒(ウェン・ルオハン)なんですけどね。 | |
座学を終え蓮花塢へ帰るはずだった魏無羨。しかし藍忘機を追って一緒に陰鉄を探す旅にでる。 | |
魏無羨と藍忘機が大梵山の舞天女を封じた。ちなみに聶懐桑もいたが、見ていただけだった。 | |
清河聶氏の本拠地へ行く魏無羨たち。陰鉄を持って姑蘇へ帰った藍忘機と入れ替わるように、温晁たちが清河聶氏の本拠地を襲う。薛洋が逃亡。孟瑶も清河聶氏を追われる。 | |
温氏が姑蘇藍氏を焼き討ちにする。仙門の弟子たちが温氏の訓学に無理やり参加させられる。 | |
暮渓山の洞窟に住む妖獣を倒す魏無羨と藍忘機。四大世家と温氏との対立が決定的になる。 | |
温氏の王霊嬌(ワン・リンジャオ)が蓮花塢へ乗り込んできて魏無羨の右腕を切り落とすこと、蓮花塢を観察寮にすることを勝手に宣言。虞夫人を激怒させる。 | |
魏無羨(ウェイ・ウーシエン)が大勢を敵に回したせいで雲夢江氏は滅亡寸前になる。 | |
16年前 | 魏無羨(ウェイ・ウーシエン)=夷陵老祖(いりょうろうそ)死去。殺したのは雲夢江氏(うんむジャンし)。遺体は見つかっていない。 |
現在 |
莫玄羽(モー・シュエンユー)は13歳から数年間、蘭陵金氏(らんりょうジンし)で過ごしたが結局我が子と認知されず莫家に戻ってきている。 莫家に戻ってくると顔を塗りたくったり、仮面を着けたりしはじめた。 |
莫玄羽は自分の恨みを果たすため、魏無羨を召喚し自身は命を落とす。左腕に4本の傷を残すことで、4人の命を奪うよう魏無羨にお願いする。 安らかに死んでいたはずの魏無羨、いきなり莫玄羽として生きることになる=復讐を依頼されちゃうし、目覚めた途端に蹴られるし、いきなり色々と大変。 |
|
莫家のお祓いをするため、姑蘇藍氏の仙師たち8名が到着。 | |
邪祟を呼び込む旗を盗んだ莫子淵(モー・ユーズエン)が邪祟に取り憑かれて暴れる。次に取り憑かれたのは父親、下僕の阿童、そして母親までもが取り憑かれる。 | |
魏無羨は自分だとばれないように莫玄羽を装いながら、密かに藍氏の仙師たちをアシストしつつ邪祟を倒すのを手伝う。 | |
金凌が、自分の師姉・江厭離の息子であることを知る魏無羨。しかし江厭離は魏無羨に恩を仇で返され死んでしまったらしい?金凌の父親も魏無羨のせいで死んでしまった?? |
第15話「母の思い」の流れ
蓮花塢
平陽姚氏(へいようヤオし)の宗主と部下1名が蓮花塢へ逃げ込んできました。
姚宗主は、かなりの深手を負っているようです。
姚氏は温氏の本拠地である岐山から平陽へと逃げたところ、温氏に攻撃され命からがら逃れてきたんだとか。姚氏は勢力も弱く、大世家と争う気もなかったのにまさか一門滅亡の危機に瀕するとは、と嘆く姚宗主。
江宗主は、姚宗主にしっかり療養するように、そして蓮花塢に来た以上、全力でお守りすると勇気づけるのでした。
江澄は、自分たちのことも温氏は見逃さないだろうから姚宗主にとって蓮花塢は安全な場所ではないかもしれないと心配します。
江宗主は、温氏に対抗できるのは蘭陵金氏だけだろうと。
確かに。姑蘇藍氏は焼き討ちにあったし、清河聶氏は画面には出てきてないけれど聶宗主も温氏に攻撃されてるっぽいし。つまり、雲夢江氏もさほどは勢力が強いわけではないということなのかな?
ただ、江宗主が温氏と対抗するだろうか?と思っているようです。魏無羨は、金子軒は正義感があり金氏が温氏に背けなくても金子軒だけは味方だ、と。
姑蘇藍氏の座学に参加したときは、師姉・江厭離と婚約していた金子軒と喧嘩した魏無羨。温氏での訓学に参加して、金子軒は意外と気骨のある人間なんだと知ることができたようです。というか、私もお高くとまったお坊ちゃまとしか思っていなかったので。岐山での金子軒を見てビックリしました。
江澄も金子軒のおかげで魏無羨を救えたと言うと、江宗主は姚宗主を金氏のところへ連れて行こうと言います。
自分も同行するという江澄でしたが、江宗主は魏無羨と共に蓮花塢を守るように命じるのでした。
雲夢埠頭
先に船へ乗り込む姚宗主と弟子。
江宗主は数日不在にするが、その間は2人の師兄(しけい)の指示に従うよう弟子たちに言いました。姉上も江宗主と一緒に蘭陵へ行くようです。
いざ出発、となったところで「阿離(アーリー)」という声が。
虞紫鳶(またの名を虞夫人)が登場。
阿離のために準備しておいた、と劉婆の作った点心と、駆風散(くふうさん)を手渡します。
「お前の父…誰かさんが頭痛の時に飲ませるといいわ」
「父上に代わって感謝を」という姉上に「必要ないわ。お前の安全のためよ。蘭陵行きは危険だわ。注意しなさい。行って」
虞夫人、ツンデレ。いや、デレたところは見たことがなかった。いつも怒ってるシーンばかりで。でも、ここのシーンで本当は夫を気遣っている一面もあるんだな、と。
船に乗り込んだ江宗主は虞夫人を見ますが、夫人はすぐに視線をそらしてしまいます。
岐山
温晁(ウェン・チャオ)が父親の温宗主に報告に来ました。しかし、いつもの椅子に座っていないので驚きます。
温宗主は椅子ではなく階段のところに疲れたように座っていました。
「父上、どうされました?」という息子の問いには答えず「薛洋(シュエ・ヤン)の行方は分かったか?」と聞く温宗主。薛洋(シュエ・ヤン)の行方は分からず、害を撒き散らすので誰かに殺されたのかもしれないと答える温晁(ウェン・チャオ)。
すると突然、温宗主の右手が暴れだします。必死に左手で押さえる温宗主。温情に鍼をうってもらうから呼べ、というものの、温情と弟・温寧を夷陵へ行かせたのは宗主のようです。
呼び戻すか?という息子に、必死で右手を押さえつつ「必要ない」と。黒い煙でてましたけど、大丈夫ですかね?!これって、もう陰鉄に毒されてるのでは?!
「暮渓(ぼけい)山の屠戮玄武(とりくげんぶ)のいた洞窟は捜索させたな?何か発見は?」「屠戮玄武が死んでいました」「死んだ?薛重亥(シュエ・チョンハイ)の神物(しんもつ)である屠戮玄武が簡単に死んだと?」「魏無羨と藍忘機が殺したのでしょう。ただ玄武には封印紋がありました。何かの法器で洞窟に封印されていたのかと」「その法器は?」「……見つかりません」
ビャっ!と何かを息子に向けて発射する温宗主。倒れ込む温晁(ウェン・チャオ)。
「かの屠戮玄武を100年も封印したのだ。ただの代物ではない。探し出せ!」「はい」
用は済んだとばかりに、いつもの椅子へ座ろうとする温宗主。温晁(ウェン・チャオ)は、「しかし父上、雲夢をどうすれば?」「滅ぼしたいのなら好きにせよ」と答えました。
雲夢
凧を射る練習をしている雲夢江氏の弟子たち。
それを見ていた魏無羨は、今日はもう止めよう。順位が低かった何人かは六師弟と矢を拾いに行くように、と命じます。
六師弟というのは師弟のうち6人かと思ったら、六番目の弟子という意味のようです。
六師弟は「大師兄、なぜいつも僕が疲労の?ずるいや」と不満顔。思わず、ふっと笑ってしまう江澄。
「仕方ないだろ。敷地を出るなと虞夫人に命じられてる。きっと金珠(ジンジュー)と銀珠(インジュー)がどこかで監視して密告する気だぞ」
いつも虞夫人の後ろにいる女性2名は、金珠(ジンジュー)と銀珠(インジュー)というのですね。
「もし敷地を出れば虞夫人のムチで皮はぎの刑に」「怖いものなしの大師兄も師娘(しじょう)だけは怖いんだね」という六師弟。
「そして犬も」と弟子たち全員で合唱。
「おい!」と思わず立ち上がる魏無羨。「からかうのはよせ!早く矢を拾え」と叱る江澄。
「江澄、おじさんと師姉が出発してもう数十日だぞ」「数日前、父上の文が届いた。あと何日かで戻るはず。迎えを出すか母上と相談したいが母上の怒りは収まっているだろうか」「俺も外に出たいよ」
野原
弓や凧を拾っている六師弟たち。
打ち落された凧を持ち、彼らを見ているのは王霊嬌(ワン・リンジャオ)。温晁(ウェン・チャオ)の愛人です。
「これは誰の凧?」と聞く王霊嬌(ワン・リンジャオ)。「僕の凧だよ」と答える六師弟。
「なんて無礼な。捕まえておしまい」と命じる王霊嬌(ワン・リンジャオ)。
屋敷
一足先に戻ってきた魏無羨と江澄。そこへ六師弟が捕まったと報告が入りました。
弟子たちは温氏は横暴過ぎる、などと口々に言い出しますが。魏無羨は、温氏に聞かれた余計な口実を与えるから静かにするよう言いました。おお、先を読んでいる。
そして、六師弟を捕まえた女性は剣を佩(は)いておらず、妖艶で、顔には痣があったのではないか?と聞きます。
魏無羨には、そんなことをするのは王霊嬌(ワン・リンジャオ)だと分かったようです。
そこへ騒がしい、と虞夫人登場。捕まっただけで、まだ殺されたわけではない。それなのに狼狽するなんて、それでも未来の宗主?と息子を叱る夫人。
そこへ「蓮花塢も評判以下ね」と王霊嬌(ワン・リンジャオ)が入ってきました。
「虞夫人、おひさしぶり」ということは、会ったことがあるようですね。
屋敷の中に通された王霊嬌(ワン・リンジャオ)は「中は悪くないわね。ただ木目の色が暗いようだけど。虞夫人は女主人だというのに飾りつけもできないの?ここと、向こうと、あっちだけど紫や紅色の帳(とばり)だったら見栄えもよくなるわ」そう言って、勝手に主の椅子に座る王霊嬌(ワン・リンジャオ)。
六師弟を捕まえた理由を虞夫人が聞くと、話は長いからお茶を持ってくるように言う王霊嬌(ワン・リンジャオ)。
しかし「ない、自分で入れよ」「江家の下僕がやることでは?」「江家の下僕には別の任務がある。お茶くみのような雑用をやってやる暇はない」と交互に答える金珠と銀珠。
下僕が客間で大口を叩くなんて感心しない、と怒っている王霊嬌(ワン・リンジャオ)。「温氏であれば頬をぶたれるわよ」「金珠と銀珠はただの下僕とは違う。幼き頃より私の従者で私以外の誰にも仕えないし当然頬を打てる者など私以外の誰もいないわ」と答える夫人。かっこいい!
「聞き捨てならないわね。世家では奴婢の立場を明確にしないと秩序が乱れる。下僕は下僕でしかない」「そうね。下僕は下僕らしくしないと」と魏無羨を見ながら言う夫人。
「ただ雲夢江氏の師弟を捕らえて何をする気?」「虞夫人、あの師弟とは縁を切ることを勧めるわ。反逆の意思を持っているもの」
そして先ほど拾った凧を持ってこさせ、それが反逆の証拠だと言い出す王霊嬌(ワン・リンジャオ)。
”一つ目怪物”の凧のどこが反逆の証拠なのか?と聞く魏無羨。
すると凧の色と怪物の形が何よりの証拠だ、金色の丸い形は太陽に似ている。わざわざ”一つ目怪物”の凧を作り金色に塗ったのは太陽を射たいとほのめかしているのだ。
温氏の家紋は太陽だから、温氏討伐を狙っている、という言いがかりですね。
「その言い分じゃ、みかんも食えない。みかんも黄金色だし丸いが、あんただって好きだろ?」という魏無羨。ぐっ、と詰まる王霊嬌(ワン・リンジャオ)。
凧のことで来たのか?と聞いた虞夫人に、そうではなく温晁(ウェン・チャオ)の命令で魏無羨を懲らしめに来たのだと答える王霊嬌(ワン・リンジャオ)。
温晁(ウェン・チャオ)が妖獣と戦っている時、何度も不敬な言葉で撹乱させ、若様を危険に晒したのだ、と。若様の宝剣まで傷物になったが、幸い、剣がなくても妖獣を仕留めてみせた、と。
は?ただ、逃げただけですけど??中に人がいるのに、洞窟ふさいで逃げた卑怯者ですけど???
王霊嬌(ワン・リンジャオ)は虞夫人に魏無羨を罰して欲しいと言います。
魏無羨は下僕だから、宗主がいなくても夫人は正しく判断するはず。江氏で魏無羨を庇う人間がいたら、噂は本当なのだと勘ぐってしまう、と。
噂というのは魏無羨が江宗主の子供である、という噂ですね。
「このクソ…」と魏無羨が王霊嬌(ワン・リンジャオ)に近づこうとすると、バシっバシっとムチ(紫電)でぶつ虞夫人。
魏無羨を庇おうとする江澄に、「お前は関わるな」という魏無羨。泣きそうな江澄。
そしてムチをふるう夫人。大きく魏無羨の身体が飛び、机の上に飛ばされます。壊れる机。
魏無羨に駆け寄る江澄を止める金珠と銀珠。さすが、主のやることを妨げないように仕事してますね。
「言ったはずよ、掟を守らなければいずれ災いを呼ぶとね」そう言って、何度かムチをふるいました。口から血を吐く魏無羨。痛そう。痛そう。
そして王霊嬌(ワン・リンジャオ)の顔を見る夫人。
王霊嬌(ワン・リンジャオ)は、は?みたいな表情で「終わり?」と。「だったら?」「この程度?」「紫電(しでん)がどれほどの霊器だと思っているの?これで来月になっても立てないわ。懲りたはずよ」「でも、いずれ回復する。虞夫人、罰を与える以上は二度と同じ過ちを犯さぬよう厳しい教訓を与えないと。鞭で打つくらいでは、すぐに傷が治ってまた走り回れるわ。それで罰になる?」
むっかつく、むっかつく。王霊嬌(ワン・リンジャオ)め。
「しかもこの若造は、簡単に痛みを忘れるわ。はー。これでは甘すぎる」「ならば脚を斬って走り回れないようにしろと?」「若様は慈悲深いわ。脚なんて残酷なことは言わない。右手くらいでお許しになるはずだわ」
は?
「右手を斬れとでも?」「ええ」
ええ、って。きゅうりのヘタを切り落とせ、みたいなぐらいに簡単に言ってるけど。何様?、むっかつくわー。
自分が手を持ち帰れば雲夢江氏を守ってあげられる、とも。
夫人は一回息を吐くと、「金珠、銀珠。門をしめて。人目につくわ」と扉を閉めさせます。考え直して欲しい、と懇願する江澄。
(別にいいさ、俺のこの右手で平穏が取り戻せるなら…)と思う魏無羨。右手がなければ左手で剣を修練するまでさ、と。
パチパチパチ、とわざとらしく、ゆっくりと手を叩く王霊嬌(ワン・リンジャオ)。「虞夫人、あなたには敬服したわ。きっと観察寮では意気投合するわね」
「観察寮?」「そう、観察寮よ。雲夢に来た2つ目の用件よ。温氏の観察令により観察寮を設けることにしたの。ここで宣言するわ。この蓮花塢は雲夢における温氏の新たな観察寮だとね」
「観察寮だと?ここは私の家だ!」と叫ぶ江澄。
ふん!と鼻で笑い「虞夫人、息子をちゃんとしつけるべきね。この数百年来、百家から首(しゅ)と仰がれてきた温氏の前で自分の家だと訴えるなんて感心しないわ。しかも蓮花塢は古臭く不届き者もいるから重責は担えないと思ってた。ただ夫人は私に従順だし性格も気に入ったわ。だからこの栄誉な役目を…」
すべてを言い終わらないうちに、王霊嬌(ワン・リンジャオ)の左頬をぶつ虞夫人。その一発で床に倒れ込む王霊嬌(ワン・リンジャオ)。
「奴婢が生意気な!」ついに夫人の堪忍袋の緒が切れたようです。
剣を抜く温氏の配下。夫人が紫電を2回ふるっただけで配下8人倒れました。
ゆっくりと王霊嬌(ワン・リンジャオ)に近づくと、ガッと首を左手で掴む夫人。
「勝手に乗り込んでおいて家の者を懲らしめろですって?我が物顔で何様のつもりなの?」そして右頬を平手打ち。
よくもやったわね、岐山温氏と潁川王氏(えいせんワンし)が許さないわ!と叫ぶ王霊嬌(ワン・リンジャオ)。
また右頬を平手打ちしつつ「この奴婢め、お黙り!眉山虞氏は百年の名門だけど潁川王氏など知らぬわ。どこの馬の骨とも知らぬ一族め。程度が知れるわね。何が”尊卑”ですって?では教えてあげる」
そして王霊嬌(ワン・リンジャオ)の頭を踏みつけ床に押さえながら「尊いのは私よ。この卑しい女め」
驚いて、ただただ見てる江澄と魏無羨。
そして金珠と銀珠に黙って頷く夫人。あっという間に温氏の配下を殺しにかかる2人。
さすがの魏無羨も、ええええーって顔で驚いています。
「私の口を封じる気?若様に隠せるとでも?若様はすぐお越しになる。ただじゃ済まないわよ」という王霊嬌(ワン・リンジャオ)に「どうせただでは済まぬ」と答えたのは金珠?銀珠?
「私は若様の側近よ。一番大切にされてる。若様が知ったら絶対に…」「だから何?手を斬るか?脚を斬るか?それとも焼き討ち?もしくは大群で蓮花塢を平定させ観察寮でも建てる?」そして、すっと金珠と銀珠たちの方を振り向く夫人。
金珠と銀珠が、じりじりと王霊嬌(ワン・リンジャオ)に近づいていきます。それぞれ右手に小刀(というには長いか)を持って。そして、この刀を見せないように近づいてくるの、メッチャ怖いだろうなぁ。
「温逐流(ウェン・ジューリウ)、温逐流(ウェン・ジューリウ)助けて!」と叫ぶ王霊嬌(ワン・リンジャオ)。
あと少しで王霊嬌(ワン・リンジャオ)を刺せるとこまで近づいたところで、温逐流(ウェン・ジューリウ)乱入。金珠と銀珠をキックで倒します。
「化丹手(かたんしゅ)?」という夫人。
「紫蜘蛛(しくも)よ」と答える温逐流(ウェン・ジューリウ)。こちらも知り合いのようですね。
早く夫人を殺すよう命じる王霊嬌(ワン・リンジャオ)。
「ふん。本名は趙逐流(チャオ・ジューリウ)でしょう。温氏でもないのに改名したわけね。誰彼と節操もなく祖先まで捨てるとは温氏はそれほど尊いの?」
「主(あるじ)に仕えるまで」
「無駄話をしてる場合?この顔を見てよ。私を守る役目でしょう?若様に言いつけるわよ」
温逐流(ウェン・ジューリウ)は”作揖”っていうんでしょうか、前にならえみたく両手を胸の前に上げたところから90度内側に曲げて、掌を内側を向け左右の指先を合わせる、あれです。どれですか。こちらを参照ください。
要するに、よく別れ際にやる仕草をやると「失礼する」という温逐流(ウェン・ジューリウ)。夫人は紫電を発動させ「その手には乗らぬ!」と鞭を打ち込みます。
しかし紫電の先を右手で掴まえてしまう温逐流(ウェン・ジューリウ)。その間に、王霊嬌(ワン・リンジャオ)は外へ出て若様に向けて信号を打ち上げてしまいました。
母親を助けようとした江澄でしたが、温逐流(ウェン・ジューリウ)に胸を突き飛ばされ吹っ飛んでしまいます。
温逐流(ウェン・ジューリウ)が金珠と銀珠を相手にしている間に、夫人は魏無羨と息子の腕を掴み空を飛ぶと屋敷を抜け出しました。
船
夫人は魏無羨と江澄を船の中へと運びます。
「阿澄(アーチョン)」そういうと息子の手首の脈をとります。「傷は軽い」という母に「どうしますか?」と聞く江澄。
「分からない?最初から制圧する気だったのよ。戦いは避けられない。追っ手が来る前に逃げて」
「でも師姉たちが」という魏無羨に「お黙り!全部お前が招いたことよ」と言われ黙る魏無羨。
いや、そんな。全部ってわけでは。魏無羨は正義感からしたわけで、とかぶつぶつ言う私。
でもまぁ、夫人も本当に全部が全部、魏無羨のせいだとは思って無くて。温氏は、凧であろうが、なんであろうが、温氏に楯突いたという理由をでっち上げて攻めてくるだろうし。魏無羨が温氏の言動に立ち向かったのは、本当は内心はよくやった、と思っている、と思いたい。
でもなぁ、そもそも魏無羨がいるから夫が江澄より魏無羨を溺愛し、魏無羨は江澄より能力が優れていて、手放しでは魏無羨を褒められない状況がずっと彼女のなかでは続いていたわけで。歯がゆかったんだろうなぁ、息子もどこか魏無羨には一目おいてるような感じにも見えたんだろうなぁ。うーん。
夫人は紫電を息子へ移すと「今後、紫電はお前を主と見なすわ」「母上、一緒に逃げましょう」
こんなに優しい表情をした夫人は見たことがないぐらいに優しくて、そして切ない表情をしたかと思うと息子を抱きしめる夫人。
そして次は魏無羨も抱きしめ、るのかと思ったら、なんというか胸ぐらをつかむほどではないけれど、まぁ胸ぐらつかみかけるぐらいな感じで「お前ときたらどこまで憎たらしいの?こんな災いを持ち込むなんて」と言うと軽く突き飛ばしました。
「母上も逃げてください」と母親の手を取る江澄。その手を振りほどくと紫電で江澄と魏無羨を縛ってしまいます。
「安全な場所へ着けば解ける。道中襲われても紫電が守るわ。魏嬰、よくお聞き。江澄を守るのよ。命に代えてでもね」「虞夫人!」「できるか答えなさい」はっきりではないけれど、頷く魏無羨。
そうだよなぁ、軽々しく「守ります!」って言うのも何だか嘘くさいもんなぁ。
「父上の帰りを待ってから一緒に乗り越えましょう」という江澄に「戻らずともよいわ。夫など頼らない」そういうと船を足で蹴飛ばし船を出します。
「母上、なぜ?」と泣き叫ぶ江澄。
何度も、母上と叫ぶ江澄。
しばらく船を見送っていた夫人でしたが、くるりと背を向けると一筋の涙を流します。
船の中で紫電が解けず焦る江澄。魏無羨は夫人が負けるとは限らないこと、温逐流(ウェン・ジューリウ)を牽制していた、と。
しかし信号が放たれ温晁(ウェン・チャオ)が大軍で包囲したらどうなるのだ!と。
すると江宗主と師姉の乗った船が見えてきました。大声で呼ぶ江澄と魏無羨。それに気づき、船を近づけるよういう江宗主。
紫電を解いて欲しいと頼む江澄ですが、江宗主は夫人の紫電だから自分の命令は聞かないかも、と言いつつ手を差し出します。
すると、素直に紫電が解けるではありませんか。江宗主も、それに驚いているようです。
江澄は、温氏が乗り込んできて母親と争いになったこと。温逐流(ウェン・ジューリウ)もいること。信号が放たれ援軍が来るかもしれないと江宗主に報告。
早く戻りましょうという江澄に、何かを考えていた宗主。娘を江澄たちの方へ軽く突き飛ばすと3人とも紫電で縛ってしまうのです。
「よく聞け。蓮花塢に戻らず、そのまま進むのだ。岸に着いたら何とかして眉山の祖母を頼れ。私は妻の元へ」
一緒に行きたいという江澄でしたが「3人とも達者でいるのだ」というと宗主は船を離れようとします。
「みんなを捨てては行けない」という魏無羨。「父上」と口々に言う江澄と姉上。
江宗主は戻ってくると江澄の頬に手を添え「バカな子だ、何を泣く。今生の別れではない」。そして姉上に頬にも手を添えると「阿離、泣くでない。泣くな」と。
魏無羨には「阿嬰、阿澄と阿離を頼んだぞ」というと肩をポンと叩きました。そして弟子たちを蓮花塢へ向かう宗主。
簡単な感想
今回ちらちらと見えたのは、虞夫人は本当は夫のことを心配してるんだな、と。頭痛薬を娘に持たせたりしてるし、あの点心だって夫の分が入っている量だったし。
でも長年、魏無羨ばかり可愛がる夫に苛ついていて今さら素直に感情を表現できないんだろうなぁ、と。
なにより、紫電が江宗主の言うことを聞いた、っていうのも、ね。愛していたかどうかまではハッキリは分からないけれど信頼はしているんだろうな、とも。
魏無羨に対しても、夫人は彼の能力の高さや正義感の強さを認めている部分があるのではないかと私は感じています。でも、それを認めてしまうと次期宗主である江澄に弟子たちが従わなくなってしまうかもしれない、というのもあるのかな、なんて。
だからこそ、もっともっと息子には強くなって欲しいし、しっかりとリーダーシップを発揮して欲しいんだろうけど。でも魏無羨は、皆の心を掴むのが上手というか、なんか憎めないところがあって……頭の回転が速いから口も達者ですしね。
果たして夫人は、本当に魏無羨の右手を斬ろうとしたんでしょうかね?扉を閉めさせたけれど、まだ本当に斬るかどうかは考えていたのかなぁ。でも、なんとかその場を切り抜けようとはしていたんだと思うんですよねぇ。
王が観察寮の話をしなければ、もしかしたら、もしかしたのかもしれませんね。雲夢江氏を救うためなら、自分が悪役になるぐらいな覚悟はありそうだし。
六師弟を勝手にとっ捕まえ、言いがかりをつけ、魏無羨を懲らしめろといい、挙げ句には観察寮だの自分に従順だの蓮花塢は古臭いだの言われ。名門気取りで虞一族をバカにされたら、さすがの虞夫人も我慢の限界。
ああ、もしも王を殺せていたら。もしも王が信号を打ち上げていなければ。そうすれば江宗主も帰ってきて、力を合わせて戦えたかもしれないのに…と思うも。
いずれにせよ、もう温氏が攻め込んでくるのは時間の問題だろうという覚悟は夫人にあったようだし。江澄に紫電を譲ったことからして、蓮花塢が戦場になることも、恐らく勝ち目がないことも分かっていたんだろうなぁ……。
「夫など頼らない」なんて息子には強がっていたけれど、ここに今いないのだから自分が蓮花塢を守る、将来の江氏を守るためにも息子を守るという意味であって。別に、夫など頼りにならない、ってわけではないですしねぇ。
ああ。
次回見るの、しんどいですねぇ。
相関図、用語など
相関図
顔写真付きの相関図が公式ホームページにあります。ありがたい!!
用語
五大世家(ごだいせいか)
仙門のなかでも優れている5つの仙門。
最初の2文字・雲夢、姑蘇、蘭陵、清河、岐山はすべて地名。
江、藍、金、聶、温は、すべて名字。
ホームグラウンド | 家 紋 | |
雲夢江氏(うんむジャンし) | 雲夢・蓮花塢(れんかう) | 蓮の花 |
姑蘇藍氏(こそランし) | 姑蘇・雲深不知処(うんしんふちしょ) | 雲紋 |
蘭陵金氏(らんりょうジンし) | 蘭陵・金麟台(きんりんだい) | 牡丹・金星雪浪 |
清河聶氏(せいがニエし) | 清河・不浄世 | 獣頭 |
岐山温氏(きざんウェンし) | 岐山・不夜天 | 太陽 |
『陳情令』全50話ネタバレ記事を書こうと挑戦中です
半年ぐらいかかりそうです。その前に、記事を書かずにドラマだけ全話見てしまいそう……。
原作
📢おしらせ
ダリアシリーズユニ
「#魔道祖師」全4巻
📖電子書籍化決定📖配信日については決まり次第発表いたします。
(※「魔道祖師」4巻小冊子も含む) pic.twitter.com/D08ur5Gwet
— ダリアシリーズユニ@中国BL『魔道祖師』&タイBL『SOTUS』 (@dariaseries_uni) May 28, 2021
電子書籍で購入しようかなぁ、と思っています。